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令和元年分の消費税につき、基準期間の課税売上高が1,000万円以下となり免税事業者になることができたにもかかわらず、「調整対象固定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例」により「課税事業者選択不適用届出書」を提出することができない期間中に、免税事業者が選択できない平成30年からの「課税事業者選択不適用届出書」を提出したため、届出書の提出がなかったものとみなされてしまった。
これにより、免税事業者が選択できた令和元年分の消費税につき過大納付が発生し、賠償請求を受けたものである。

本件は、原告が、平成25年4月25日、土地並びに建物及び附属設備(以下、「本件不動産」といい、本件不動産のうち土地を除く部分を「本件建物」という)を代金7億円で買う旨の売買契約を締結するとともに、本件売買契約の際に生じた所有権の移転及び根抵当権の設定の各登記手続に係る事務を司法書士に委任する旨の約定を司法書士との間でしたとして、本件建物の取得に係る支払対価の額及び司法書士報酬の額を合計した6億1,362万2,313円を、平成25年4月24日から同月30日までの課税期間の課税仕入れに係る支払対価の額に算入した上で消費税及び地方消費税の確定申告をしたところ、行橋税務署長が、平成27年5月26日付けで、本件課税期間の消費税等の更正の処分及び過少申告加算税の賦課決定処分をしたため、本件更正処分等には、「課税仕入れを行った日」(消費税法30条1項1号)の解釈及び適用を誤った違法があるなどとして、本件更正処分等の一部の取消しを求める事案である。

先日筆者のところへ、スーパーマーケット業界の関係者が訪ねてきて、来年(2021年)3月末で期限が切れる消費税の総額表示義務の特例について、できれば延長してほしいという話をされた。
そもそも消費税の表示については、消費者がレジで請求されるまで支払額の分からない税抜き価格表示ではなく、税額も入った総額を表示するように平成15年度税制改正で義務付けされた。

相続税対策として依頼者が代表者である同族会社に対する貸付金を減らすため、税理士の提案により、同族会社が所有する建物を依頼者に1億円で代物弁済することに決定し、令和X1年に実行した。
しかし、依頼者が簡易課税を選択しており、建物の取得に係る消費税の還付が受けられないことが判明したため、建物の所有権移転登記を錯誤で取り消し、令和X2年に原則課税へ戻してから再度実行することになった。
これにより、司法書士報酬及び登録免許税が二重にかかり、二度目の司法書士報酬及び登録免許税につき賠償請求を受けた。

A社代表者Bは、米国法人C社に対し、電子機器等の輸出取引(本件輸出取引)をしたが、A社の従業員Xに指示して、Xが本件輸出取引をしたものと仮装させ、消費税の控除不足還付税額があるとして、消費税の確定申告(還付申告)をさせた。そして、これに基づき、Xは、Y税務署長から消費税の還付を受けた。
しかしその後、Y税務署長は、本件輸出取引はXでなくA社によるものであり、Xに控除不足還付税額はないとして、Xに対し、更正処分及び重加算税の賦課決定処分をした。そこで、Xが当該処分の取消しを求めて提訴したのが本件である。

今後、第2波、第3波が予想される新型コロナ問題だが、ドイツメルケル政権は経済対策として、20年7-12月の期間限定で消費税率を19%から16%へ(軽減税率は7%から5%へ)引き下げる決定をした。
わが国でも従来からコロナ経済対策として、消費税減税を主張する声が、特に自民党の若手議員や野党から上がっており、今回のドイツの決定がわが国にも影響を及ぼすことが考えられる。

新型コロナウイルス感染症の影響により、設備投資計画の変更や事務処理能力の低下が生じた場合、消費税の納税義務に関する制限や簡易課税制度選択の制限が、業績回復の妨げになりかねない。
そこで消費税については、4月30日に公布・施行された新型コロナ税特法(新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律)によって、「消費税の課税選択の変更に係る特例」及び「納税義務が免除されない制限を解除する特例」の2つの措置が設けられた。

前回解説したように、令和2年度税制改正により、令和2年10月1日以後に行われる居住用賃貸建物に係る課税仕入れ等の税額については、仕入税額控除できない(消法30⑩)。ただし、仕入れ等の日の属する課税期間の翌課税期間以後に課税賃貸用に供した場合、又は譲渡した場合のために、消費税額の調整計算の規定(消法35の2)が設けられている。以下ではこの調整規定について解説する。

前回は改正の背景と改正前の取扱いについて確認したが、今回より令和2年度税制改正における居住用賃貸建物の取得等に係る仕入税額控除の制限について「居住用賃貸建物の範囲」や「仕入れ等の日の属する課税期間における取扱い」等を解説する。

居住用賃貸建物の取得は、その他の資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れであり、仕入税額控除できない。ただし、仕入控除税額の計算を比例配分法(※)によれば、課税仕入れ等の税額の全額控除、あるいは課税売上割合を乗じて計算した金額の控除が可能となる。

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