「平成24年版
中小企業の会計に関する指針」の
主な改正点と留意点
【第4回】
「各論における改正事項『貸倒引当金』」
及び「チェックリスト利用上の注意点」
税理士 永橋 利志
1 貸倒引当金計上の留意点
金銭債権について、取立不能のおそれがある場合には、その取立不能見込額を貸倒引当金として計上しなければならない。
この「取立不能のおそれがある場合」とは、債務者の財政状態や取立てのための費用や手続の困難さ等を総合的に判断することになるが、会計上、取立不能見込額の算定方法は、一般債権、貸倒懸念債権、破産更生債権等に区分し、それぞれの区分に応じて貸倒引当金を算定する。
実際の算定に当たっては、過去の貸倒実績率等の合理的基準により算定することが求められる等、中小企業にとってはハードルの高いものとなっている。
中小会計指針では、このような状況に照らして、平成23年12月税制改正前の法人税法の区分に基づいて算定される貸倒引当金の繰入限度額が、明らかに取立不能見込額に満たない場合を除き、その繰入限度額を後期の貸倒引当金繰入金額とすることができるとしている。
「平成23年度 法人税関係法令の改正の概要」 ※「Ⅳ 貸倒引当金の見直し」を参照
なお、「法人税法上の区分」とは、まず、一括評価金銭債権と個別評価金銭債権に区分され、さらに、個別評価金銭債権は、法律による長期棚上げ債権、債務超過が1年以上継続し事業好転の見通しのない場合等の回収不能債権、破産申立てや更正手続等の開始申立て等があった場合の金銭債権に区分され、それぞれ法人税法上の規定に基づき、繰入限度額が計算されることになる。
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