中小企業のM&Aでも使える
税務デューデリジェンス
【第5回】
「統合における税務デューデリジェンス
及びケース・スタディ」
公認会計士・税理士 並木 安生
第5回では、前回解説した各統合形態の内容及び税務上の取扱いを踏まえて、税務デューデリジェンスの具体的な内容について解説する。
1 税務デューデリジェンスが必要な理由
合併や株式移転では、統合前の事業年度に係る税務リスク(将来の税務調査で、統合前の事業年度を対象とする追徴課税を受けるリスク等)が統合後も残ることになる。つまり合併においては、消滅会社の税務リスクを存続会社が法的に引き継ぐことになり、また株式移転においては、持株会社の傘下となる統合対象会社の税務リスクは株式移転を行っても変化が生じないことになる(なお、買収形態における税務リスク承継については第2回を参照)。
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