〈適切な判断を導くための〉消費税実務Q&A 【第5回】「外国人旅行者向け免税制度の見直しに関するシステム対応」
「実務上、消費税相当額を含めた価格で販売し、出国時に持ち出しが確認された場合に輸出物品販売場を経営する事業者から免税購入対象者に対し消費税相当額を返金する」(大綱59頁)というリファンド方式になりますが、どのような仕組みで返金されるのでしょうか。経理の注意点として考えられることも併せて教えてください。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例141(消費税)】 「「課税事業者選択届出書」を提出したため、「2割特例」の適用が受けられず、修正申告となってしまった事例」
令和6年3月期の消費税につき、適格請求書等保存方式(以下「インボイス制度」という)を機に免税事業者から適格請求書発行事業者(以下「インボイス発行事業者」という)として課税事業者になったことから、「適格請求書発行事業者となる小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置」(以下「2割特例」という)を適用して申告したが、令和5年3月に「適格請求書発行事業者の登録申請書」と同時に提出する必要のない令和5年4月からの「課税事業者選択届出書」を提出したため、「2割特例」の適用が受けられず、修正申告となってしまった。これにより、当初申告と修正申告との差額につき損害が発生し、賠償請求を受けたものである。
〈適切な判断を導くための〉消費税実務Q&A 【第4回】「ポイント負担金が課税仕入れに該当するか否かの判断の要点」
このポイント負担金は、消費者が予約サイトを使ったことで生じ、施術料金に応じて金額が決まりますので、実質的には予約サイトやポイントプログラムの利用料であり、消費税の課税仕入れといえるのではないでしょうか。しかし、国税庁ホームページの解説では「ポイント負担金は対価性がない」ことを前提とした処理を紹介しており、実際にポイント運営会社からの請求明細にも消費税は記載されていません。なぜ「ポイント負担金は対価性がない」とされるのでしょうか。理由を教えてください。
〈適切な判断を導くための〉消費税実務Q&A 【第3回】「消費者が支払時に利用した共通ポイントの額は課税資産の譲渡等の対価の額に含まれるか」
顧客が支払時に共通ポイントを利用した場合、次のようなレシートを交付しています。当店の税込売上金額は共通ポイントによる受領額も含めた金額でしょうか、それとも現金で受領した金額のみでしょうか。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例139(消費税)】 「調剤売上げの全てを非課税売上げに計上している事実を見過ごし、これに対応する調剤用医薬品仕入れを全て「非課税対応」のまま有利判定を行ったため、仕入控除税額が少ない不利な申告となってしまった事例」
調剤薬局等を営む依頼者の消費税につき、調剤売上げには保険適用外の薬品の販売や、他の調剤薬局への卸売販売等の課税売上げがあるにもかかわらず、依頼者が調剤売上げの全てを非課税売上げに計上している事実を見過ごし、これに対応する調剤用医薬品仕入れを全て「非課税対応」のまま有利判定を行ったため、仕入控除税額の少ない不利な申告となってしまった。これにより、過大納付税額が発生し、賠償請求を受けた。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第136回】「消費税の性質論(その4)」
本件判決は、「消費者は、消費税の実質的負担者ではあるが、消費税の納税義務者であるとは到底いえない。」と断じており、納税者の主張を排斥している。
これは、本件判決が論じるとおり、消費税法にも税制改革法にも消費者が消費税の納税義務者とは規定されていないことからすれば当然の結論のように思われるが、果たして、そもそも、「消費税の実質的負担者ではあるが」とする説示の部分は正解しているといえるのであろうか。
〈適切な判断を導くための〉消費税実務Q&A 【第2回】「外国企業に技術開発費用や金型製作費名目で送金した金額に係る消費税の取扱い」
外国の提携企業に新製品の製造を委託しました。完成した製品は日本に輸入しますが、製造にあたって技術開発や金型製作が必要であることから、輸入に先立って技術開発に要する費用や金型製作費を送金しました。
なお、完成した製品を輸入する際の仕入書(インボイス)の価格は、この技術開発費用や金型製作費を除いた金額となっています。技術開発費用や金型製作費に日本の消費税はかからないと考えてよいのでしょうか。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第135回】「消費税の性質論(その3)」
すなわち、消費税は転嫁が予定されている租税であるということ、そのことと、実際に転嫁がなされるかどうかという点は別問題であることが判然とした。本件判決はその点を指摘したものと位置付けることができよう。
他方で、転嫁が予定されていることの根拠を探ってきたが、それはあくまでも税制改革法であり、消費税転嫁対策特別措置法であった。別言すれば、消費税法そのものに転嫁が規定されているわけではないということも可能であろう。
〈適切な判断を導くための〉消費税実務Q&A 【第1回】「受注した者と商品を発送した者が異なる場合の輸出免税の適用」
当社(A社)は日用雑貨等の輸出業を営んでいます。外国法人(B社)から紙おむつパックの注文を受けましたが、紙おむつパックの取扱いについては同業者であるC社が得意とするところであったので、商品の仕入れから発送まですべてをC社に依頼しました。
なお、書類の名義や保存者、お金の流れは次のとおりです。