顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第14回】「仕入・買掛債務管理のKPI(その① 仕入計上)」
前回までは「売上・売掛債権管理」のKPIを取り上げたが、今回から3回にわたり、「仕入・買掛債務管理」のKPIを取り上げる。
「仕入・買掛債務管理」は、販売用の商品・製品・サービス等を取得又は生産するために要する原材料、商品、役務の購入を管理する業務である。
スコアリングモデルを構成する18種類の業務の流れに照らすと、仕入・買掛債務管理は、原材料・商品・役務の購買、仕入・買掛金計上、棚卸資産管理、原価計算、決算という一連の流れの最初のトリガーとなる業務であり、そのサービスレベルが後に続く業務のサービスレベルを左右する点で重要な業務となる。
会社を成長させる「会計力」 【第1回】「事業評価における共通のモノサシ」
2013年3月期の企業業績は、昨年12月の政権交代と同時に打ち出された安倍新政権の「アベノミクス」効果による円安・株高基調に後押しされた。
東京証券取引所第1部に上場する1193社(金融を除く)の約2割にあたる企業が過去最高益を更新したが、総合商社5社の業績は丸紅を除き、いずれも前年比減益となった。しかしながら、過去10年間のスパンでみた総合商社のパフォーマンスは、ダイナミックな経営改革の実行により持続的成長を示している。
多くの日本企業が苦戦を強いられた成長なき日本経済の下で、総合商社が好業績をあげている背景として、資源・エネルギー関連の収益が大きく寄与していることが指摘されるが、それよりも総合商社のビジネスモデルがこの10年間で大きく変化してきたことに注目すべきであろう。
顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第13回】「売上・売掛債権管理のKPI(その④ 滞留債権対応)」
今回は、売上・売掛債権管理を構成する業務プロセスから、滞留債権対応の基本を問うKPIを取り上げる。
前回まで解説したKPIは、いずれも「日数」や「枚数」を数えて回答する定量指標であったが、今回のKPIは、「はい」又は「いいえ」で回答する定性指標である。
顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第12回】「売上・売掛債権管理のKPI(その③ 請求)」
今回は、売上・売掛債権管理を構成する業務プロセスから、「請求」のKPIを取り上げる。
このKPIは、売上・売掛債権管理を担当する人員配置を適正なレベルにするにはどうするか、もしこの業務を社内の人員ではなく経理サービスを提供する外部の会社に委託するなら支払うべきサービス価格はいくらが妥当かという判断を可能にし、社内の人員による業務処理と外部委託のどちらが妥当かという経営意思決定に役立つKPIである。
〔知っておきたいプロの視点〕病院・医院の経営改善─ポイントはここだ!─ 【第15回】「外来診療単価に差が生じる理由」
病院収入の約3割を占めるのが外来収入であり、外来収入を増加させるためには、患者1人1日当たりの外来診療収入(以下「外来診療単価」とする)を向上させることが重要である。
外来診療単価が高いということは、それだけ濃厚な治療が必要な重症な患者を診ていることを意味しており、病院と診療所の機能分化という観点から病院にとって適切な役割を果たしていると捉えることもできる。また、外来患者のキャパシティーには制約があるため、経済性を向上させるためにも外来診療単価を高めることには重要な意味がある。
〔税理士・会計士が知っておくべき〕情報システムと情報セキュリティ 【第6回】「IT 関連資格の実態」
記帳業務や決算・申告業務はコンピュータソフトを利用するのが一般的であり、さらにその前工程である販売、購買、製造活動もコンピュータソフトを利用しているケースもある。
このような状況において、税理士、会計士、簿記検定合格者などが、コンピュータ(IT)に関する知識を深めることにより、さらに自身の価値を高め、職域を広げることができる。
顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第11回】「売上・売掛債権管理のKPI(その② 売上計上)」
今回は、売上・売掛債権管理を構成する業務プロセスから、売上計上のKPIを取り上げる。
「売上」という指標は、企業活動の成果を表現する最も分かりやすい指標なので、内外から注目されやすい。会社の経営者も、会社の外部の利害関係者も、「年商いくら」などと言うのをよく耳にする。
そこで、経理財務部門がそのような売上を帳簿に計上する業務プロセスのあり方はどうあるべきか、そのサービスレベルを評価するKPIを紹介しよう。
改正金融検査マニュアルのポイントと中小企業へ与える影響 【第6回】「再生支援を活かすヒント」
金融円滑化法の失効から4ヶ月余り経過したが、特に混乱等が生じたとの話も聞こえてこないことから、スムーズに移行されたものと考えられる。
直近の「金融機関における貸付条件の変更等の状況について(平成25年6月25日)」を見ると、昨年9月末から債権ベースで新たに約70万件の申込みがされている。
会計事務所 “生き残り” 経営コンサル術 【第8回】「全社員が売上を最大に、経費を最小にすれば、利益は後からついてくる」
経営は、何も難しいことではありません。要するに、この標題のようなことを実行すれば、自然と利益が出てくるのです。これをおっしゃたのが京セラの稲盛さんです。
パナソニックの創業者の松下さんは、入るを増やし、出を制すれば利益が出ると言っておられたようです。どちらも同じ考え方のようです。
しかし、この簡単なことを難しくしているのが私たち会計人なのです。経営分析とか損益分岐点分析を使って、より複雑にしているのです。
〔知っておきたいプロの視点〕病院・医院の経営改善─ポイントはここだ!─ 【第14回】「総合入院体制加算を算定する意義」
総合入院体制加算は、総合的かつ専門的な入院医療を24時間提供する体制を有する病院を評価した加算であり、1日につき120点(14日を限度)として算定することができる。
当該加算を届出する病院は、2010年7月1日現在で、全国で206と少なく、非常にハードルが高いと(なお、参考までに同日付で特定集中治療室管理料(いわゆるICUに関する加算)を算定する病院は、624病院・5,215病床であり、その門戸の狭さを確認することができる。
当該加算は、DPC/PDPSにおける機能評価係数Ⅰで0.0291と評価されており、500床規模の病院であれば当該加算だけで年間1億円程度の真水の増収が期待できる。