中小企業のM&Aでも使える
税務デューデリジェンス
【第3回】
「ケース・スタディ(中小企業の買収)」
公認会計士・税理士 並木 安生
第3回では、前回までに解説した各買収形態における税務上の取扱い、及び税務デューデリジェンスの具体的内容を、実際の買収時にどのように当てはめ活用するかについて、事例を用いて解説する。
1 前提
買い手B社が、オーナー株主(個人)が所有する中小企業A社に対して、株式交換の手法による買収を申し出たとする。
A社とB社は買収以前において資本関係が全く存在しない、競合他社同士であるとする。
2 税務デューデリジェンス結果の活用
税務デューデリジェンスの結果発見した税務リスクの性質次第で、買収価額への反映方法、買収実行の対応が異なってくる。
以下、関係会社間取引に係る寄附金認定の税務リスクが発見された場合を例として、パターンごとの対応を記載する。
① 税務リスク額が試算可能な場合
A社に対して税務デューデリジェンスを実施した結果、過年度における関係会社への役務提供の際に用いた取引価額が税務上の時価を上回っている可能性があることが判明したとする。買い手としては、法人税基本通達9-4-2(子会社再建のための支援損に係る通達)等を検討した結果この差額について損金算入できるかどうか疑わしいと判断したため、税務上寄附金として認定する必要があったと考えたが、過年度の法人税確定申告書上で加算・社外流出処理を行っていなかったものとする。
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