現在、会社員の給料、賞与からは厚生年金保険料(保険料率9.15%)が引き去りされています。外国人社員が会社を退職し、日本を出国後に日本年金機構に請求すれば、これまでに支払った厚生年金保険料が3年分を上限に「脱退一時金」として本人に支給されます。
これは保険料の掛け捨てを防ぐために、厚生年金保険料を6ヶ月以上支払った外国人が、日本を出国後、2年以内に限って請求できる制度であり、「保険料の払い戻し」と似た取扱いです。

前回は「個人事業主の年金」について、まとめの解説を行ったが、本連載最終回となる今回は、「法人の役員」の年金に関するまとめとして、年金の受給、特に在職老齢年金の留意点について解説する。

年金は、一人につき、一つの年金を受給することが基本である。したがって2つ以上の年金が受給できるときは、どちらか一方を選択することになる。
ただし、支給事由が同じものは、両方の年金が受給できる。たとえば、国民年金から支給される老齢基礎年金と厚生年金保険から支給される老齢厚生年金は、「老齢」という同じ事由で支給されるものなので、両方の年金が受給できる。
しかし、遺族厚生年金等の遺族の年金と老齢厚生年金等の老齢の年金は、「遺族」と「老齢」という異なる事由で支給されるため、どちらか一方しか受給できない。

厚生年金保険に加入していた人やすでに老齢厚生年金を受給している人が死亡したときには、一定の遺族に遺族厚生年金が支給される。したがって、厚生年金保険に加入していた法人の役員等もその対象になる。

厚生年金保険は、「世帯」を単位とした年金である。受給権者に配偶者や子がいれば加給年金が支給され、その配偶者には振替加算が加算される。つまり、配偶者等がいる世帯といない世帯とでは年金額が異なる。したがって、世帯としての年金額を検討する必要がある。

「平均標準報酬額」とは、平成15年4月以後の被保険者期間の各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を被保険者期間の月数で除した額である(平成15年3月までの期間は、標準賞与額は含まない)。
【第9回】の《おさらいQ&A》で示した事例のように、過去の報酬が友人よりかなり高額であったにもかかわらず、友人と自分の年金額が変わらないことに疑問を持たれることがあるが、それは平均標準報酬額の基となる標準報酬月額と標準賞与額の限度額が一因となっている。

加給年金が受給できるのは、厚生年金保険の加入期間(被保険者期間)が20年以上ある老齢厚生年金の受給権者で、生計維持関係(※)のある65歳未満の配偶者又は子(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者又は、20歳未満の1級、2級の障害者)がある人である。

65歳になると、老齢基礎年金に上乗せされる形で「老齢厚生年金」が支給される(下図参照)。ただし、在職中は、特別支給の老齢厚生年金と同様に在職老齢年金により、年金額の全部又は一部が停止される場合がある(前回参照)。

老齢厚生年金を受給している人が在職し厚生年金保険に加入した場合、老齢厚生年金の額と報酬(総報酬月額相当額(*))により受け取る年金額の全部または一部が停止される。この年金を在職老齢年金という。なお、60歳台前半の在職老齢年金と65歳台後半の在職老齢年金とでは支給停止の計算方法が異なる。

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