〔知っておきたいプロの視点〕病院・医院の経営改善─ポイントはここだ!─ 【第18回】「救命救急センター~機能と実態~」
高次の救急医療を担う救命救急センターは三次救急医療機関として、地域の救急医療の最後の砦としての役割が期待されている。
現状では、全国で370病院、6,603床が救命救急入院料を算定しているが(平成24年7月1日現在)、新設される救命救急センターがある一方で、救急医療における豊富な実績を有する医療機関が指定されないケースもあり、その配置及び承認の状況には地域差が存在する。
本稿では、主に公表データを用いて救命救急センターの実態に迫っていく。
顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第18回】「棚卸資産管理のKPI(その② 実地棚卸)」
一般的に、財務報告における実地棚卸の役割は2つある。
まず、数量の確認である。
実際の数量と帳簿の数量を照合し、差異があれば、棚卸減耗費又は売上計上等で帳簿を修正する。
次の役割は、品質の確認である。
棚卸資産の品質を確認し、汚れ、破損、物理的陳腐化、機能的陳腐化、経済的陳腐化、長期滞留品が発見されれば、正味売却価額を切り下げて、収益性の低下を帳簿に反映する。
今回は、実地棚卸で発見された数量差異に関連して、実地棚卸業務の効率性を評価するKPIを取り上げる。
会社を成長させる「会計力」 【第2回】「東京五輪とIFRS財団アジア・オセアニアオフィス」―IFRS財団アジア・オセアニアオフィスの東京開設と期待―
IFRS財団は2001年に設立され、ロンドンを拠点にグローバルな活動を行ってきた。
EUが2005年からIFRSを採用したこともあって欧州中心の運営が長く続いている。アジア・オセアニアと北米にサテライトオフィスを設ける話はリーマンショック以前から検討されていたが、財団の財政上の問題もあって決定が棚上げになっていた。
ちょうど私が財団のトラスティに就任した2009年当時は、アジア各国ではIFRSとのコンバージェンスやアドプションが急速に進展しつつあり、我々の地域の、我々のためのオフィスが必要であるとの声が高まっていた。
サテライトオフィスの設置には日本の他に中国、香港、シンガポールが非公式に名乗りを上げ、招致合戦の火蓋がきられたのもこの頃で、中国、シンガポールは、まさに国を挙げての活動を展開しているとの話も聞こえていた。
顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第17回】「棚卸資産管理のKPI(その① 受払検証)」
前回までは「仕入・買掛債務管理」のKPIを取り上げたが、今回から3回にわたり、「棚卸資産管理」のKPIを取り上げる。
棚卸資産は、販売用の商品・製品、製造中の半製品・仕掛品、その原材料の総称である。それらは、営業活動の仕入を受けることによって増加し、販売で払い出されることによって減少する。その残高は、帳簿棚卸や実地棚卸により数えることによって確定するが、いずれの場合も有効な管理を行うためには、棚卸資産の受払の記録を継続していることが求められる。
顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第16回】「仕入・買掛債務管理のKPI(その③ 支払)」
今回は、「仕入・買掛債務管理」を構成する業務プロセスから、「支払」の基本を問うKPIを取り上げる。
仕入計上やその変更計上が行われた後、購買取引の支払段階では、資産保全の観点で業務管理が重要となるが、そのような業務管理のサービスレベルを評価するKPIを紹介しよう。
〔知っておきたいプロの視点〕病院・医院の経営改善─ポイントはここだ!─ 【第17回】「7対1入院基本料と重症度・看護必要度」
一定以上の患者は手がかかるのだから、そのような病院あるいは病棟等を評価しようという仕組みであり、A得点5点、B得点5点のような患者も必要度をぎりぎりで満たす患者も同じ評価になるため、連続的な評価にはなってないという特徴を持つ。
現行の診療報酬においては、一般病棟7対1入院基本料を算定する場合には、看護必要度を満たす患者が15%以上、また急性期看護補助体制加算25対1を届け出る場合にも7対1入院基本料を算定する病棟にあっては15%以上の看護必要度の基準を満たす患者を入院させることが求められている。看護師や看護補助者を重点的に配置する必要があるのは、看護必要度が高く手のかかる患者が多いからという考え方であろう。
〔税理士・会計士が知っておくべき〕情報システムと情報セキュリティ 【第7回】「失敗しない会計事務所選び(ITの視点から)」
顧客にとって業務効率化における重要な点として、会計事務所との情報の受渡しの効率性がある。
日々の受渡しに関する業務量が多い業務のひとつに記帳委託時の領収証や請求書等の各種証憑のやりとりがある。これにはいくつかの受渡方法があるが、もっともシンプルな方法は郵送である。
郵送の場合、会計事務所側は顧客から入手した各種証憑に基づき記帳業務を行った後、基本的にこれらを再び顧客に返却する。そして、顧客側は戻ってきた証憑類を保管することになる。シンプルであり、ITに依存しない方法であるが、一連の作業が完結するまでに日数を要する方法であり、証憑類の受渡漏れの問題が発生しやすいため注意が必要である。
顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第15回】「仕入・買掛債務管理のKPI(その② 仕入値引等対応)」
今回は前回に引き続き、「仕入・買掛債務管理」を構成する業務プロセスから、「仕入値引等対応」を評価するKPIを取り上げる。
「仕入値引等対応」は、いったん受渡しが行われた物品や役務に数量不足や品質不良が発見された場合に発生するため、仕入・買掛債務管理においては特殊業務であるとともに、返品や仕入値引による仕入金額の減額の過程で誤謬や不正が発生しやすい。
そこで、仕入計上の評価の妥当性、資産保全の観点で業務管理が重要となるが、そのような業務管理のサービスレベルを評価するKPIを紹介しよう。
会計事務所 “生き残り” 経営コンサル術 【第9回】「実務では変動費・固定費の区分なんて子供騙しだ」
本を読みますと、経費は変動費と固定費に分けられ、変動費は管理可能で固定費は管理不能だと書かれています。
「管理不能だ」という意味は、一度支出すれば長期間にわたって支払いが続いていくため、管理することが難しいということです。
私は学生時代に損益分岐点の本を読んで、このように学びました。そして、固定費とは家賃や地代、リース料のことをいうのだと知ったのでした。
当時は、「なるほど、このように経費を分析していき、損益分岐点を求めるのか」と感心したものでした。
しかし実際に仕事をしていて、中小企業の優秀な社長から次のように言われびっくりしてしまいました。
〔知っておきたいプロの視点〕病院・医院の経営改善─ポイントはここだ!─ 【第16回】「手術室の有効活用」
急性期病院で入院診療収益を増加させるために最も有効な施策が手術件数の増加である。
手術料は、DPC/PDPSの環境下でも出来高で評価されており、外科系診療科においては入院診療単価のうち半分以上を占めている。2012年度改定でDPC対象病院をⅠ~Ⅲ群にグルーピングされたが、Ⅱ群病院のうち手術1件当たり外保連手術指数が最もハードルが高かった。