理由付記の不備をめぐる事例研究
【第28回】
「棚卸資産」
~棚卸資産の計上が漏れていると判断した理由は?~
千葉商科大学商経学部講師
泉 絢也
今回は、青色申告法人X社に対して行われた「棚卸資産計上漏れ」に係る法人税更正処分の理由付記の十分性が争われた国税不服審判所平成23年3月25日裁決(裁決事例集82号143頁。以下「本裁決」という)を素材とする。
1 更正通知書に記載された更正の理由(本件理由付記)
更正の理由
貴法人備え付けの帳簿書類を調査した結果、所得金額等の計算に誤りがあると認められますから次のように申告書に記載された所得金額等に加算して更正しました。
(期末商品棚卸高計上漏れ 〇〇〇円)
貴法人の平成20年12月期の確定申告書に添付されている「棚卸資産の内訳書」と、貴法人から提出のあった「平成20年12月末在庫一覧表」(別紙参照〔筆者注:棚卸資産の品名、数量及び製造原価が記載されたもの。掲載省略〕)を照合した結果、雑誌及び雑誌DVD等の一部である〇〇〇円について期末商品棚卸高に計上していないことが確認されましたので、当該金額を期末商品棚卸高の計上漏れとして当事業年度の所得金額に加算しました。
(注) 素材とした本判決の判決文から読み取ることができる理由付記の一部を筆者が加工している。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。
プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。