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《速報解説》 中小企業経営強化税制、設備取得後に計画認定を受ける「例外」にも留意が必要~固定資産税軽減特例とは認定期限に差異あるケースも

筆者:Profession Journal 編集部

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《速報解説》

中小企業経営強化税制、設備取得後に計画認定を受ける

「例外」にも留意が必要

~固定資産税軽減特例とは認定期限に差異あるケースも

 

Profession Journal編集部

 

既報の通り4月1日から適用がスタートした中小企業経営強化税制だが、固定資産税の軽減特例と同様、中小企業等経営強化法の制度下に置かれ、対象となる設備を取得・事業供用する前に、対象設備に係る経営力向上計画の認定を受ける必要がある。

中小企業庁のホームページでは、平成29年度税制改正に合わせて経営強化法に関するパンフレットや手引き、Q&A、申請書の様式・記載例等が順次アップデートされており、認定を受けるまでの手順や、例外として「設備取得後に経営力向上計画を申請する場合」が紹介されている。

以下、それらもとに、中小企業経営強化法の適用を受けるまでの手順と留意点を確認していきたい。

認定を受けるまでの原則的な手続としては、A類型・B類型ごとに次の通り。

A類型(生産性向上設備)

1 設備メーカー等を通じ工業会等の証明書を入手する

(※) 申請から証明書の発行まで数日~2ヶ月程度を要する

2 主務大臣(担当省庁)より経営力向上計画の認定を受ける

(※) 申請から認定まで1ヶ月程度を要する

3 対象設備を取得、事業供用する

4 税務申告を行う

より詳しい手順を図示すると、次のようになる。

〈A類型の手続スキーム図〉

(※) 中小企業庁「工業会証明書の取得の手引き」より

次に、収益力強化設備(B類型)の手続は以下の通り。

B類型(収益力強化設備)

1 公認会計士又は税理士から(設備)投資計画案の確認を受ける

2 所轄の経済産業局から(設備)投資計画の確認を受ける

(※) 申請から証明書の発行まで数日~1ヶ月程度(資料不備の場合は1ヶ月以上)を要する

3 主務大臣(担当省庁)より経営力向上計画の認定を受ける

(※) 申請から認定まで1ヶ月程度を要する

4 対象設備を取得、事業供用

5 税務申告を行う

6 実施状況報告書の提出(設備の取得等をする年度の翌年度以降3年間)

こちらも詳しい手順を図示すると次のようになる。

〈B類型の手続スキーム図〉

(※) 中小企業庁「経済産業局による確認書の取得の手引き」より

上記の手続を時系列にまとめると下図のようになる。

【原則】 経営力向上計画の認定を受けてから設備を取得

(※) 中小企業庁ホームページ「経営力向上設備等の取得時期・税制の特例適用等について」より

このようにA類型、B類型共に、経営力向上設備等は、経営力向上計画認定後に取得すること【原則】となるが、【例外】として、設備取得後に経営力向上計画を申請する場合においても、一定の条件で中小企業経営強化税制を適用することができる。

この場合の「一定の条件」とは、まず1つ目が設備取得日から60日以内に経営力向上計画が受理される必要がある」というもの。こちらは昨年の固定資産税軽減特例と同じ取扱いとなる。

2つ目の条件が、中小企業経営強化法は制度の適用を年度単位で見ることから、「対象となる設備を事業供用した年度内に計画の認定を受ける必要がある」というもの。例えば3月決算法人の場合、事業年度末である3月31日までに認定を受ける必要があり、供用年度を超えて認定を受けた場合、税制の適用を受けることはできない。経営力向上計画の申請(受理)から認定までには1ヶ月程度を要するとされていることから、この期間を加味した上で手続を進めなければならない。

【例外】 設備取得後に経営力向上計画を申請する場合
(中小企業経営強化税制(国税)の場合)

(※) 中小企業庁ホームページ「経営力向上設備等の取得時期・税制の特例適用等について」より

ここで注意したいのが、A類型の場合は、同じ手続(工業会証明書(※1)、経営力向上計画(※2))で固定資産税の軽減特例も合わせて適用できるが、固定資産税の賦課期日は毎年1月1日であるため、「対象となる設備を取得した年の12月31日までに認定を受ける必要がある」という点だ。

(※1) 1枚の工業会証明書で中小企業経営強化税制及び固定資産税の軽減特例の利用が可能(ただし医療機器等、対象設備の際に留意)(Q&A集 A-15)。

(※2) 同一の「経営力向上計画に係る認定申請書」内で両制度の適用を申請可能(申請書記載例の「8 経営力向上設備等の種類」欄を参照)。

【例外】 設備取得後に経営力向上計画を申請する場合
(固定資産税特例(地方税)の場合)

(※) 中小企業庁ホームページ「経営力向上設備等の取得時期・税制の特例適用等について」より

つまり3月決算法人が本年度中に、対象設備を取得した後に計画の認定を受ける【例外】のケースで、平成29年12月31日を過ぎ平成30年(2018年)1月1日~3月31日の間に認定を受けた場合、中小企業経営強化税制の適用は受けられるものの、固定資産税の軽減特例は、軽減の期間が3年ではなく2年になってしまう。

このように、法人の決算月によって計画の認定を受ける期限に差異が生じることから、A類型の設備投資を計画する場合は平成29年中に計画の認定を受けることを前提としてスケジュールを立案するほうが、各制度をフルに活用できるといえよう。

(了)

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