建設業をめぐる労災制度のポイント 【第1回】「建設業に特有の労災制度とは」
労災保険とは、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷・疾病・障害又は死亡に対して労働者やその遺族のために、必要な保険給付を行う制度である。
労災保険給付の概要は以下の通りである。
国際出向社員の人事労務上の留意点(海外から日本編) 【第3回】「帰国前後の事務処理」
エクスパットが帰任により出国することとなった場合、給与、社会保険関連では以下の事務処理が必要となる。
【年末調整】
その年の1月1日から出国までの間に確定した日本国内で支払われた給与所得について年末調整を行う(計算方法は通常の12月に行う年末調整と同じ)。
国際出向社員の人事労務上の留意点(海外から日本編) 【第2回】「エクスパットの社会保険適用」
健保・厚生年金の適用事業所に「使用される」人は、その人の意思・地位・性別・年齢・収入・国籍を問わず、一部の例外(臨時に使用される人など)を除き、すべて健康保険・厚生年金保険の被保険者となる。
「使用される」とは、事実上の使用関係を意味するものであり、労務の提供の有無及びその報酬の支払関係、人事労務管理の有無などによって実態的に判断されるものである。
国際出向社員の人事労務上の留意点(海外から日本編) 【第1回】「エクスパットの給与処理」
エクスパットとは、出向や転勤により雇用元の国を離れ、国外に一時的に赴任する社員をいう。
その給与の支払方法は様々であるが、一般的には基本給の一部を派遣元国の会社から、残り部分を日本の受入会社から支払うケースが多い。また、社宅や子女教育費などの経済的利益(現物給与)については、日本の受入会社が負担するのが一般的である。
国際出向社員の人事労務上の留意点(日本から海外編) 【第5回】「海外出向者の社会保険適用関係」
健康保険と厚生年金保険は、適用事業所である日本の出向元との使用関係がある限り、被保険者資格が継続する。
使用関係は、労務の提供、報酬の支払い、人事管理などの観点から判断されるが、実際の保険者の判断は、「報酬の支払いの有無」を重要視しているケースがほとんどである。
ここで問題となるのが、保険料の基礎となる標準報酬月額をどのように算定すべきか、ということであるが、法律には海外勤務者の標準報酬をどのように算定すべきか定義されておらず、日本年金機構においては過去の事例の積み上げで判断しているというのが実態である。
国際出向社員の人事労務上の留意点(日本から海外編) 【第4回】「海外給与とハイポタックス(みなし税)」
会社の命令で海外に赴任する場合、最も配慮しなければならないことの1つが、赴任中の給与である。
税制も社会保険制度も各国まちまちであるから、仮に、「給与は現地の会社が払うので、その国の制度に従って税金や社会保険料はあなたが負担して支払ってください。」というルールにしてしまうと、赴任者本人は現地でいくら税金が引かれ、いくらの手取りで生活をしなければならないのか分からず、不安を持つのは当然である。
国際出向社員の人事労務上の留意点(日本から海外編) 【第3回】「国際出向社員の各種法律における身分関係③(労働基準法)」
労働基準法は国内法であり、日本にある事業所に対してのみ効力を発する。そのため、原則として海外の事業所に勤務する社員は労働基準法の適用を受けない。したがって、海外赴任者の時間外労働の割増率や有給休暇の付与条件などは、赴任先国のルールに合わせても法的な問題はない。
ただし、例えば、日本で10年間の勤務実績があり、有給休暇も年間20日ほど付与されている社員が、海外赴任先では新入社員だからという理由で10日ほどの有給休暇しか与えられないようでは、感情的な問題やモチベーション低下に繋がってしまうことになる。
会社ができるメンタルヘルス《事前・事後》対策 【第2回】「職場復帰支援」
休職している労働者が円滑に職場復帰するためには、職場復帰プログラム(職場復帰支援についてあらかじめ定めた会社全体のルール)の策定や関連規程の整備等により、休職から復職までの流れをあらかじめ明確にしておくことが必要である。
今回は職場復帰支援について解説したい。
休職している労働者が職場復帰するまでに会社が行うべき支援内容は、次のような手順となる。
国際出向社員の人事労務上の留意点(日本から海外編) 【第2回】「国際出向社員の各種法律における身分関係②(社会保障協定)」
日本を含めた世界のほとんどの国では、その国で就労している人をその国の公的年金制度の対象としている。このため、自国を離れ国外に赴任する場合、派遣先国の年金保険料を支払い、かつ、受給権確保のため自国でも年金保険料を支払うという現実がある。
ここで生じる問題として、①保険料の二重払い、②支払期間が短いがゆえの「掛け捨て」が挙げられるが、これらの回避策として、日本政府は平成12年のドイツを皮切りに、各国との社会保障協定を推し進めている。
会社ができるメンタルヘルス《事前・事後》対策 【第1回】「メンタルヘルス不調者発生時の対応」
平成26年6月、労働安全衛生法改正案の可決により、50人以上の労働者が在籍する会社に対し、労働者のストレスチェックを行うことが義務化された。
近年メンタルヘルス不調を訴える労働者が増加しており、メンタルヘルス対策は法令順守だけでなく、優秀な人材を確保し、競争力を維持するためにも会社規模に関係なく、会社が取り組む大きな課題となっている。