改正会社法
―改正の重要ポイントと企業実務における留意点
【第1回】
「『インセンティブのねじれ』の解消」
西村あさひ法律事務所 パートナー
弁護士・ニューヨーク州弁護士 柴田 寛子
1 改正会社法の主眼
本年6月27日、会社法の一部を改正する法律(以下「改正会社法」という)が公布された。改正会社法の施行日は、公布日から1年6ヶ月以内で政令で定める日とされており(改正附則1条)、平成27年4月1日又は5月1日と見込まれている。
改正会社法は、「企業統治の強化」と「親子会社の規律」を主眼としたものであり、全面的な規制緩和が主眼であった平成17年商法改正による会社法制定とは大きく異なる。
具体的には、監査役制度の強化による企業統治強化が行き詰まる中、社外取締役選任の「準」義務化や監査・監督委員会設置会社制度の創設等、取締役会の監督機能強化による企業統治の充実が図られた。また、会計監査における「インセンティブのねじれ」の解消も一部盛り込まれた。さらに、親子会社のガバナンスに焦点が当たった初めての改正であり、多重代表訴訟制度の創設のほか、スクイーズ・アウトにより完全親子会社関係を作出するための新制度として株式売渡請求制度が創設された。
改正会社法のポイントについて解説する本シリーズの第1回では、「企業統治の強化」のうち、法務・監査実務に関与する方々にとって特に関心が高いと思われる、「インセンティブのねじれ」の解消について解説する。
2 「インセンティブのねじれ」の一部解消
(1) 現行会社法下での「インセンティブのねじれ」
現行会社法においては、①会計監査人の選解任等に関する議案の決定権及び②会計監査人の報酬等の決定権は、共に、取締役(会)が有している(ただし、委員会設置会社においては、①は監査委員会が有する)(会社法344条、404条2項2号)。監査役(会)には(②につき、委員会設置会社においては監査委員会)、上記①及び②の決定に係る同意権が付与されているに留まる(会社法399条)。
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