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《速報解説》 金融庁、令和3年3月期以降の事業年度における有価証券報告書の作成・提出に際しての留意すべき事項等を公表~感染拡大の影響を踏まえ、新型コロナの影響に関する開示の審査を重点的に行う~

筆者:阿部 光成

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《速報解説》

金融庁、令和3年3月期以降の事業年度における

有価証券報告書の作成・提出に際しての留意すべき事項等を公表

~感染拡大の影響を踏まえ、新型コロナの影響に関する開示の審査を重点的に行う~

 

公認会計士 阿部 光成

 

Ⅰ はじめに

令和3(2021)年4月8日、金融庁は次のものを公表した。

 有価証券報告書の作成・提出に際しての留意すべき事項について

 有価証券報告書レビューの実施について

令和3年3月期以降の有価証券報告書の作成に当たっては、これらに記載されている事項に特に注意し、適切に作成する必要があると考えられる。

後述するように、「令和2年度 有価証券報告書レビューの審査結果及びそれを踏まえた留意すべき事項」では、国際財務報告基準(IFRS)第15号「顧客との契約から生じる収益」の適用に関する審査結果が記載されているので、有価証券報告書の収益認識に関する開示に際して注意が必要である。

なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。

 

Ⅱ 有価証券報告書の作成・提出に際しての留意すべき事項について

令和3年3月期以降の事業年度に係る有価証券報告書の作成・提出に際しての留意すべき事項として次のことを述べている。

1 新たに適用となる開示制度に係る留意すべき事項

2021年3月期に適用される開示制度に係る公表・改正のうち、主なものは以下のとおりである。

 「会計上の見積りの開示に関する会計基準」(企業会計基準第31号)

 「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」(改正企業会計基準第24号)

2 有価証券報告書レビューの審査結果及び審査結果を踏まえた留意すべき事項

令和2年度の有価証券報告書レビューに関して、現在(2021年4月8日時点)までの実施状況を踏まえ、複数の有価証券報告書提出会社に共通して把握された事項に関し、記載に当たっての留意すべき事項について述べている。

当該事項を記載している別紙1は、表紙を含めて45ページある。

記載内容が不十分であると認められた事項には、会計監査の対象となる財務諸表等に関わるものも含まれているため、留意すべき事項等については、提出会社だけでなく、監査を実施する公認会計士又は監査法人においても、十分に留意いただきたいと記載されているので、改めて有価証券報告書の作成に際しては注意が必要である。

令和2年度の有価証券報告書レビューでは、以下の重点テーマに着目して審査する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の長期化を踏まえ、新型コロナウイルス感染症の影響に関する開示の審査を重点的に行う一方で、以下のうち、のセグメント情報の審査を中止している。

 セグメント情報

 顧客との契約から生じる収益(指定国際会計基準を任意適用する会社を対象に、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の適用状況)

本稿では、「審査結果」において確認された事例について、「適切ではない事例」として紹介する。なお、各所において「新型コロナウイルス感染症の影響に関する開示のポイント」が記載されている。

 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(企業内容等の開示に関する内閣府令関係)

▷検討事項

経営方針・経営戦略等の記載において、経営環境(例えば、企業構造、事業を行う市場の状況、競合他社との競争優位性、主要製品・サービスの内容、顧客基盤、販売網等)についての経営者の認識の説明を含め、企業の事業の内容と関連付けて記載することなどが行われているか。

▷適切ではない事例

(a) 経営環境について、経営者の認識に関する記載がない(新型コロナウイルス感染症が経営環境に及ぼす影響など、直近の状況を踏まえた具体的な説明がない)。

(b) 主な事業と関連付けた経営方針・経営戦略の記載がない。

▷留意すべき事項

・経営環境については、企業構造、事業を行う市場の状況や競合他社との競争優位性に加えて、自社の弱みや課題、経営環境の変化を踏まえた自社にとっての機会やリスクに関する経営者の認識を記載し、これらも踏まえて経営方針・経営戦略等を記載することが求められている。

・投資家がセグメントごとの経営方針・経営戦略等を適切に理解できるよう、各セグメントに固有の経営環境についての経営者の認識も併せて説明することが期待されている。

・経営環境や経営方針・経営戦略に関する記載が現状を反映せずに一般的な内容にとどまる場合、投資家は経営者の認識の妥当性や経営方針・経営戦略の実現可能性について判断することが困難となるので、各提出会社は開示府令の趣旨を踏まえて具体的かつ充実した開示を検討する。

 事業等のリスク(企業内容等の開示に関する内閣府令関係)

▷検討事項

平成31年1月に施行された「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」に基づき適切な記載がなされているかどうか。

▷適切ではない事例

(a) 経営環境等の変化が想定されるところ、過年度から記載内容の見直しがされていない(他の記載箇所に新型コロナウイルス感染症により大きな影響を受けた旨の記載があるものの、事業等のリスクでは一切触れられていないなど)

(b) 記載されている事業等のリスクについて、顕在化する可能性の程度や時期、影響の内容、リスクへの対応策などの具体的な記載がない。

▷留意すべき事項

・事業等のリスクの開示においては、企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると経営者が認識している主要なリスクについて、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容、当該リスクへの対応策を記載するなど、具体的に記載することが求められている。

・リスクの重要性や経営方針・経営戦略等との関連性の程度を考慮して、分かりやすく記載することも求められている。

・事業等のリスクが一般的なリスクの羅列や抽象的な記載にとどまる場合、投資家は自らの判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を理解することが困難となるので、各提出会社は開示府令の趣旨を踏まえて具体的かつ充実した開示を検討する。

 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(MD&A)(企業内容等の開示に関する内閣府令関係)

▷検討事項

平成31年1月に施行された「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」に基づき適切な記載がなされているかどうか。

▷適切ではない事例

(a) 複数セグメントを有するにも関わらずセグメントに紐づけた説明がない。

(b) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に関する項目がない。

(c) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に関する項目はあるものの府令で求められる具体的な内容の説明がない。

▷留意すべき事項

・経営成績等の状況に関しては、単に財務情報の数値の増減を説明するにとどまらず、事業全体とセグメント情報のそれぞれについて、経営者の評価を提供することが求められている。

・重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、それらと実績との差異などにより、企業の業績に予期せぬ影響を与えるリスクがあるため、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について、充実した開示が行われることが求められる。

・会計上の見積りを行う上で企業が新型コロナウイルス感染症の影響についてどのような仮定を置いたかについては、「会計上の見積りの開示に関する会計基準」に基づく注記や「追加情報」において具体的に開示されることが求められており、MD&Aの「会計上の見積り」においても不足する情報を補足することが期待される。

▷改善の余地があると考えられる開示例

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について「「第5経理の状況」に記載のとおり」と開示し、MD&Aに一般的な事項のみを記載し、詳細については「財務情報を参照」としているが、参照先でも法令で求められている内容を読み取ることができない開示例がある。
次の改善が考えられる。

・財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものが何であるかが明確になるように説明する。

・見積り及び仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響を記載する。

2021年3月末以降から「会計上の見積りの開示に関する会計基準」が適用される。
当該注記等により、記載すべき事項の全部又は一部を「第5経理の状況」の注記において記載した場合には、その旨を記載することによって、当該注記において記載した事項の記載を省略することができる。ただし、記載を省略する場合には全体として必要事項が十分に記載されているか慎重に検討する。

 監査の状況(企業内容等の開示に関する内閣府令関係)

▷検討事項

平成31年1月に施行された「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」に基づき適切な記載がなされているかどうか。

▷適切ではない事例

(a) 監査役等の活動状況の記載が形式的な内容(会議に出席、書類の閲覧等)にとどまる。

(b) 監査役等の具体的な活動が読み取れない。

(c) 監査法人の継続監査期間の記載がない。

▷留意すべき事項

・提出会社の監査役及び監査役会の活動状況に関しては、投資家が提出会社のコーポレート・ガバナンスの状況を評価する観点から、具体的に記載することが期待される。

・単に会議の開催頻度や参加回数を記載するにとどまらず、具体的にどのような点を重点的に監査したか等の情報提供が求められる。

・監査法人の継続監査期間は、監査人の独立性を判断する観点から重要な情報であるとされており、監査人の交代直後である等の一定の場合を除いて、記載が求められている。

▷改善の余地があると考えられる開示例

監査役の活動状況に関して、一般的な内容が記載されるのみであり、企業特有の活動が読み取れないなどの開示例がある。
次の改善が考えられる。

・常勤の監査役がどのような活動を行っているかを具体的に記載する。

・監査役会における主な検討事項を具体的に記載する。

3 過年度の審査結果のフォローアップ

平成31年度の有価証券報告書レビューにおいて、金融庁は記述情報(「役員の報酬等」や「株式等の保有状況」)の記載内容に改善の余地があると考えられる提出会社に、翌年度からの改善・記載の充実を求める通知をしている。

令和2年度の有価証券報告書レビューでは、当該通知を行った提出会社の有価証券報告書の記載内容をあらためて確認するフォローアップを実施し、大半の提出会社で記載内容の改善・記載の充実が見られた一方、前年度の記載からほとんど変化がなく、改善が見られない提出会社も確認されたとのことである。

前年度から改善が見られない提出会社に対しては、再度、改善・充実を求める通知をしているとのことである。

 

Ⅲ IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の適用に関する審査

IFRSを任意適用する企業において、顧客との契約から生じる収益に関する開示がIFRS第15号に基づいて適切にされているかについて確認したところ、主に以下の各項目の開示等について、開示目的に照らすと改善の余地があると考えられる事項が識別されたとのことである。

 収益の分解

 履行義務

 残存履行義務に配分した取引価格

 履行義務の充足の時期の決定

 見積りを伴う判断

なお、IFRS第15号の開示に関する包括的な定めの趣旨を踏まえ、本年度の重点テーマ審査では、不備の指摘を主目的とせず、より充実した開示に向けた対話を重視したとのことである。

1 全般的な留意事項

 一貫性のある開示

[留意事項]

  • 履行義務に関する情報の説明と収益の分解に関する情報区分が異なる。
  • 履行義務に関する情報とそれが契約残高に与える影響の関係性が明確ではない。
  • どの履行義務と関連する契約残高であるかが明確ではない。

 開示の要否の判断

[留意事項]

以下の理由は、開示を省略する理由として適切ではないと考えられる。

  • 特殊な履行義務ではないため
  • 業界慣行に従い処理しているため
  • 日本の会計基準による会計処理と差異がないため

 重要性の判断

[留意事項]

  • 重要性の判断は開示目的と共に考慮するべきであり、重要性がないとして要求されている開示を省略する際には、その省略によって開示目的の達成に必要な情報の理解も困難になっていないかどうかを検討することが求められる。
  • 重要性が乏しい事項について、開示されている定量的情報等からその旨を読み取ることができない場合は、重要性が乏しいことが分かるように簡潔な説明を加えることも有用と考えられる。

2 収益の分解

 収益の分解情報と収益の分解情報以外の情報(特に履行義務の内容)との関係について、十分に理解できるような説明がない。

[改善の方向性]

  • 履行義務に関する説明との関係性が明確になるように収益を分解する。
  • 必要に応じ、複数の種類の区分を使用することを検討する。
  • セグメント情報をもって収益の分解情報を開示する場合には、セグメント別収益の開示がIFRS第15号114項で定めている要求事項を満たすものか確認する。

 分解した収益とセグメント情報の関係について十分な説明がない。

[改善の方向性]

分解した収益の開示と、各報告セグメントについて開示される収益情報(IFRS第8号「事業セグメント」を適用している場合)との間の関係を理解できるようにするための十分な情報を開示する。

 顧客との契約から認識した収益と収益のその他の源泉が区分されていない(重要性がないと判断して区分していない)。

[改善の方向性]

  • その他の源泉から生じた収益の額を区分して開示する。
  • その他の源泉から生じた収益の額に重要性がない場合でも、その旨を示す開示又は当該収益の額を開示する。

3 履行義務

 履行義務の充足時期の説明が、基準の表現の転記等の抽象的な内容にとどまっており、企業特有の収益の認識態様が具体的に説明されていない。

[改善の方向性]

  • 主要な履行義務に関する充足時期について、企業特有の内容を反映して具体的に説明する。
  • 特に、サービスの提供や一定の期間にわたり充足する履行義務はさまざまな類型の契約が存在すると考えられるため、詳細に説明する。
  • 例えば「当社は多様な事業を行っており、契約に基づく履行義務の性質に応じて、一時点又は一定の期間にわたり収益を計上しております」という記載では、会社のどの収益が一時点で計上され、どの収益が一定期間にわたり計上されるのか、具体的に把握することができない。

 履行義務に関して、重大な支払条件(通常の支払期限、契約に重大な金融要素があるかどうか、対価の金額に変動性があるかどうか等)が説明されていない。

[改善の方向性]

  • 通常の支払期限について、会社が一般的であると認識している情報であっても、財務諸表利用者が当該情報を読み取ることができるように具体的に説明する。
  • 重大な金融要素や対価の金額の変動性について、重要性がないと判断した場合や該当事項がないと判断した場合でも、その旨を簡潔に開示する。

 主要な履行義務の内容に関して、抽象的な説明にとどまっており、企業固有の取引内容や履行義務が具体的に説明されていない。

[改善の方向性]

  • 主要な履行義務について、企業が移転を約束した財やサービスの内容を企業固有の内容で具体的に説明する。
  • 特に、サービスについては履行義務の充足時期についての説明を補足するため、より具体的な説明をする。
  • 説明の詳細さについては他の注記(収益の分解等)の内容を考慮して決定する。
  • 例えば「当社グループは顧客に対して、契約に基づいてサービスを提供する義務を負っております。サービス提供についてはサービスの履行義務を充足した時点に収益を計上しております」という記載では、契約に基づいたサービスの具体的内容が読み取れず、また、サービスの履行義務が果たされた時点とはどの時点であるかが明確ではない。

 代理人取引が存在することは示されているが、どの履行義務において代理人として取引しているかが説明されていない。

[改善の方向性]

どの履行義務において、企業が代理人として行動しているかを明確に説明する。

4 残存履行義務に配分した取引価格

 残存履行義務に配分した取引価格に関して、企業がいつ収益として認識すると見込んでいるのかについて、最長と考えられる期間のみ説明している。

[改善の方向性]

残存履行義務に配分した取引価格に関して、企業がいつ収益として認識すると見込んでいるのかについて、定性的情報を使用した方法で説明する場合であっても、財務諸表利用者の将来予測に資する十分な詳細さで情報を提供する。

 残存履行義務に配分した取引価格に関する開示に関して、121項の実務上の便法を適用しているかどうか、及び顧客との契約からの対価の中に取引価格に含まれていないものがあるのかどうかが説明されていない。

[改善の方向性]

残存履行義務に配分した取引価格に関する開示に関して要求されている開示項目は、重要性がない、もしくは該当事項がない場合にもその旨を簡潔に開示する。

5 履行義務の充足の時期の決定

 一定の期間にわたり充足する履行義務について、収益を認識するために使用した方法やその使用した方法が財又はサービスの移転の忠実な描写となる理由に関する説明がされていない。

 一時点で充足される履行義務について、顧客が財又はサービスに対する支配をいつ獲得するのかを評価する際に行った重要な判断に関する説明がされていない。

[改善の方向性]

  • 119項(a)で要求されている事項(企業が履行義務を充足する通常の時点)の開示のみでは、財務諸表利用者は、履行義務の充足の時期を決定する際に用いた判断まで読み取ることができないため、124項(a)及び(b)並びに125項で要求されている判断に関する事項について、具体的に説明する。
  • 履行義務の充足の時期を決定する際に用いた判断について理解が深まるように、119項(a)及び(c)において要求されている履行義務に関する事項の開示を充実する。

6 見積りを伴う判断

 (連結)財務諸表に重要な影響を与える会計方針を適用する過程で行った見積りを伴う判断に関する情報として、収益認識に係る会計方針や注記の項目全体を参照先として記載しているが、参照先において当該判断が具体的に説明されていない。

[改善の方向性]

  • 収益認識に重要な判断が含まれると判断して、IAS第1号125項の注記を記載していると考えられることから、収益認識のどの部分で重要な判断が行われるのかを特定できるように具体的に記載する。
  • 収益認識に係る会計方針や注記を参照する場合には、項目全体ではなく項目内の参照箇所を特定できるように明瞭に記載する。

 

Ⅳ 有価証券報告書レビューの実施について(令和3年度)

1 法令改正関係審査

2021年3月31日以降を決算期末とする有価証券報告書の提出会社を対象として、「会計上の見積りの開示に関する会計基準」及び「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」の改正について、適切な記載がなされているかを審査する。

有価証券報告書提出会社は、別添の「調査票」に回答することが求められているので、有価証券報告書の作成に際して注意が必要である。

2 重点テーマ審査

令和3年度の有価証券報告書レビューについては、次のテーマに着目し、2021年3月31日以降を決算期末とする有価証券報告書の提出会社の中から審査対象会社を選定するとのことである。

 新型コロナウイルス感染症に関する開示

[審査内容]

  • 新型コロナウイルス感染症に関連する、非財務情報(「経営方針・経営戦略等」、「事業等のリスク」、「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」)、及び、財務情報(「会計上の見積りの開示に関する会計基準に基づく注記」、「追加情報」)の記載を審査する。
  • 新型コロナウイルス感染症の影響に関する将来の見通し等については、企業間で異なることも想定されるため、将来の見通し等の妥当性自体を審査することは予定していない。
  • 企業間で異なる将来の見通し等がありうるとの前提のもと、それらの企業特有の状況や考え方を投資家等が十分に理解できるように情報が具体的に開示されているかどうかを審査する。

 顧客との契約から生じる収益

[審査内容]

  • 指定国際会計基準を任意適用する会社を対象に、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の適用状況を審査する。
  • 会計処理や連結財務諸表の表示に加え、注記についても審査対象とする。

財務局等からの質問状には、次の観点も反映していると述べられており、本3月期の有価証券報告書の作成に際しても、下記の観点を十分に考慮し、開示の要否を判断すべきものと解される。

  • 法令や会計基準への形式的な準拠性のみでなく、投資者にとって十分に明瞭で理解し得る記載となっているか
  • 重点テーマ以外の関連する事項について、確認すべき点はないか
  • 有価証券報告書以外の開示書類(四半期報告書、内部統制報告書等)への影響はないか

(了)

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筆者紹介

  • 阿部 光成

    (あべ・みつまさ)

    公認会計士
    中央大学商学部卒業。阿部公認会計士事務所。

    現在、豊富な知識・情報力を活かし、コンサルティング業のほか各種実務セミナー講師を務める。
    企業会計基準委員会会社法対応専門委員会専門委員、日本公認会計士協会連結範囲専門委員会専門委員長、比較情報検討専門委員会専門委員長を歴任。

    主な著書に、『新会計基準の実務』(編著、中央経済社)、『企業会計における時価決定の実務』(共著、清文社)、『新しい事業報告・計算書類―経団連ひな型を参考に―〔全訂版〕』(編著、商事法務)がある。

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