事例で検証する最新コンプライアンス問題 【第21回】「電機メーカーでの品質不正-その原因は何か」
M電機では、2016年、2017年、2018年と3度にわたり、グループ全体を対象に品質不正の発見に向けた点検を実施してきた。それにもかかわらず、その間もその後も数多くの品質不正が次々と発覚し続けた。
〔検証〕適時開示からみた企業実態 【事例69】エバラ食品工業株式会社「新市場区分における『スタンダード市場』の選択申請に関するお知らせ」(2021.12.13)
今回取り上げる開示は、エバラ食品工業株式会社(以下「エバラ食品工業」という)が2021年12月13日に開示した「新市場区分における『スタンダード市場』の選択申請に関するお知らせ」である。
いよいよ東京証券取引所(以下「東証」という)の市場区分が2022年4月4日にプライム市場・スタンダード市場・グロース市場という新市場区分へ移行する。そのうちプライム市場とスタンダード市場の上場維持基準は以下の表のとおりである(2022年4月4日に施行される改正後の東証・有価証券上場規程501条。同規程601条1項1号により「改善期間」内に改善されなかった場合が上場廃止基準に。「流通株式数」の計算方法は、2022年4月4日に施行される改正後の東証・有価証券上場規程施行規則8条参照)。
税理士が知っておきたい不動産鑑定評価の常識 【第27回】「道路の状況1つで土地価格も変化する」~容積率の多少が土地価格に与える影響~
道路は、日常、多くの人々によって無意識のうちに利用されていますが、不動産(特に土地)の価格との関係を捉えようとする場合、建築基準法の視点からものを見る目が非常に重要となってきます。すなわち、単に「道路」と呼んでいても、それが建築基準法上では道路として扱われていないこともあり、このような道に接する敷地には建築物が建築できないからです。その分、土地の価格は安くなってしまいます。
ハラスメント発覚から紛争解決までの企業対応 【第24回】「取引先からのパワハラに関する会社の責任」
当社の従業員Aが取引先の部長Bからパワハラを受けているという申告がありましたが、社内のパワハラと同様に、いわゆる「パワハラ防止法」や「パワハラ指針」に沿って調査等を行う必要があるでしょうか。
空き家をめぐる法律問題 【事例36】「隣地の使用等に関する民法改正」
隣地の木の枝が境界線を越えて伸びており困っています。隣家の方に枝を切るようにお願いしていたのですが、枝を切り取ることなく引越しをされ、隣家は空き家となっています。
隣家の方は「自分としては対応したい気持ちはあるけれど、樹木の他の共有権者の意見を聞いてみないと対応できない。」といって、対応してくれない状況が続いていました。このような場合に、私の判断で枝を切り取ることはできるでしょうか。
税理士事務所の労務管理Q&A 【第6回】「在宅勤務導入に当たっての留意点②(賃金管理)」
今回は、在宅勤務(テレワーク)における賃金(基本給、通勤手当等の手当)の取扱いについて解説します。
〔相続実務への影響がよくわかる〕改正民法・不動産登記法Q&A 【第3回】「法定相続分に基づく相続登記の後に遺産分割協議が成立した場合の注意点」
法定相続分に基づく相続登記の後に遺産分割協議が成立しました。この場合に気を付けることを教えてください。
〔検証〕適時開示からみた企業実態 【事例68】グレイステクノロジー株式会社「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」(2022.1.27)
今回取り上げる開示は、グレイステクノロジー株式会社(以下「グレイステクノロジー」という)が2022年1月27日に開示した「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」である。
同社は、2021年11月9日に「特別調査委員会の設置及び2022年3月期第2四半期決算発表の延期に関するお知らせ」を開示し、「会計処理の適切性につき外部からの指摘を受け、事実経緯の確認のために社内調査、検討を進めた結果、一部の取引について、2017年3月期から2022年3月期第1四半期までの期間において、会計処理の適切性に疑念があることを認識」したため、特別調査委員会を設置するとしていた。その調査報告書を受領したのである。
社長のためのメンタルヘルス 【第10回】「コロナ禍及び以後のテレワークとコミュニケーションについて」
本号(第10回)が当連載の最終回となるにあたり、前回までの睡眠障害や依存症に、歴史があり対応策や統計が充実しているものとは異なり、最新の状況を踏まえたテーマを取り上げることとした。掲題の「テレワーク」の推進や、「コミュニケーション」の問題については、すでにITの発展とともに、官民双方の課題となって議論されてきた。
税理士が知っておきたい不動産鑑定評価の常識 【第26回】「利回りの捉え方」~通常意味する粗利回りと鑑定評価で用いる純賃料利回りの相違~
前回、世間常識で捉える賃料(支払賃料)と鑑定評価で基本とする賃料(実質賃料)との間には感覚的な隔たりがあるという話をしました。今回も賃料から派生する内容ですが、不動産の収益性を測る物差しとしてしばしば用いられている「利回り」には2通りの捉え方があり(=粗利回りと純賃料利回り)、これらを区別して用いる必要があることを解説しておきます。