改正国税通則法と
新たな不服申立制度のポイント
【第2回】
「原則二段階の不服申立手続から選択制へ」
~あえて「再調査の請求」をする意義とは~
弁護士 坂田 真吾
1 旧通則法と新通則法
(1) 旧通則法下の不服申立て制度
旧通則法では、処分に不服を申し立てる納税者は、原則として、「異議申立て」と「審査請求」という二段階の不服申立手続を踏む必要がある。
すなわち、税務署長のした処分については、その処分をした税務署長に対して異議申立てを行うこととされ、異議決定になお不服があるときは審査請求をすることができる(旧通則法75条1項1号、3号)。
この例外として、税務署長がした処分が青色申告書に係る更正等である場合や、税務署長ではなく国税局長がした処分である場合等の一定の場合には、納税者の選択により、異議申立をしないで審査請求をすることができる(同条1項2号、4項等)。
(2) 新通則法による不服申立て制度
以上に対し、新通則法では、「異議申立て」手続の名称を「再調査の請求」と改め、税務署長、国税局長等を問わず、すべての処分について、納税者の選択により、再調査の請求をまずは行ってもよいし、これをしないで当初から審査請求をしてもよいこととされた(新通則法75条1項)。
2 再調査の請求を行うべきか
(1) 問題の所在
以上の改正により、今後(本年4月1日以降)、課税処分等を受けた納税者は、最初から国税不服審判所に審査請求をするべきか、それとも原処分庁(税務署長、国税局長)に再調査の請求を行うべきかの判断を行う必要があることになる。
そうすると、この判断はどのようにして行うのが妥当か、ということが問題となる。
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