設備投資減税を正しく活用して強い企業をつくる
~設備投資における管理会計のポイント~
【第9回】
(最終回)
「これまでの復習とまとめ」
公認会計士・税理士 若松 弘之
◆前回までの復習◆
今回は最終回として、まず前回までの内容を振り返ってみよう(詳しい内容は、各回を参照)。
〈第1回と第2回で学んだポイント〉
そもそも本連載執筆のきっかけは、平成26年度税制改正で創設された「生産性向上設備投資促進税制」について、その趣旨を正しく理解し、これを的確に利活用してもらいたいという点にあった。
平たくいうと「節税ありきの設備投資は本末転倒であり、設備投資には、納税額の増減のみならず、P/Lやキャッシュ・フローの視点をきちんと盛り込んだ管理会計のマネジメントが必須」である。
また、一見「節税」といわれている処理が、実は「課税の先送り」であるケースが案外多いこともぜひ理解しておきたい。もちろん、課税が先送りされることも納税者のメリットであり、この点については第5回で詳述した「キャッシュの時間的価値」を考慮しなくてはならない。
【第1回のポイント】
① 納税額を減らすことが経営の目的ではない。
② 設備投資促進税制を適用したからといって、長い目で見ると税金が減らせるわけではない。
③ まだ十分使えて耐用年数を満了していない設備を、慎重な検討もなく、わざわざ新品に替える必要はない。
④ 節税にばかり目が行き、事業の本質である「投資と回収の採算管理」ができていない。結果的に、何もしない方が手許に資金が多く残っていたはずである。
「節税」と「課税の先送り」の違いを理解しよう!
【節税】
→当期の納税額が減少し、その効果は翌期以降、永久に続くもの
【課税の先送り】
→当期の納税額は減少するが、翌期以降どこかでその分の税負担の増加があるもの
いうまでもなく、企業の事業継続や企業価値向上において、現業維持や新規成長のための絶え間ない設備投資が必要である。
では、何をもって設備投資すべきかを判断するのか。
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