有料老人ホームをめぐる税務上の留意点 【第5回】「老人ホームに入居していた場合の小規模宅地等の特例」
上記(事例1)については、平成25年度改正による変更はなく、今までどおり被相続人の居住の用に供されていた宅地等に該当する。
上記(事例2)については、(2)と(4)の要件が廃止され、老人ホームに入所するまで居住の用に供していた宅地等は、相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた宅地等とされる。具体的には次の2つの要件に該当するものが認められる(措令40の2②③)。
有料老人ホームをめぐる税務上の留意点 【第4回】「有料老人ホームをめぐる相続税実務のポイント」
これらの入居費用のうち、①入居一時金以外の費用(②~⑤)については、その都度支払うものであり、その費用を夫婦間で負担しても、通常贈与税等の課税関係は生じない。
しかし、夫婦のいずれか一方が入居一時金を負担した場合等には、相続税や贈与税の問題が発生する場合がある。
マンション保有者のための相続税対策とその留意点 【第2回】「マンション購入検討者のための対策」
本稿では、前回に続き、相続税を中心とした税金対策のうち居住用・投資用のマンションの購入検討者に焦点を当てたものを中心に解説する。
居住用のマンションを購入するケースとしては、
① 新規取得
② 買換え
が想定される。
マンション保有者のための相続税対策とその留意点 【第1回】「既存のマンション保有者が検討すべき対策」
特に近年では、購入代金のうち建物部分の比率の占める割合の高い都心の高層マンションを取得することで、評価の低い建物に組み替えて財産の評価額を減らし節税をはかることを検討しているケースもあるようだ。
このような背景を踏まえ、本稿では相続税対策を中心に居住用・投資用を目的とした区分所有によるマンション保有者または購入検討者に焦点を当てた税金対策について、①既存のマンション保有者と②購入検討者に分け、全2回にわたり解説する。
〔しっかり身に付けたい!〕はじめての相続税申告業務 【第29回】 「統計データでみる相続税の税務調査」
相続税の申告・納税が完了した後、一定の確率で、税務調査が行われる。
国税庁が公表した「平成24事務年度における相続税の調査の状況について」によれば、相続税の調査実績は以下のようになっている。
〔しっかり身に付けたい!〕はじめての相続税申告業務 【第28回】 「延納を行う際に気をつけたいこと」
延納が認められた場合、相続税額のうち金銭で納付することを困難とする金額を限度として、延納期間にわたって、分割して相続税を納税することができる。
ただし、この場合、相続税に加えて「利子税」を納付し、かつ、「担保」を提供する必要がある。「延納期間」及び「利子税割合」は下表の通りである。
〔しっかり身に付けたい!〕はじめての相続税申告業務 【第27回】 「納付方法の選択」
これは延納・物納は常に認められるわけではなく、「金銭で納付することを困難とする理由」「延納によっても金銭で納付することを困難とする理由」がある場合のみ、納付を困難とする金額を限度として認められるためであり、かつ、この「金銭で納付することを困難とする理由」「延納によっても金銭で納付することを困難とする理由」は、具体的な数値・根拠を示して延納・物納申請を行う必要があるため、延納・物納の許可を得るハードルが高くなっているという事情があると思われる。
《編集部レポート》 「中央出版事件」が決着~最高裁、納税者の上告棄却・上告不受理を決定し、納税者の敗訴が確定~
アメリカ合衆国の国籍のみを有する原告が、その祖父から米国ニュージャージー州法に準拠して原告を受益者とする信託を設定されたとして、税務署長から、相続税法(平成19年法律第6号による改正前のもの)4条1項に基づき、贈与税の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分を受けたため、その取消しを求めた、いわゆる「中央出版事件」は上告・上告受理申立が行われていたが、
〔しっかり身に付けたい!〕はじめての相続税申告業務 【第26回】 「申告書の作成から添付書類の準備、管轄税務署への提出に当たっての各注意点」
前回まで解説してきた相続人の確定、相続財産の確定・評価、遺産分割のそれぞれの手続、相続税の特例(小規模宅地特例、配偶者税額軽減など)の検討が完了すると、実質的に相続税の計算は完了したことになる。
ただし、最終的に相続税の申告実務を完了させるには、
(1) 相続税申告書の作成
(2) 相続税申告書(添付書類含む)の管轄税務署への提出(申告)
(3) 相続税額の納付
を完了させる必要がある。