《速報解説》
監査役協会・会計士協会より「監査役等と監査人との
連携に関する共同研究報告」の改正案が公表される
~監査基準の改訂等を反映し、KAMや「その他の記載内容」等について記載~
公認会計士 阿部 光成
Ⅰ はじめに
2021年1月27日、日本監査役協会と日本公認会計士協会は、「「監査役等と監査人との連携に関する共同研究報告」の改正について(公開草案)」を公表し、意見募集を行っている。
これは、監査基準の改訂等を反映させるためのものである。
意見募集期間は2021年2月26日までである。
文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。
Ⅱ 主な改正内容
1 監査基準における規定
監査役等と監査人の連携に関連する規定として、「監査基準における規定」を追加し、「監査上の主要な検討事項」(KAM)などについて記載している。
2 「独立監査人の監査報告書における監査上の主要な検討事項の報告」関係
監査基準委員会報告書701「独立監査人の監査報告書における監査上の主要な検討事項の報告」に関連して、次の記載を行っている。
① KAMの選定過程に関する事項(「2.監査役等と監査人との連携と効果」)
② KAMに関するコミュニケーション項目(「4.連携の時期及び情報・意見交換すべき基本的事項の例示」)
3 「監査した財務諸表が含まれる開示書類におけるその他の記載内容」関係
監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」が2021年1月に改正される予定である。
「その他の記載内容」(監査人が監査した財務諸表を含む開示書類のうち当該財務諸表と監査報告書とを除いた部分の記載内容)に関して、「4.連携の時期及び情報・意見交換すべき基本的事項の例示」に、「その他の記載内容」に関するコミュニケーション項目(入手時期等)を記載している。
(了)