酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第139回】「消費税法における「課税仕入れの日」(その3)」
所得課税法においては、収入や収益の計上のタイミングについて権利確定主義を採用しているが、その場合には、原価や費用の計上のタイミングとの関わりは費用収益対応の原則を一応の基準としているだけであって、実際問題としては切断されているといっても過言ではないことを想起すべきであることが挙げられる。
〈適切な判断を導くための〉消費税実務Q&A 【第8回】「外貨建サブスクリプションに関する課税仕入れの取扱い」
当社では、アメリカの企業が提供する生成AIサービスをサブスクリプション形式で利用し、クレジットカードで支払っています。支払いにあたっては、クレジットカード会社による為替レートで換算された金額が引き落とされます。
令和7年1月から、請求書(ドル建て)の記載が日本のインボイス制度に対応した形式に変更されたようです。この場合の経理処理の注意点を教えてください。
学会(学術団体)の税務Q&A 【第15回】「学術集会における仕入税額控除の留意点」
学術集会の運営をコンベンション会社に委託し、学術集会の経費の大部分をコンベンション会社に対して支払っていますが、仕入税額控除にあたって留意すべき点を教えてください。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第138回】「消費税法における「課税仕入れの日」(その2)」
消費税法30条1項1号にいう「課税仕入れを行った日」がいつを指すのかについては、同法に明確に規定されているわけではないから、解釈に委ねられていることになる。この点、「課税仕入れを行った日」と「資産の譲渡等」の時期を同様の基準により判断すべきか否かについては、本件地裁がこれを否定するのに対して、本件高裁はこれを肯定している。本件高裁が説示しているのは、所得税法や法人税法における課税の時期の議論で中心的に展開されている無条件請求権説である。無条件請求権説に立った引渡基準が採用されているといってよかろう。
〈適切な判断を導くための〉消費税実務Q&A 【第7回】「国内事業者に対するプラットフォーム課税の影響」
令和7年4月よりプラットフォーム課税が導入されると聞きました。国内の事業者にはどのような影響があるでしょうか。
学会(学術団体)の税務Q&A 【第14回】「複数の学会が合同で学術集会を開催する場合の参加料の税務上の取扱い」
本学会(A学会)は、他学会(B学会)と合同で学術集会を開催します。このように複数の学会が合同で学術集会を開催する場合の参加料に関して、税務上の取扱いを教えてください。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第137回】「消費税法における「課税仕入れの日」(その1)」
いずれにしても、消費税とはどうも「消費」のタイミングで課税されているようではなさそうである。単に、代金を支払ったときをいうのであろうか、あるいは商品なりの引渡しを受けたときをいうのであろうか。売買契約締結の日をもって、消費税の課税のタイミングを考えるべきなのであろうか。
〈適切な判断を導くための〉消費税実務Q&A 【第6回】「自社ポイントを他社運営の共通ポイントへ交換した場合の取扱い」
当社では、顧客へ付与した自社ポイントを、ポイント運営事業者が運営する共通ポイントに交換できるサービスを提供することになりました。この場合、ポイント交換に係る消費税の取扱いについて教えてください。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例142(消費税)】 「「相続があった場合の納税義務の免除の特例」により、令和5年1月から課税事業者であったが、これに気付かず「2割特例」を適用して申告してしまった事例」
令和5年及び令和6年3月期(課税期間を短縮している)の消費税につき、令和4年1月に依頼者の夫が死亡したため、「相続があった場合の納税義務の免除の特例」により令和5年1月から課税事業者であったが、税理士はこれに気付かず、「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出して、令和5年10月から2ヶ月分の消費税を2割特例を適用して申告した。
しかし、令和5年1月から課税事業者であり、2割特例は適用できないことから、所轄税務署より指摘を受け、令和5年分の消費税を原則課税で修正申告することになってしまった。これにより、依頼者より、事前に課税事業者であると分かっていれば有利な簡易課税を選択したとして、有利な簡易課税と不利な原則課税との差額につき損害賠償請求を受けた。