〈徹底分析〉
租税回避事案の最新傾向
【第6回】
「適格分社型分割による損失の二重計上」
公認会計士 佐藤 信祐
8 適格分社型分割による損失の二重計上
(1) 基本的な取扱い
実務上、後継者に事業の一部を先行的に移管することが考えられる。そのための手法として、事業譲渡や現金交付型分割(分社型分割)が採用されることがあるが、分割法人に分割承継法人株式のみを交付し、当該分割承継法人株式を後継者に譲渡するという手法が選択されることがある。このような場合には、オーナーと親族である後継者を合算すると完全支配関係が継続していることから、完全支配関係内の適格分社型分割として取り扱われる(法法2十二の十一、法令4の3⑥二、4の2②、4)。
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