〔知っておきたいプロの視点〕
病院・医院の経営改善
─ポイントはここだ!─
【第22回】
「病院における原価計算」
東京医科歯科大学医学部附属病院
特任講師 井上 貴裕
1 稼働額重視の病院経営
病院では診療科別の稼働額はある程度把握できるものの、稼働額が多いからといって、それ以上に費用がかさむこともありえるわけであり、儲かっていることの証にはならない。このことは病院経営に関わる誰もが理解している。
しかし、病院経営層あるいは各診療科から、どの診療科が儲かっているのかを知りたい、本当の業績を知りたいという声があがることもあり、診療科別等の原価計算に挑む病院も存在する。だが、そのハードルは高い。
実際に診療科別の原価計算を実施している病院は少なく、本当の収益性は不明なのが現実であろう。また、稼働額自体も主治医の属する診療科に集計されるのが一般的であり、コンサルテーションや手術のサポートなどを行っても、実施した診療科に反映されないなど問題もある。
つまり、診療科別の経済的な実態はみえない。それが病院経営の実情である。
2 原価計算必要論者の見解
根強い原価計算必要論者も存在し、特に各診療科に対する規律付けに有効であると主張されることもある。確かに稼働額だけをみれば、循環器内科、脳神経外科、心臓血管外科などは突出して多い傾向がある。
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