〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第71回】「受益権が複層化された信託に関する権利を取得した場合における小規模宅地等の特例の適用の可否」
甲は、自己が所有するA土地(アスファルト舗装がされた月極駐車場)において貸付事業を行っています。甲はA土地以外で貸付事業を行っていませんので、事業的規模以外の貸付事業に該当します。
甲は、最終的にはA土地を長男である丙に承継させたいと考えていますが、配偶者である乙の老後の生活資金等のため、A土地の賃料収入は、甲の死亡後は、乙に帰属させるため、下記の遺言信託を令和3年10月に締結しました。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第70回】「受益者連続型信託に関する権利を取得した場合における小規模宅地等の特例の適用の可否」
甲は、自己が所有するA土地及び建物(賃貸用アパートで部屋数は8室)において貸付事業を行っています。甲はA土地及び建物以外で貸付事業を行っていませんので、事業的規模以外の貸付事業に該当します。
賃貸の用に供して50年以上経過し建物も老朽化し、甲の財産管理能力も衰えてきたため、甲は賃貸用アパートの管理等を長男である丙に任せ、甲の死亡後はそのA土地及び建物を配偶者である乙に、乙が死亡した場合には丙に相続させるために、下記の信託契約を令和3年10月に締結しました。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第69回】「相続発生後に賃貸併用住宅を建て替えた場合における小規模宅地等の特例の適用の可否」
被相続人である甲(相続開始は令和5年1月21日)は、賃貸併用住宅(区分所有登記はされていません)とその敷地であるA土地を所有し、1階から4階までを賃貸用(8部屋で各部屋の床面積は同一、そのうちの4部屋は令和3年から空室で募集もしていません)として5階部分を甲とその配偶者である乙及び長男である丙の居住の用に供していました。
相続税の実務問答 【第79回】「各相続人の相続税額を計算するときの「あん分割合」と更正の請求」
私の父が昨年1月に亡くなりました。相続人は、母、長女である私と妹の3人です。9月には遺産分割が調い、10月に3人で共同して相続税の申告をしました。
相続税の申告書の概要は次のとおりです。
各相続人の相続税額は、相続税の総額に、課税価格の合計額に各相続人の課税価格の占める割合(以下「あん分割合」といいます)を乗じて算出しますが、私たちの申告における「あん分割合」については、小数点以下2位未満の端数について、次のとおり、私の割合を切り上げ、母の割合を切り捨てる調整をしました。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第68回】「賃貸併用住宅の建築中等に相続が発生した場合における小規模宅地等の特例の適用の可否」
被相続人である甲(相続開始は令和5年1月16日)は、賃貸併用住宅(区分所有登記はされていません)とその敷地であるA土地を所有し、1階から4階までを賃貸用(8部屋で各部屋の床面積は同一)として5階部分を甲とその配偶者である乙及び長男である丙の居住の用に供していました。
賃貸の用に供して50年以上経過し建物も老朽化してきたため、建替えを行うことになりました。建替え後の建物は、1階から3階までを賃貸用(6部屋で各部屋の床面積は同一)として4階は甲及び乙の居住用として、5階は丙の居住用として利用することになっています。
事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第49回】「会社規模の変更による株価対策」
私はオフィスビルの管理・清掃業を営むB社を経営しています。近い将来、長男のF専務への事業承継を考えているのですが、顧問税理士からは株価対策を行ってからB社株式を贈与した方がよいとのアドバイスを受けています。
当社は利益体質の会社ではないのですが、昔から保有している土地の含み益が非常に大きく、類似業種比準価額方式よりも純資産価額方式による株価のほうが高くなっています。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第67回】「売買契約中に相続が発生した場合における買主側に係る小規模宅地等の特例の適否」
被相続人である甲(相続開始は令和4年10月1日)は、甲とその配偶者である乙が居住の用に供していたA土地及び建物を所有していましたが、令和3年にA土地及び建物を売却しています。
その売却代金を基に新たにB土地及び建物を購入予定でしたが、令和4年8月1日に甲が売買契約を締結(売買契約日に手付金10%相当の支払いを行っています)した後に、引渡しを受ける前に甲が死亡しました。甲の相続人は乙1人のみであり、買主の権利義務を承継した乙は、残代金を令和5年3月1日に支払い、B土地及び建物の引渡しを受け、居住の用に供しています。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第66回】「売買契約中に相続が発生した場合における売主側に係る小規模宅地等の特例の適否」
被相続人である甲(相続開始は令和4年10月1日)は、A土地及び建物を所有していました。A土地及び建物は、40年前に甲が購入し、甲とその配偶者である乙が居住の用に供していましたが、老人ホームに入居するためにA土地及び建物を売却することになりました。
売買契約は令和4年8月1日に行い、手付金として10%相当を受け取っています。その後、引渡しの前に相続が発生し、相続人である乙が全ての財産を相続しました。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第65回】「現物出資による移転の承認があった場合における小規模宅地等の特例と個人版事業承継税制の適用面積」
先代事業者甲は令和2年10月に後継者である長男乙に特定事業用資産である下記のA土地及び建物の贈与を行い、乙は個人版事業承継税制に係る贈与税の納税猶予の適用を受けました。
乙は贈与税の申告期限の翌日から5年経過後に贈与税の納税猶予の適用を受けた特定事業用資産の全てについて現物出資を行い、法人を設立し、租税特別措置法70条の6の8(個人の事業用資産についての贈与税の納税猶予及び免除)6項の現物出資による移転の承認を受け、法人で事業を継続する予定です。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例117(相続税)】 「自宅の敷地内にある農業用倉庫の建築面積部分に特定事業用宅地等として「小規模宅地等の特例」が適用できたにもかかわらず、全体を特定居住用宅地等として「小規模宅地等の特例」を適用してしまった事例」
農業を営む被相続人甲の相続税申告につき、甲の居住用家屋が所在する敷地1,000㎡内に農業用倉庫が2棟あったため、建物の建築面積比で按分すれば、特定居住用宅地等として330㎡、特定事業用宅地等として400㎡に「小規模宅地等についての相続税の課税価額の計算の特例」(以下「小規模宅地等の特例」という)を適用できたにもかかわらず、税理士はこれに気付かず、全体を特定居住用宅地等として330㎡のみに「小規模宅地等の特例」を適用して申告してしまった。