〔知っておきたいプロの視点〕
病院・医院の経営改善
─ポイントはここだ!─
【第4回】
「DPC/PDPSへの参加は必須か」
東京医科歯科大学医学部附属病院
特任講師 井上 貴裕
連載の第3回では、多くの急性期病院が参加するDPC/PDPSの概要を解説した。
本稿では、DPC/PDPSへの参加条件及び参加することの意義について言及する。
1 DPC/PDPSへの参加
DPCは、その支払いを受けるDPC対象病院と、データ提出だけを行い支払いは出来高で算定する病院の2つに分けることができる。
多くの病院は前者のDPC対象病院であり、参加のためには7対1入院基本料、あるいは10対1入院基本料を算定していることに加え、「データ/病床」比という基準が存在し、2年間のデータ提出を行い提出データ(退院患者数)/病床数が0.875以上(月)であることが求められる。
これは、急性期病院は病床数に対して一定の退院患者がいることを意味しており、在院日数が短く新入院患者がある水準に達していれば容易にクリアできる。それに対して、DPC/PDPSでの支払いは受けない病院は、要求されるデータを提出することによってデータ提出加算という診療報酬を受け取ることができる。
データ提出加算は2012年度診療報酬改定で新設されたものであり、DPC対象病院とそれ以外の急性期病院の診療状況の違いを把握するために評価が行われた。
DPC対象病院が1,500以上に増加した要因として、経済的なメリットをあげることができる。
DPC/PDPSでは暫定調整係数という前年度並みの収入が保証される仕組みがあり(当該係数は、2018年までに廃止される予定)、出来高から包括払いへ移行しても損をしないような配慮が行われている。
実際には、多くの病院が診療単価の向上という経済的な便益を受けている。
2 DPCに参加しない病院の特徴
このような経済的利益があるにもかかわらず、DPC対象病院にもならず、データ提出も行わない病院も存在する。
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