改正会社法
―改正の重要ポイントと企業実務における留意点
【第4回】
「特別支配株主の株式等売渡請求権」
西村あさひ法律事務所 パートナー
弁護士・ニューヨーク州弁護士 柴田 寛子
改正会社法の主眼である「企業統治の強化」と「親子会社の規律」のうち、後者に関する制度として「特別支配株主の株式等売渡請求権」が導入された。改正会社法のポイントについて解説する本シリーズの第4回では、現行法にはない新制度である同請求権について解説する。
1 実務上のニーズ
現行法下においては、100%子会社化を目的とした企業買収の手法としては、主に、公開買付と全部取得条項付株式の取得(定款変更により普通株式をすべて全部取得条項付株式に変更し、取得の対価として少数株主には1株に満たない株式、つまり換価のうえ公開買付価格と同額の現金のみを交付する)を組み合わせる方法が用いられてきた。
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