公開日: 2013/11/07 (掲載号:No.43)
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〔知っておきたいプロの視点〕病院・医院の経営改善─ポイントはここだ!─ 【第20回】「病棟薬剤業務実施加算の現状と課題」

筆者: 井上 貴裕

〔知っておきたいプロの視点〕

病院・医院の経営改善

─ポイントはここだ!─

【第20回】

「病棟薬剤業務実施加算の現状と課題」

 

東京医科歯科大学医学部附属病院
特任講師 井上 貴裕

 

1 病棟薬剤業務実施加算とは

病棟薬剤業務実施加算は、薬剤師が医療従事者の負担軽減及び薬物療法の有効性、安全性の向上に資する業務(病棟薬剤業務)を実施していることが平成24年度診療報酬改定で評価された。

当該加算を届けるためには、病棟専任の薬剤師が病棟薬剤業務を1病棟1週間につき20時間相当以上実施することが求められ、その場合には週1回に限り算定することができる。DPC/PDPSにおいては機能評価係数Ⅰにおいて0.0067という係数が付与されている。

なお、複数の薬剤師が一の病棟において実施する場合には、当該薬剤師が実施に要した時間をすべて合算して得た時間が20時間相当以上であることが求められる。

 

2 当該加算を届け出るために必要な薬剤師数

当該加算を届け出るために必要な薬剤師数は、一般病床100床当たり5名(常勤換算)であると筆者は考えている。

400床であれば、20名の薬剤師がいれば業務の見直しを行う等により十分に可能性はあるし、できるだけ届け出るべきであろう。

しかし、現実はそうなっていない。

図表1に示すように、100床4名を切る人数であっても当該加算を届け出ている病院があるし、100床5名以上でもいろいろな理由を付けて届け出ていないケースも散見される。しかも、薬剤管理指導を薬剤師1人当たり年間1,000件以上実施するなどの施設もある。

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【第20回】

「病棟薬剤業務実施加算の現状と課題」

 

東京医科歯科大学医学部附属病院
特任講師 井上 貴裕

 

1 病棟薬剤業務実施加算とは

病棟薬剤業務実施加算は、薬剤師が医療従事者の負担軽減及び薬物療法の有効性、安全性の向上に資する業務(病棟薬剤業務)を実施していることが平成24年度診療報酬改定で評価された。

当該加算を届けるためには、病棟専任の薬剤師が病棟薬剤業務を1病棟1週間につき20時間相当以上実施することが求められ、その場合には週1回に限り算定することができる。DPC/PDPSにおいては機能評価係数Ⅰにおいて0.0067という係数が付与されている。

なお、複数の薬剤師が一の病棟において実施する場合には、当該薬剤師が実施に要した時間をすべて合算して得た時間が20時間相当以上であることが求められる。

 

2 当該加算を届け出るために必要な薬剤師数

当該加算を届け出るために必要な薬剤師数は、一般病床100床当たり5名(常勤換算)であると筆者は考えている。

400床であれば、20名の薬剤師がいれば業務の見直しを行う等により十分に可能性はあるし、できるだけ届け出るべきであろう。

しかし、現実はそうなっていない。

図表1に示すように、100床4名を切る人数であっても当該加算を届け出ている病院があるし、100床5名以上でもいろいろな理由を付けて届け出ていないケースも散見される。しかも、薬剤管理指導を薬剤師1人当たり年間1,000件以上実施するなどの施設もある。

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連載目次

「〔知っておきたいプロの視点〕病院・医院の経営改善─ポイントはここだ!」(全24回)

筆者紹介

井上 貴裕

(いのうえ・たかひろ)

東京医科歯科大学医学部附属病院特任講師、病院長補佐

医療政策学修士(MMA、東京医科歯科大学大学院)、経営学修士(MBA)
医療法人の副理事長、大手監査法人を経て、現在は、長野市民病院、武蔵野赤十字病院、山形県立中央病院、諏訪赤十字病院、君津中央病院等のアドバイザーとして地域中核病院の経営を支えている。
また、東京医科歯科大学医学部附属病院の病院長の経営参謀を勤めている。

【主な著書】
〔清文社〕
・『病院経営』(分担執筆)2010年4月
・『戦略的 病院経営マネジメント~医療の質と経済性の両立をめざす』(編著)2014年6月
〔日本医療企画〕
・『日本の医療関連サービス』2010年5月
・『診療科別・病院経営戦略の理論と実践』、2012年2月
・『診療報酬制度と医業収益』2012年7月
・『だれでもわかる!医療現場のための病院経営のしくみ2』(分担執筆)2011年5月
・『医療経営白書2009年度版~DPC時代の戦略的病院経営~』2009年10月
・『医療経営白書2010年度版~病院グループの戦略的経営』2010年9月
〔メディカ出版〕
・『学び直しのマネジメント基礎科目 国・数・英』2011年12月
・『算定もれ・持ち出しゼロの診療報酬マネジメントBOOK』2012年8月号

 

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