公開日: 2018/04/04
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《速報解説》 「収益認識に関する会計基準」及び同適用指針が正式公表される~H33.4.1以後開始事業年度から適用、本年からの早期適用・経過措置も~

筆者: 阿部 光成

《速報解説》

「収益認識に関する会計基準」及び同適用指針が正式公表される

~H33.4.1以後開始事業年度から適用、本年からの早期適用・経過措置も~

 

公認会計士 阿部 光成

 

〔追記:2018/4/12〕
4月11日、企業会計基準委員会は、公開草案に対する「主なコメントの概要とそれらに対する対応」(120ページ。以下「コメント対応」という)を公表しているので、主な内容について、「Ⅳ 主なコメント対応の内容」として追補を行った。

Ⅰ はじめに

平成30年3月30日、企業会計基準委員会は次の会計基準等を公表した。これにより、平成29年7月20日から意見募集していた公開草案が確定することになる。

① 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号。以下「収益認識会計基準」という。目次を含めて35ページ)

② 「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号。以下「収益認識適用指針」という。目次を含めて43ページ。設例は設例1から設例30まであり、63ページ)

これは、収益認識に関する包括的な会計基準である。

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《速報解説》

「収益認識に関する会計基準」及び同適用指針が正式公表される

~H33.4.1以後開始事業年度から適用、本年からの早期適用・経過措置も~

 

公認会計士 阿部 光成

 

〔追記:2018/4/12〕
4月11日、企業会計基準委員会は、公開草案に対する「主なコメントの概要とそれらに対する対応」(120ページ。以下「コメント対応」という)を公表しているので、主な内容について、「Ⅳ 主なコメント対応の内容」として追補を行った。

Ⅰ はじめに

平成30年3月30日、企業会計基準委員会は次の会計基準等を公表した。これにより、平成29年7月20日から意見募集していた公開草案が確定することになる。

① 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号。以下「収益認識会計基準」という。目次を含めて35ページ)

② 「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号。以下「収益認識適用指針」という。目次を含めて43ページ。設例は設例1から設例30まであり、63ページ)

これは、収益認識に関する包括的な会計基準である。

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連載目次

「収益認識に関する会計基準」及び
「収益認識に関する会計基準の適用指針」の徹底解説

(全14回)

【第1回】(「収益認識に関する会計基準」等の概要)

⇒詳しい内容を表示

はじめに

1 「収益認識に関する会計基準」等の公表までの流れ

2 開発に当たっての基本的な方針

(1) 基本的な方針

(2) 連結財務諸表における開発の方針

(3) 個別財務諸表における開発の方針

3 連結財務諸表を作成している場合の「収益認識に関する会計基準」等の適用対象

4 「収益認識に関する会計基準」等の概要

(1) 収益認識基準等の適用範囲

(2) 収益認識基準等の構成

(3) 収益認識のための5つのステップ

(4) 適用時期

(5) 会計方針の取扱い

① 適用に関する留意事項

② 当期の決算状況の説明

【第2回】(【STEP1】契約の識別)

⇒詳しい内容を表示

5 【STEP1】契約の識別

(1) 識別要件の充足の有無(契約であるかどうかの検討)

(2) 契約の識別要件を満たさない場合の会計処理

(3-1) 契約の結合

(3-2) 契約の結合(代替的な取扱い)

① 複数の契約を結合しなくても良い場合

② 工事契約及び受注制作のソフトウェアのみ認められている取扱い

(3-3) 契約の結合における従来との相違点等

① 従来との相違点

② 影響がある取引(例示)

③ 適用上の課題

④ 財務諸表への影響

(4-1) 契約の変更

(4-2) 契約の変更における従来との相違点等

① 従来との相違点

② 影響がある取引(例示)

③ 適用上の課題

④ 財務諸表への影響

【第3回】(【STEP2】履行義務の識別) ★無料公開中★

⇒詳しい内容を表示

6 【STEP2】履行義務の識別

(1) 履行義務の識別

(2) 別個の財又はサービス

(3) 複数の約束が区分して識別できない場合

(4) 履行義務の識別(代替的な取扱い等)

① 重要性が乏しい場合

② 契約を履行するための活動

③ 支配獲得後の出荷及び配送活動

(5) 履行義務の識別(従来との相違点等)

① 従来との相違点

② 影響がある取引(例示)

③ 適用上の課題

④ 財務諸表への影響

【第4回】(【STEP3】取引価格の算定)

⇒詳しい内容を表示

7 【STEP3】取引価格の算定

(1-1) 第三者のために回収する額

(1-2) 第三者のために回収する額(従来との相違点等)

① 従来の相違点

② 影響がある取引(例示)

③ 適用上の課題

④ 財務諸表への影響

(2-1) 変動対価

① 変動対価の識別

② 変動対価の見積り

③ 収益の著しい減額が発生しない可能性が非常に高い部分

④ 顧客から受け取った又は受け取る対価がある場合

(2-2) 変動対価(従来との相違点等)

① 従来との相違点

② 影響がある取引(例示)

③ 適用上の課題

④ 財務諸表への影響

(3-1) 契約における重要な金融要素

① 金融要素の識別

② 金利相当分の影響の調整

(3-2) 契約における重要な金融要素(従来との相違点等)

① 従来との相違点

② 影響のある取引(例示)

③ 適用上の課題

④ 財務諸表への影響

(4) 現金以外の対価

① 時価を合理的に見積ることができない場合

② 変動対価

(5-1) 顧客に支払われる対価

① 会計処理

(5-2) 顧客に支払われる対価(従来との相違点等)

① 従来との相違点

② 影響のある取引(例示)

③ 適用上の課題

④ 財務諸表への影響

【第5回】(【STEP4】履行義務への取引価格の配分)

⇒詳しい内容を表示

8 【STEP4】履行義務への取引価格の配分

(1) 独立販売価格に基づく配分

① 直接観察可能かどうか

② 独立販売価格が直接観察可能な場合、

③ 独立販売価格が直接観察可能ではない場合

(2-1) 値引きの特定の履行義務への配分

(2-2) 独立販売価格に基づく配分・値引きの特定の履行義務への配分(従来との相違点等)

① 従来との相違点

② 影響がある取引(例示)

③ 適用上の課題

④ 財務諸表への影響

(3) 変動対価の配分

(4) 取引価格の変動

① 変動対価の事後的な変動

② 事後的な契約変更

【第6回】(【STEP5】履行義務の充足による収益の認識)

⇒詳しい内容を表示

9 【STEP5】履行義務の充足による収益の認識

(1) 一定の期間にわたり充足する履行義務かどうか

① 企業が顧客との契約における義務を履行するにつれて、顧客が便益を享受すること

② 企業が顧客との契約における義務を履行することにより、資産が生じる又は資産の価値が増加し、当該資産が生じる又は当該資産の価値が増加するにつれて、顧客が当該資産を支配すること

③ 義務を履行することにより、別の用途に転用することができない資産が生じ、かつ、義務の履行を完了した部分について対価を収受する強制力のある権利を有していること

(ⅰ) 企業が顧客との契約における義務を履行することにより、別の用途に転用することができない資産が生じること

(ⅱ) 企業が顧客との契約における義務の履行を完了した部分について、対価を収受する強制力のある権利を有していること

(2) 一定の期間にわたり充足する履行義務(進捗度の測定)

① アウトプット法の留意点

② インプット法の留意点

③ 進捗度を合理的に見積ることができない場合

(ⅰ) 原価回収基準

(ⅱ) 契約初期段階の会計処理

④ 進捗度の測定値の見直し

⑤ 代替的な取扱い

(ⅰ) 工事完成基準

(ⅱ) 船舶による運送サービス

(3) 一時点で充足される履行義務

① 資産に対する支配

② 代替的な取扱い

(4-1) 一定の期間にわたり充足される履行義務(従来との相違点等)

① 従来との相違点

② 影響がある取引(例示)

③ 適用上の課題

④ 財務諸表への影響

(4-2) 一時点で充足される履行義務(従来との相違点等)

① 従来との相違点

② 影響がある取引(例示)

③ 適用上の課題

④ 財務諸表への影響

【第7回】(個別論点総論、本人か代理人か、財又はサービスに対する保証)

⇒詳しい内容を表示

10 個別論点総論

11 本人か代理人か

(1) 本人か代理人か

① 本人か代理人かの判定

② 本人か代理人かの判定に当たっての具体的な指標

③ 本人か代理人かの判定のその他の留意点

④ 会計処理

(2) 本人か代理人かの判定における従来の相違点等

① 従来との相違点

② 影響がある取引(例示)

③ 適用上の課題

④ 財務諸表への影響

12 財又はサービスに対する保証

(1) 財又はサービスに対する保証

① 財又はサービスに対する保証に当該財又はサービスが合意された仕様に従っていると
いう保証に加えて、保証サービスが含まれているかどうかの判定

② 合意された仕様に従っているという保証のみである場合の会計処理

③ 保証サービスを含む場合の会計処理

(2) 財又はサービスに対する保証における従来との相違点等

① 従来との相違点

② 影響がある取引(例示)

③ 適用上の課題

④ 財務諸表への影響

【第8回】(返品権付き販売、追加的な財又はサービスに対する顧客のオプション)

⇒詳しい内容を表示

13 返品権付き販売

(1) 返品権付き販売

(2) 返品権付き販売(従来との相違点等)

① 従来との相違点

② 影響がある取引(例示)

③ 適用上の課題

④ 財務諸表への影響

14 追加的な財又はサービスに対する顧客のオプション

(1) 追加的な財又はサービスに対する顧客のオプション

① 独立販売価格

② 収益の認識時期

(2) 追加的な財又はサービスに対する顧客のオプション(従来との相違点等)

① 従来との相違点

② 影響がある取引(例示)

③ 適用上の課題

④ 財務諸表への影響

【第9回】(顧客により行使されない権利(非行使部分)、返金が不要な契約における取引開始日における顧客からの支払、ライセンスの供与)

⇒詳しい内容を表示

15 顧客により行使されない権利(非行使部分)

(1) 顧客により行使されない権利(非行使部分)

① 会計処理

(2) 顧客により行使されない権利(非行使部分)(従来との相違点等)

① 従来との相違点

② 影響がある取引(例示)

③ 適用上の課題

④ 財務諸表への影響

16 返金が不要な契約における取引開始日における顧客からの支払

(1) 返金が不要な契約における取引開始日における顧客からの支払

① 顧客からの支払が約束した財又はサービスの移転を生じさせるものか、又は将来の財又はサービスの移転に対するものかどうかの判断

② 会計処理

(2) 返金が不要な契約における取引開始日における顧客からの支払(従来との相違点等)

① 従来との相違点

② 影響がある取引(例示)

③ 適用上の課題

④ 財務諸表への影響

17 ライセンスの供与

(1) ライセンスの供与

① ライセンスの供与は他の財又はサービスと別個のものであるかの判断

② ライセンスを供与する約束が別個のものでない場合の会計処理

③ ライセンスを供与する約束が別個のものである場合の会計処理(総論)

④ ライセンスを供与する約束の会計処理

(ⅰ) アクセスする権利か使用する権利かの判定

(ⅱ) ライセンスを供与する約束の会計処理

(2) ライセンスの供与(従来との相違点等)

① 従来との相違点

② 影響がある取引(例示)

③ 適用上の課題

④ 財務諸表への影響

【第10回】(買戻契約、有償支給取引、委託販売契約、請求済未出荷契約、工事損失引当金)

⇒詳しい内容を表示

18 買戻契約

(1) 買戻契約

① 先渡取引及びコールオプションの場合

② プット・オプションの場合

(ⅰ) 買戻価格と当初の販売価格の比較

(ⅱ) 買戻価格が当初の販売価格以上の場合

(ⅲ) 買戻価格が当初の販売価格より低い場合

(2) 買戻契約(従来との相違点等)

① 従来との相違点

② 影響がある取引(例示)

③ 適用上の課題

④ 財務諸表への影響

19 有償支給取引

(1) 有償支給取引

① 支給品を買い戻す義務の有無の判断

② 企業が支給品を買い戻す義務を負っていない場合

③ 企業が支給品を買い戻す義務を負っている場合

(2) 有償支給取引(従来との相違点等)

① 従来との相違点

② 影響がある取引(例示)

③ 適用上の課題

④ 財務諸表への影響

20 委託販売契約

(1) 委託販売契約

① 収益の認識時点

(2) 委託販売契約(従来との相違点等)

① 従来との相違点

② 影響がある取引(例示)

③ 適用上の課題

④ 財務諸表への影響

21 請求済未出荷契約

(1) 請求済未出荷契約

① 収益の認識時点

② 残存履行義務

(2) 請求済未出荷契約(従来との相違点等)

① 従来との相違点

② 影響がある取引(例示)

③ 適用上の課題

④ 財務諸表への影響

22 工事損失引当金

(1) 工事損失引当金

(2) 工事損失引当金の表示(適用指針106)

(3) 従来との相違点

【第11回】(表示及び注記、会計基準の今後)

⇒詳しい内容を表示

23 表示及び注記

(1) 表示

① 貸借対照表項目

② 損益計算書項目

(2) 注記

(3) 会社計算規則の改正

① 収益認識に関する注記の改正

② その他の改正

③ 適用時期

(4) 財務諸表等規則の改正

① 収益認識に関する注記の改正

② その他の改正

③ 表示に関する金融庁の考え方

(ⅰ) 貸借対照表項目

(ⅱ) 損益計算書項目

④ 適用時期

24 会計基準の今後

① ASBJの今後の対応

② 業界団体の動向

【第12回】(税務(前半))

⇒詳しい内容を表示

25 税務

(1) 会計と法人税法の相違点

① 貸倒れ及び買戻し

② ポイント引当金

③ 返品調整引当金の廃止

【参考】返品調整引当金の経過措置

(ⅰ) 経過措置の概要

(ⅱ) 収益認識基準等との関係

(ⅲ) 経過措置後

④ 長期割賦販売等に係る延払基準の廃止

【参考】経過措置

(ⅰ) 対象法人

(ⅱ) 平成35年3月31日までに開始する事業年度

(ⅲ) 繰延割賦利益額の処理

【第13回】(税務(後半))

⇒詳しい内容を表示

(2) 消費税法

(3) 会計、法人税、消費税の差異の設例

① 自社ポイントの付与

② 契約における重要な金融要素

③ 割戻を見込む販売(変動対価)

④ 返金権付き販売

⑤ 商品券等

⑥ 消化仕入(本人か代理人か)

【第14回】(まとめ)

⇒詳しい内容を表示

26 まとめ

〇収益認識基準等を検討する際のチェック・リスト

筆者紹介

阿部 光成

(あべ・みつまさ)

公認会計士
中央大学商学部卒業。阿部公認会計士事務所。

現在、豊富な知識・情報力を活かし、コンサルティング業のほか各種実務セミナー講師を務める。
企業会計基準委員会会社法対応専門委員会専門委員、日本公認会計士協会連結範囲専門委員会専門委員長、比較情報検討専門委員会専門委員長を歴任。

主な著書に、『新会計基準の実務』(編著、中央経済社)、『企業会計における時価決定の実務』(共著、清文社)、『新しい事業報告・計算書類―経団連ひな型を参考に―〔全訂第2版〕』(編著、商事法務)がある。

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