〈解説と対応〉
法人役員である個人事業主等に係る
被保険者資格の取扱いの明確化
社会保険労務士 富山 直樹
1 はじめに
令和8年3月18日、厚生労働省より「法人の役員である個人事業主等に係る被保険者資格の取扱いについて」という通達が発せられた。
個人事業主の場合、原則的に健康保険は国民健康保険、年金は国民年金に加入することになるが、個人事業主であっても、条件を満たせば法人の役員や従業員として社会保険(健康保険/厚生年金保険)に加入することができる。
しかし令和7年末より、一部の地方議員がこの制度を悪用し、本来支払うべき国民健康保険料の支払いを回避していたことが報道され、令和8年1月には所属政党より関与した議員に対する除名処分が発表され、その後には所属する議会においても辞職勧告決議が可決された。
この問題を受けて厚生労働省も対応に乗り出すことになったと考えられるが、今回発せられたこの通達は、法改正を行うのではなく、行政としての対応、運用を示したものであり、厚生労働省も対応の早さを重視したことが推察できる。
本稿ではこの文書が発せられる契機となった問題点、概要、リスク、対応策について解説する。
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