会計上の見積り注記の事例分析

筆者:西田 友洋

企業会計基準第31項「「会計上の見積りの開示に関する会計基準」が、2021年3月決算より適用されている。2021年3月決算の有価証券報告書では、当該基準が適用された上で提出されているため、それらを元に今回は会計上の見積り注記の事例を分析し、解説を行う。今後の注記の記載にあたって参考とされたい。

今回(第9回)は、履行義務の充足による収益の認識について解説する。
履行義務の充足により収益が認識されるので、どの時点で履行義務が充足されるのかを理解することが重要である。

【第6回】及び【第7回】に引き続き、「履行義務の識別」について解説する。
今回(第8回)は、「一連の別個の財又はサービス」に関する履行義務の識別について解説する。
なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。

契約における取引開始日に、顧客との契約において約束した財又はサービスを評価し、次の①又は②のいずれかを顧客に移転する約束のそれぞれについて履行義務として識別する(収益認識会計基準7項、32項)。

新収益認識基準は、3月決算の会社においては、進行期の期首(2021年4月1日)から適用されるため、第1四半期より適用する必要がある。そこで、今回は、新収益認識基準適用にあたっての総復習として、【前編】に引き続き、【後編】として「開示」について解説する。

収益認識会計基準の5つのステップの2番目は、契約における履行義務を識別することである(収益認識会計基準17項(2))。
履行義務の識別は、要件が詳細に規定されており、また、実務上、判断に迷うことが多いので、慎重に対応する必要があると考えられる。

ASBJより2018年3月30日に企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準(以下、「収益基準」という)」及び企業会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針(以下、「収益指針」という)」が公表された。
その後、収益基準及び収益指針は2020年3月31日に改正され表示科目、注記事項が明確になった。さらに、収益指針は2021年3月26日に改正され、電気事業及びガス事業において検針日基準による収益認識を認めない旨が明らかになった。

缶コーヒーのメーカーで減損が実施されました。仕事の合間に自販機で買って飲む、あの缶コーヒーです。在宅勤務で働く人が増えて、缶コーヒーを飲まなくなったからだろうという話は確かにありますが、本当にそれだけでしょうか。注記を手掛かりに、そのあたりを探ってみましょう。

収益認識会計基準は、顧客と合意し、かつ、所定の要件を満たす契約に適用する(収益認識会計基準17項(1))。
いったん、顧客と締結した契約であっても、その後、契約内容を変更することがあるが、収益認識会計基準はこの「契約変更」について詳細に規定している。
そこで今回(第5回)は、この「契約変更」について解説する。

収益認識会計基準は、「顧客」との「契約」から生じる収益に関する会計処理及び開示に適用するとされており、契約は書面、口頭、取引慣行等により成立する(収益認識会計基準3項、20項)。通常、企業は得意先(顧客)と「契約書」を締結していることが多いと思われる。
収益認識会計基準では、契約に関して、「契約の結合」の規定を設けており、「契約」の検討をする際には、当該規定にも注意が必要である。

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