谷口教授と学ぶ
国税通則法の構造と手続
【第2回】
「国税通則法1条」
-国税通則法の目的と国税通則法制定の趣旨-
大阪学院大学法学部教授
谷口 勢津夫
国税通則法1条(目的)
(目的)
第1条 この法律は、国税についての基本的な事項及び共通的な事項を定め、税法の体系的な構成を整備し、かつ、国税に関する法律関係を明確にするとともに、税務行政の公正な運営を図り、もつて国民の納税義務の適正かつ円滑な履行に資することを目的とする。
1 目的規定と趣旨規定
国税通則法1条は、同法の「目的」を定める規定(以下「目的規定」という)である。国税徴収法1条や「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律」1条も同様に目的規定である。
これに対して、個別税目に関する租税法律(所税1条、法税1条、相税1条、消税1条1項等)やそれらの特例を定める法律(税特措1条、電帳法1条等)はそれぞれの法律の「趣旨」を定めている(以下「趣旨規定」という)。
現行税法における「目的」と「趣旨」の使い分けについては、以上のように、通則的な規定を定める租税法律については「目的」という文言を、個別税目に関する租税法律(税目横断的な特例を定める法律を含む)については「趣旨」という文言をそれぞれ用いる、というような用語法によっていると一応はいうことができるように思われる。
目的規定及び趣旨規定の一般的意義については次のような解説がされている(坂本光「目的規定と趣旨規定/法律のラウンジ〔78〕」立法と調査282号(2008年)69頁。下線筆者)。
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