組織再編税制、グループ法人税制及びグループ通算制度の
現行法上の問題点と今後の課題
【第10回】
「受取配当金と株式譲渡損益」
公認会計士 佐藤 信祐
《第4章:受取配当金と株式譲渡損益》
1 自己株式の取得の特例
法人税法施行令23条3項では、自己株式の取得をした場合であってもみなし配当が発生しないものが列挙されており、同項8号では、被合併法人の株主等による反対株主の株式買取請求による買取りが掲げられている。
被合併法人の株主が反対株主の株式買取請求を行った場合には、合併の効力発生日(新設合併の場合は、成立の日)に被合併法人が被合併法人株式を取得したものとして取り扱われる(会社法786⑥、807⑥)。すなわち、当該買取請求に係る株式の買取りは、合併の日に遡って効力が生じるのに対し、合併の日においては金額不確定の状況にあることから、技術的に源泉所得税を徴収することができないという問題が生じる(※1)。
(※1) 『平成18年版改正税法のすべて』264頁(大蔵財務協会、平成18年)。
このような源泉所得税の問題があることから、被合併法人の株主等が反対株主の株式買取請求を行ったことにより、被合併法人が自己株式を取得したとしても、みなし配当が生じないものとされている。
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