公開日: 2013/06/06 (掲載号:No.22)
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中小企業のM&Aでも使える税務デューデリジェンス 【第3回】「ケース・スタディ(中小企業の買収)」

筆者: 並木 安生

中小企業のM&Aでも使える

税務デューデリジェンス

【第3回】

「ケース・スタディ(中小企業の買収)」

 

公認会計士・税理士 並木 安生

 

第3回では、前回までに解説した各買収形態における税務上の取扱い、及び税務デューデリジェンスの具体的内容を、実際の買収時にどのように当てはめ活用するかについて、事例を用いて解説する。

 

1 前提

買い手B社が、オーナー株主(個人)が所有する中小企業A社に対して、株式交換の手法による買収を申し出たとする。
A社とB社は買収以前において資本関係が全く存在しない、競合他社同士であるとする。

 

2 税務デューデリジェンス結果の活用

税務デューデリジェンスの結果発見した税務リスクの性質次第で、買収価額への反映方法、買収実行の対応が異なってくる。
以下、関係会社間取引に係る寄附金認定の税務リスクが発見された場合を例として、パターンごとの対応を記載する。

① 税務リスク額が試算可能な場合
A社に対して税務デューデリジェンスを実施した結果、過年度における関係会社への役務提供の際に用いた取引価額が税務上の時価を上回っている可能性があることが判明したとする。買い手としては、法人税基本通達9-4-2(子会社再建のための支援損に係る通達)等を検討した結果この差額について損金算入できるかどうか疑わしいと判断したため、税務上寄附金として認定する必要があったと考えたが、過年度の法人税確定申告書上で加算・社外流出処理を行っていなかったものとする。

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中小企業のM&Aでも使える

税務デューデリジェンス

【第3回】

「ケース・スタディ(中小企業の買収)」

 

公認会計士・税理士 並木 安生

 

第3回では、前回までに解説した各買収形態における税務上の取扱い、及び税務デューデリジェンスの具体的内容を、実際の買収時にどのように当てはめ活用するかについて、事例を用いて解説する。

 

1 前提

買い手B社が、オーナー株主(個人)が所有する中小企業A社に対して、株式交換の手法による買収を申し出たとする。
A社とB社は買収以前において資本関係が全く存在しない、競合他社同士であるとする。

 

2 税務デューデリジェンス結果の活用

税務デューデリジェンスの結果発見した税務リスクの性質次第で、買収価額への反映方法、買収実行の対応が異なってくる。
以下、関係会社間取引に係る寄附金認定の税務リスクが発見された場合を例として、パターンごとの対応を記載する。

① 税務リスク額が試算可能な場合
A社に対して税務デューデリジェンスを実施した結果、過年度における関係会社への役務提供の際に用いた取引価額が税務上の時価を上回っている可能性があることが判明したとする。買い手としては、法人税基本通達9-4-2(子会社再建のための支援損に係る通達)等を検討した結果この差額について損金算入できるかどうか疑わしいと判断したため、税務上寄附金として認定する必要があったと考えたが、過年度の法人税確定申告書上で加算・社外流出処理を行っていなかったものとする。

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連載目次

筆者紹介

並木 安生

(なみき・やすお)

公認会計士・税理士
共同会計事務所すいらんコンサルティング  東京オフィス代表

株式会社ディー・エル・イー 監査役
株式会社 TOKYO GIRLS COLLECTION 監査役
ちゅらっぷす株式会社 監査役
ハンナ インスツルメンツ・ジャパン株式会社 監査役

平成8年慶應義塾大学経済学部卒業、公認会計士2次試験合格、朝日(現あずさ)監査法人入所。平成16年税理士法人トーマツ入所、M&Aトランザクションサービス部門へ配属。平成20年並木安生公認会計士・税理士事務所開業。平成28年共同会計事務所すいらんコンサルティング 東京オフィス代表就任。

金融機関、オーナー会社や外資系企業に対し、決算業務、企業再編や事業承継に係る税務を中心としたサービスを提供。また、一般事業会社の経理・財務部門や公認会計士・税理士向けの各種セミナー講師を実施。

【主な著書】
・『グループ企業の決算業務と税務処理』(税務研究会出版局)
・『TAX&LAW事業再生の実務 ─経営・法務・会計・税務─』(第一法規、共著)

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