これからの会社に必要な
『登記管理』の基礎実務
【第3回】
「「役員改選の登記手続」が定期メンテナンスの役割を果たす」
司法書士法人F&Partners
司法書士 本橋 寛樹
はじめに
前回は登記管理を怠るリスクについて解説した。今回は、役員の任期満了に伴う登記手続が、登記管理を怠るリスクを回避する役割を果たすという点に着目してみたい。
役員改選の登記手続=定期メンテナンスの役割
まず、役員の任期満了に伴う登記手続(以下、「役員改選の登記手続」という)は、連載【第1回】で解説した、会社の履歴書の更新であるとイメージしていただきたい。
以下で述べるように、役員改選の登記手続は、一定の期間で更新する必要があることから、その他の事項も含めた、会社の履歴書の定期メンテナンスを行うきっかけとなる。
この更新の頻度は、定款に定められた取締役や監査役の任期の規定による。
そこでまずは、役員の任期規定について整理していこう。
役員の任期規定
取締役の任期は、原則として2年である(会社法第332条第1項)。詳しく言えば、選任後2年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結時までである(以下、任期に関する表記については「〇年」と省略して表記する)。
監査役の任期は、原則として4年である(会社法第336条第1項)。
平成18年の会社法施行後は、株式の全部に譲渡制限が付されている株式会社(以下、「非公開会社」という)では、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除いて、定款で定めることにより、取締役、監査役の任期を最長10年まで伸長できるようになった(会社法第332条第2項・同法336条第2項)。
なお、非公開会社では、登記記録に以下の記載がある。
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