公開日: 2015/07/09 (掲載号:No.127)
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確定拠出年金制度の改正をめぐる今後の展望 【第6回】「今後検討されること」

筆者: 秦 穣治

確定拠出年金制度の改正をめぐる今後の展望」

【第6回】
(最終回)

「今後検討されること」

 

特定非営利活動法人確定拠出年金総合研究所(NPO DC総研)
理事長 秦 穣治

 

最後に、厚生労働省企業年金部会の議論で整理が行われ、今般は法制化されずに引き続き検討されることになった項目について記述する。

これらの項目は、税務当局(財務省)との折衝があり、厚生労働省の頑張りが期待されるところだが、今改正では見送られた拠出限度額の引上げなど非常に重要な項目が残されている。

一部は以前に説明しているが、非常に重要な部分なので形を変えて説明する。

 

1 DB・DC合算での拠出限度額

① DB、DCを合わせた拠出限度額の設定

② 限度額の設定の年単位化(現行DCは月単位)

③ 限度額は給与比例(標準報酬など)

④ 限度額の水準は、現在の退職給付水準を勘案して設定
・・・概ね2,500万円(1,000名以上の大企業で3,000万円弱)

⑤ 限度額改定のルール化
・・・公的年金の給付水準調整を勘案した自動的な改定ルールの設定

ここで注目されるのは、限度額を絶対額ではなくて、例えば給与比例にして、現行DCの難点である重要な仕事を担う給与水準の高い加入者の拠出額が上限を超える問題を解決したい、という考えがあることある(DBでは上限の思想がなくこの問題はない)。

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確定拠出年金制度の改正をめぐる今後の展望」

【第6回】
(最終回)

「今後検討されること」

 

特定非営利活動法人確定拠出年金総合研究所(NPO DC総研)
理事長 秦 穣治

 

最後に、厚生労働省企業年金部会の議論で整理が行われ、今般は法制化されずに引き続き検討されることになった項目について記述する。

これらの項目は、税務当局(財務省)との折衝があり、厚生労働省の頑張りが期待されるところだが、今改正では見送られた拠出限度額の引上げなど非常に重要な項目が残されている。

一部は以前に説明しているが、非常に重要な部分なので形を変えて説明する。

 

1 DB・DC合算での拠出限度額

① DB、DCを合わせた拠出限度額の設定

② 限度額の設定の年単位化(現行DCは月単位)

③ 限度額は給与比例(標準報酬など)

④ 限度額の水準は、現在の退職給付水準を勘案して設定
・・・概ね2,500万円(1,000名以上の大企業で3,000万円弱)

⑤ 限度額改定のルール化
・・・公的年金の給付水準調整を勘案した自動的な改定ルールの設定

ここで注目されるのは、限度額を絶対額ではなくて、例えば給与比例にして、現行DCの難点である重要な仕事を担う給与水準の高い加入者の拠出額が上限を超える問題を解決したい、という考えがあることある(DBでは上限の思想がなくこの問題はない)。

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連載目次

「確定拠出年金制度の改正をめぐる今後の展望」(全6回)

【第1回】 今回改正の背景と全体像

1 改正の背景

2 改正の全体像

【第2回】 今回改正が意味すること①

1 退職給付企業年金(DB)・確定拠出企業年金(DC)共通の問題

2 DCの資産運用に関し追加予定の諸規制

3 DC投資教育に関する新しい整理

【第3回】 今回改正が意味すること②

4 実施のスピード感

5 運営管理機関をはじめとする金融機関の反応

【第4回】 今回法改正案に盛り込まれたこと①

1 中小企業対象「簡易型DC制度」創設

2 個人型DCへの「小規模事業主掛金納付制度」の創設

3 拠出限度額の年単位化

4 個人型DCの加入対象拡大と新個人型DC拠出限度額

【第5回】 今回法改正案に盛り込まれたこと②

5 企業型DCの新拠出限度額&自助努力の選択肢

6 制度間のポータビリティの拡充

7 その他の措置

【第6回】 今後検討されること

1 DB・DC合算での拠出限度額

2 DB・DC共通の給付ルール

3 新DC個人型の問題

4 商品除外問題

5 指定運用方法の設定(デフォルト設定)

筆者紹介

秦 穣治

(はた・じょうじ)

特定非営利活動法人確定拠出年金総合研究所(NPO DC総研)
理事長

1969年4月
旧富士銀行、現みずほ銀行入社
本店営業部・ニューヨーク支店・大阪営業部・国際営業部など、主として大企業及び国際関係ビジネスに携わる。

1998年5月
サンデン(株)入社
経営企画部部長、人事本部部長、総務人事本部本部長歴任。日本における確定拠出企業年金導入の最先発企業となる。

2007年4月
(株)想研取締役
NPO確定拠出年金教育協会専務理事

2008年4月
(株)クライテリア代表取締役
NPO確定拠出年金教育協会専務理事

2013年2月
プルーデント・ジャパン(株)プルーデント退職年金研究所理事長
NPO確定拠出年金総合研究所理事長

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