〔知っておきたいプロの視点〕
病院・医院の経営改善
─ポイントはここだ!─
【第7回】
「診療密度の意味するところ」
東京医科歯科大学医学部附属病院
特任講師 井上 貴裕
1 診療密度とは
2012年度診療報酬改定においてDPC/PDPSにおいて基礎係数が導入され、医療機関群の設定が行われた。このことは、一見するとDPC対象病院だけが影響を受けるものと捉えがちであるが、医療政策のメッセージが散りばめられており、あらゆる病院にとって注目すべき事項が含まれている。
本稿では、Ⅱ群に入るための実績要件の1つである診療密度について取り上げ、これからの病院経営を考えていく。
診療密度は、1日当たり包括範囲出来高換算点数によって評価されている。
これは、DPC/PDPSにおける包括評価の範囲内でどのくらいの医療資源を投入したかが反映されたものであり、入院中に検査や投薬などを実施した場合に密度が濃いという判定がなされる。
この考え方について、DPC/PDPSの効率化を促すという趣旨に反するものであり、適切な評価ではないという批判もある。ただし、粗診粗療を防ぐことも包括払いにとっては重要な課題であり、急性期病院らしく重症患者を受け入れていれば、密度は濃くならざるを得ないと捉えることもできる。
つまり、中小規模の地域一般的な病院や大規模であっても地域全体から患者を受け入れる地域独占型の病院では、軽症者も多く診ることであろうから、全体としての診療密度は低下することが予想される。
2 診療密度に影響を及ぼす要因
① 在院日数の短縮
診療密度に影響を及ぼす要因として、まず在院日数を挙げることができる。
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