〈事例から学ぶ〉
不正を防ぐ社内体制の作り方
【第1回】
「不正リスクの発見方法と相互牽制の効果」
米国公認会計士・公認内部監査人
打田 昌行
◆連載開始にあたって◆
・現金精算を任された社員が横領を繰り返す。
・既に退職した社員がアクセスできるはずのないシステム内の最新情報を競合他社に漏らす。
・製品の実地棚卸をする度に無視できない多額の差異が認識される。
・商品の販売単価を操作して受注を増やし売上を嵩上げしながら、実は売上総利益率を悪化させている。
なぜこうした好ましくない事態が社内において引き起こされるのでしょうか。重要な要因のひとつに、会社に不正予防の仕組みが足りていないことが挙げられます。社内で本来あるべき仕組みが足りていない、例えると、建物をしっかりと支える柱が十分ではないということです。このように不正に対する仕組みが不十分では、会社は常に大きなリスクを抱えたまま経済活動を行うことになります。
そこで本連載では、内部統制で用いられるアプローチを活用し、様々な企業不正に対抗するために、社内のあるべき仕組みづくりについて、実際に想定される不正事例を参考として解説することで、不正に負けない社内体制づくりの一助となることを目的としています。
《1》 プロセスに潜むリスクを捕捉する
それでは、あるべき柱の不十分さ、不正予防の仕組み不足をいち早く認識するには、どうしたらよいのでしょうか。それは「プロセスに潜むリスクを把握して、きちんと評価をすること」です。この言葉だけでは難しいので、以下で詳しくみていきましょう。
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