欠損金の繰越控除制度の見直しは何を意味するのか?
【第2回】
「現行制度の制約要件と改正が意味するもの」
税理士 小谷 羊太
▷はじめに
欠損金の繰越控除制度は、事業年度単位課税の弊害をカバーするものであるという根本的な考え方については前回述べたとおりである。
今回はそのことを踏まえ、現行制度における欠損金の繰越控除の要件やグローバル化を目指す税制改正の意味と懸念について考えてみたい。
▷特典としての本制度のあり方
本制度の本来の存在理由は、前回述べたように、事業年度単位課税の弊害をカバーすることにある。しかし、そのような制度であるにもかかわらず、我が国の現行の法人税法では、規定の適用を受けるために様々な制約が強いられている。
その1つが、本制度が「青色申告の特典」であることである。
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