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《速報解説》 国税庁、美術品等についての減価償却資産の判定について改正通達を発出~経過措置により過去に取得した20万円以上100万円未満の美術品等の償却が可能に

《速報解説》 国税庁、美術品等についての減価償却資産の判定について改正通達を発出 ~経過措置により過去に取得した20万円以上100万円未満の美術品等の償却が可能に   Profession Journal編集部   既報のとおり、国税庁は、法人税基本通達7-1-1(書画、骨とう等)に定める減価しない美術品等の範囲について、取得価額20万円以上から100万円以上へと引き上げる見直し案をパブリックコメントに付したが、12月25日これを受けて改正通達を発出した。 ●減価償却しない美術品は「取得価額100円以上」で統一 改正された法人税基本通達は、「7-1-1(美術品等についての減価償却資産の判定)」とされ、改正の内容は、下記のとおりパブリックコメント時とほとんど同様となっている。   ●パブコメにより経過措置を見直し しかし、パブコメの内容から大きく修正された箇所が、経過措置となる「経過的取扱い・・・改正通達の適用時期」だ。 ここでは、既に取得している美術品等のうち、これまで減価償却ができなかった取得価額20万円以上100万円未満のものについて、1月1日以降開始する事業年度に償却が可能としていたわけだが、その償却の対応が明らかとなっている。   ●過去取得の取得価額20万円以上~100万円未満の美術品等の償却 対象となる過去取得の取得価額20万円以上~100万円未満の美術品等については、これまで償却が不可であったことから、1月以降もそのまま償却を行わないという選択【選択1】がある。 一方、1月以降に開始する事業年度で償却を行う場合には、原則として、保有する美術品等の取得時期が、償却方法の改正が行われた平成19年4月1日前の取得か、19年4月1日以後の取得かにより、大きく2つの区分に分けられる。 19年4月1日前に取得の場合は、旧定率・旧定額法によって償却を開始することになる【選択2-1】。 また、19年4月1日以後に取得の場合は、新定率法・新定額法によるわけだが、定率法の適用に際しては平成19年4月1日~24年3月31日の取得であれば250%定率法【選択2-2-1】が、24年4月1日~26年12月31日であれば200%定率法【選択2-2-2】がそれぞれ適用となる。 以上が原則的な扱いだが、注目されるのが、特例的な取扱いとして、過去取得の美術品等であっても1月1日以降に取得したとする「みなし取得」の規定をおいている点だ。 つまり、たとえ19年以前の取得であったとしても、取得時期を27年1月1日以後とみなすことで、現行の償却方法を認めるというものだ【選択3】。 この措置によって、中小企業者等については取得価額30万円未満の減価償却資産の即時償却を認める措置法67条の5(中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例)の適用が可能となる。 〈取得価額が20万円以上~100万円未満の美術品等〉 平成27年1月1日以後開始する事業年度で・・・   ●法人の状況に応じて有利判断を 以上のように、これまで償却できなかった取得価額20万円以上~100万円未満の美術品等について償却する場合には、みなし取得も認められるため、法人の状況に応じた償却の判断が求められる。 その留意点は、次のとおり。 この改正については同じ内容を定める所得税基本通達2-14や連結納税基本通達6-1-1も同様に見直されている。 (了)
#100(掲載号)
#Profession Journal 編集部
2014/12/26
お知らせ その他お知らせ

2015年初の公開について~No.101は1月8日(木)公開

  - ご 案 内 - Profession Journalの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》については随時公開します。
#Profession Journal 編集部
2014/12/25
お知らせ 会計 会計情報の速報解説 税務・会計 財務会計 速報解説一覧

《速報解説》 ASBJより「自己株式等会計基準」「退職給付会計基準」「在外子会社の取扱いに関する実務対応報告」等の改正(公開草案)が公表~各改正の適用時期に留意~

《速報解説》 ASBJより「自己株式等会計基準」「退職給付会計基準」「在外子会社の取扱いに関する実務対応報告」等の改正(公開草案)が公表 ~各改正の適用時期に留意~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成26年12月24日、企業会計基準委員会は次の公開草案を公表した。 意見募集期間は、平成27年2月24日までである。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準(案)等 1 主な改正内容 平成26年3月26日付の「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」(平成26年内閣府令第19号)の単体開示の簡素化により、財務諸表等規則107条2項では、財務諸表提出会社が連結財務諸表を作成している場合には、自己株式に関する注記を要しないと規定されている。 当該規定に対応して、以下のように改正する。 なお、アンダーラインは筆者が記載したものである。 2 適用時期等 改正された会計基準等は、公表日以後適用する。   Ⅲ 退職給付に関する会計基準の適用指針(案) 1 主な改正内容 平成24年1月31日付で厚生労働省から発出された、厚生労働省通知「厚生年金基金の財政運営について等の一部改正及び特例的扱いについて」などにおいて、厚生年金基金及び確定給付企業年金に関する財務諸表の表示方法について変更が行われている。 当該変更に対応して、複数事業主制度の会計処理及び開示に関する「確定拠出制度に準じた場合の開示」について改正する(「退職給付に関する会計基準の適用指針(案)」65項)。 2 適用時期等 改正された適用指針は、公表日以後適用する。 当該改正の適用にあたっては、表示方法の変更として取り扱い、「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」(企業会計基準第24号)14項の定めに従って、表示する過去の期間における適用指針(案)65項の注記についても新たな表示方法を適用する。   Ⅳ 連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い(案) 1 主な改正内容 平成26年1月に改正された米国におけるのれんに関する会計基準への対応及び平成25年9月に改正された「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号)への対応として、次の改正を行う。 2 適用時期等 改正された実務対応報告は、平成27年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から適用する。 適用に際しての詳細な規定が設けられているので、注意が必要である。 (了)
#100(掲載号)
#阿部 光成
2014/12/25
お知らせ その他お知らせ

Profession Journal No.100が公開されました!~今週のお薦め記事~

2014年12月25日(木)AM10:30、 Profession Journal(プロフェッションジャーナル)  No.100 が公開されました。   - ご 案 内 - Profession Journalの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》については随時公開します。
#Profession Journal 編集部
2014/12/25
法人税 税務 税務・会計 解説 解説一覧

山本守之の法人税“一刀両断” 【第6回】「寄附金課税を考える」

山本守之の 法人税 “一刀両断” 【第6回】 「寄附金課税を考える」   税理士 山本 守之   1 寄附金はなぜ損金不算入か 寄附金の損金不算入規定が創設されたのは昭和17年2月(太平洋戦争〈昭和16年12月8日〉勃発の直後)でしたから、この規定の趣旨は、寄附金を損金の額に算入すると、企業が負担する税の減少を生じ、寄附金の一部を国が負担したと同じような結果になって課税の公平上好ましくないというものでした。 ただ、現行の法人税法においても損金不算入の規制を行っているのは、財政収入の確保や課税の公平の見地からだけでなく、費用収益対応の所得計算原理が大きく影響していると考えるべきでしょう。 すなわち、寄附金は反対給付がなく、個々の寄附金支出について、これが法人の事業に直接関連があるものであるか否か明確ではなく、かつ、直接関連のあるものとないものを区別することは実務上極めて困難ですから、一種の形式基準によって事業に関連あるものを擬制的に定め(損金算入限度額)、これを超える金額を損金不算入としているのです。 この点について、昭和38年12月6日の大阪地裁では、 としています。   2 税制調査会委員の誤り 税制調査会の討議のなかで、次のように誤った指摘があります。 ①は税制調査会が個人と法人との間の所得計算における「必要経費」と「損金」の違いを理解していないために生じたものでしょう。 個人の「必要経費」は、収入を得るために直接要した費用としているため、それが収入を得るために必要な費用か否かで必要経費性を判断すればよいので、事業関連のない寄附金は必要経費ではないのです。そこで、損金算入限度額のような特別の規定を税法に置く必要はないのですが、法人の場合は一般に公正妥当と認められる会計処理の基準からみて費用であれば原則として損金ですから、一般寄附金のように損金算入について規制を設ける必要があるものについては別段の定めを置いているのです。 ②については、例えば、アメリカの内国歳入法典162条(a)項では、 としています。 したがって、会計とセパレートとなっているアメリカの課税所得計算では、費用が「通常かつ必要でない」と認められれば、もともと損金の額に算入されないので、一般寄附金もその内容に応じて「通常かつ必要なものか否か」で振り分けられるため、一般寄附金の損金算入限度額を設ける必要がないのです。 このような意味からすれば、税調委員の指摘は的はずれといえます。 もともと、寄附金損金不算入という規定では海外にはないものです。例えば、日本では、親会社が子会社を援助すると直ちに寄附金の支出があったものとする税務執行が行われていますが、アメリカでは、親会社が子会社を援助するのは当然と考えており、強いて言えば一種の投資を行ったと考えるのです。 この点については、かつて筆者がアメリカの財務省(Department of Treasury)を訪問した際に財務副長官代理(制度問題担当)=〈当時〉のEric SOLOMON氏に「日本の税務では、親会社が子会社を援助すると寄附金として損金の額に算入されません。」と説明したところ、「それはおかしい。親会社が子会社を援助するのは当然だ。アメリカでは特別の場合は出資となるが、寄附金として損金不算入とすることはしない。」と抗議されました。日本の規定は戦費調達のために設けられたものですから、不合理なのは仕方ありません。   3 寄附金の課税 法人税法第37条第8項では、法人が資産の譲渡又は経済的利益の供与をした場合に、その譲渡又は供与の対価の額がその資産の譲渡時の時価又はその経済的利益の供与時の時価の額に比べて低いときは、その対価の額と時価との差額のうち実質的に贈与又は無償の給与をしたと認められる金額は、寄附金の額に含めることを明らかにしています。 これは、有償契約であっても、売買価額等を低くすることによって実質的に贈与する場合は、売買と贈与の混合した取引ですから、寄附金に含めようとするのです。 ところで、子会社(A社)が他に販売した鋼材を親会社(X社)が時価によって買戻しを行い、これを転売したところ鋼材の相場が下落したため損失が生じたという取引について争われた事件があります。   この事件で原処分庁(国税局)は、 として更正したのです。 これに対して、裁判所では、 として課税処分を取り消しました。 上記の判決文のうち、「自己の損失において専ら他の者に利益を供するという行為だけが寄附金になる」としたのは、寄附金の課税要件を示したものとして評価されます。 寄附金に該当すべき要件(課税要件)を整理してみると、次のようになります。   4 寄附金とならない場合の事例 自動車メーカーでは部品供給について「カンバン方式」(ジャスト・イン・タイム生産)を採用しているところが多いようです。これは後工程から前工程に部品運搬を指示するカンバンを回し、前工程はカンバンをみながら引き取られた分だけ部品を補充するというもので、過大な部品在庫は不要になります。 自動車メーカーが部品在庫を持たないとなると、部品メーカー等が災害で被害を受け、生産を停止すると、その納入を受けている自動車メーカーの生産がストップします。 自動車を構成する部品は3万点になりますが、部品在庫を減らすための「カンバン方式」は日本の自動車メーカーのコスト競争力の原点ともなっているのです。 このため、災害時には「如何に止めないか」より、「如何に再開するか」に力点が置かれるのです。 自動車メーカーと部品メーカーが一種の運命共同体となっているとき、自動車メーカーの部品メーカーに対する支援を単に贈与とみて寄附金課税をしてよいか否かが問題となります。 事例のように部品会社1社(A社)の災害による操業停止が次々と自動車メーカーに連鎖するのは、既に述べたカンバン方式(在庫を極力持たない)とともに、集中購買戦略によるコストの引下げという背景があるのです。 いずれにしても、部品在庫を持たない自動車メーカーは、部品メーカーの災害による生産の停止により部品の供給がストップし、自らの自動車生産の停止に追い込まれたのです。 このため、A社に災害復旧のために応援人員を配置したのです。 これは、部品メーカーの救済を通して、自動車メーカーが自ら被るであろう損失を回避するための費用支出です。寄附金になるはずはありません。 寄附金について、訴訟の場において判決文から捉えると次のようになります。 寄附金は、単に贈与又は経済的利益の供与という現象面からだけ捉えるのではなく、行為の背景を有機的に捉えて判断すべきです。 (了)
#100(掲載号)
#山本 守之
2014/12/25
消費税・地方消費税 税務 税務・会計 解説 解説一覧

5%・8%税率が混在する消費税申告書の作成手順 【第3回】「全額控除方式による具体例」

5%・8%税率が混在する消費税申告書の作成手順 【第3回】 「全額控除方式による具体例」   アースタックス税理士法人 税理士 島添  浩 (監修) 税理士 小嶋 敏夫(執筆)   今回は全額控除方式を採用している事業者の確定申告書及び付表の記載方法を具体例に従って解説する。 設 例 A株式会社の当課税期間(平成26年1月1日~平成26年12月31日)の課税売上高等の状況は以下のとおりである。   【付表2-(2)の作成方法】 《記載見本》 ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。   【付表1の作成方法】 《記載見本》 ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。 《確定申告書の記載見本》 ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。 *  *  * 次回は、個別対応方式の場合の確定申告書及びその付表の作成方法を確認する。 (了)
#100(掲載号)
#小嶋 敏夫
2014/12/25
消費税・地方消費税 税務 税務・会計 解説 解説一覧

「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例21(消費税)】 「非課税売上対応課税仕入が多額にあったため、一括比例配分方式が有利であったにもかかわらず、非課税仕入との思い込みから不利な個別対応方式で申告してしまった事例」

「税理士損害賠償請求」 頻出事例に見る 原因・予防策のポイント 【事例21(消費税)】   税理士 齋藤 和助   《事例の概要》 平成X4年9月期の消費税につき、分譲住宅に係る非課税売上げがあり、これに対応する仕入はすべて非課税仕入との思い込みから、個別対応方式を選択して申告を行ったが、土地の仕入以外の建物の建設費用や土地の造成費用などは非課税売上対応課税仕入であったため、一括比例配分方式の方が有利であった。このため、不利な個別対応方式と有利な一括比例配分方式との差額200万円につき損害が発生し賠償請求を受けたものである。 なお、一括比例配分方式には2年間の継続適用要件があるため、平成X4年9月期に一括比例配分方式を選択した場合には、平成X5年9月期も一括比例配分方式となるが、平成X5年9月期は一括比例配分方式が有利であり、税理士も一括比例配分方式を選択して申告していることから、2年間の継続適用要件による回復額はない。   《賠償請求の経緯》 平成X2年5月10日 関与開始。 平成X4年5月31日 分譲住宅が完成し分譲開始。 平成X4年11月30日 分譲住宅に係る仕入はすべて非課税仕入との思い込みから、平成X4年9月期の消費税を個別対応方式で申告。 平成X5年11月2日 分譲住宅に係る仕入のうち土地以外は非課税売上対応課税仕入であったことから一括比例配分方式が有利であったことに気づく。 平成X5年12月5日 関与先に報告し、賠償請求を受ける。   《基礎知識》 ◆非課税仕入れ 非課税仕入れとは、土地や株券の購入費、支払利息などで、いかなる場合でも仕入税額控除はできない。 ◆非課税売上対応課税仕入 個別対応方式による仕入税額控除に規定する「その他の資産の譲渡等にのみ要するもの」であり、非課税資産の譲渡等を行うためにのみ必要な課税仕入れ等をいう。販売用の土地の造成に係る課税仕入れ、賃貸用住宅の建築に係る課税仕入れ等がこれに該当する。 この非課税売上対応課税仕入は個別対応方式を選択した場合には一切控除できないが、一括比例配分方式を選択した場合には課税売上割合分だけは控除することができる。 【個別対応方式】 【一括比例配分方式】   《税理士の落とし穴》   《税理士の責任》 依頼者は不動産業を営んでおり、損害期である平成X4年9月期に、自ら土地を購入してその上に住宅を建設して販売する分譲住宅の完成引渡しを受け、販売を開始していた。税理士は、この分譲住宅の仕入はすべて非課税仕入と思い込み、課税売上割合が30%であったことから、個別対応方式で消費税を計算して申告した。 しかし、実際には、非課税仕入は土地だけであり、建物の建設費用や土地の造成費用などは非課税売上対応課税仕入であったため、一括比例配分方式を選択すれば、これら非課税売上対応課税仕入は課税売上割合の30%部分の控除は可能であり有利であった。税理士は申告後にこの事実に自ら気づいている。 分譲住宅の仕入れのうち、建物の建設費用や土地の造成費用などは非課税売上対応課税仕入であることを正しく認識していれば、一括比例配分方式は採れたことから、税理士に責任がある。   《予防策》 [ポイント①] 非課税売上げが発生する業種には注意する 不動産業や不動産賃貸業、医療法人などの非課税売上げがあり、課税売上割合が恒常的に低い業種については、非課税売上対応課税仕入が多額に発生する事業年度には、一括比例配分方式が有利になる可能性があることを念頭に、事前にシミュレーションを行い、有利判定を行うように心がけたい。 [ポイント②] 意思決定の証拠を書面に残す 上記検討の結果、最終的にどちらを選択するかの意思決定は依頼者に求め、その判断を「意思決定通知書」などを作成して依頼者に提出してもらう等、証拠として書面に残すことが重要である。 (了)
#100(掲載号)
#齋藤 和助
2014/12/25
国際課税 税務 税務・会計 解説 解説一覧

法人税に係る帰属主義及びAOAの導入と実務への影響 【第4回】「改正の内容③」

法人税に係る帰属主義及び AOAの導入と実務への影響 【第4回】 「改正の内容③」   税理士法人トーマツ パートナー 税理士 小林 正彦   3-1-5-4  PE帰属資本に対応する負債利子の損金不算入 (1) 概要 AOAでは機能リスク分析の結果、PEが分離独立した企業であるとした場合に負担すべきリスクに見合う資本がPEに帰せられるべきとの考え方をとる。PEの有利子負債の額とPE帰属資本相当額(=自己資本+資本配賦額)を比較し、前者が後者を超える部分に相当する支払利子は損金不算入とされる(法法142の4①)。 (※) 上記及び下記①~⑨の算式・図表については「平成26年度税制改正の解説」(財務省)699~711頁より引用。   (2) PE帰属資本相当額 PE帰属資本相当額とは、外国法人の資本に相当する額のうちPEに帰せられるべき金額をいい、独立企業原則との整合性及び執行可能性といった観点から、「資本配賦法」と「同業法人比準法」のいずれかにより計算する(法令188②~⑥)。 イ 資本配賦法 外国法人の資本の額に、PE帰属資産の額の外国法人の総資産の額の割合を乗じて計算した金額による方法であり、外国法人の区分に応じて算定方法が選択できる。 ロ 同業法人比準法 外国法人のPE帰属資産の額に国内で同種の事業を行う法人(比較対象法人)の自己資本比率を乗じてPE帰属所得を計算する方法であり、外国法人の区分に応じて算定方法が選択できる。 (表) 外国法人のPE帰属資本配賦方法 【イ 資本配賦法】 【ロ 同業法人比準法】 (3) 危険勘案資産額の計算日の特例 各事業年度の確定申告書の提出期限までに危険勘案資産額を計算することが困難な常況にあると認められる場合には、上記の9つの算定方法のうち、簡易な方法を用いることが認められている方法以外の方法については、事業年度終了日前6月以内の一定の日における発生し得る危険を勘案して計算した金額を用いることができる(法令188⑦)。 (4) PE帰属資本相当額の計算方法の選定・変更 資本配賦法か同業法人比準法の選択は任意であるが、いったん選択した方法は特段の事情がない限り、継続適用する必要がある(法令188⑨)。簡便法から原則法への変更は自由にできる。 (5) 受取配当等の益金不算入制度に係る負債利子控除との調整 本制度により損金不算入とされる負債利子は、受取配当益金不算入制度における負債の利子からは控除される(法令188⑭)。 (了)
#100(掲載号)
#小林 正彦
2014/12/25
法人税 税務 税務・会計 解説 解説一覧

貸倒損失における税務上の取扱い 【第33回】「法人税基本通達改正の歴史②」

貸倒損失における税務上の取扱い 【第33回】 「法人税基本通達改正の歴史②」   公認会計士 佐藤 信祐   前回、解説したように、昭和25年度にシャウプ勧告に基づいて貸倒準備金制度が導入されるとともに、法人税基本通達において、貸倒損失の明確化が図られた。 しかし、それだけで問題は解決されたわけではなく、「売掛債権の償却の特例等について(昭和29年7月24日直法1-140)」と題する通達が公表され、現在の個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の原型ともいえる「債権償却引当金」が導入されるに至った。 以下では、本通達の具体的な内容と、昭和25年度税制改正から昭和29年度の上記通達導入までにおける貸倒損失の考え方について解説を行うこととする。   2 昭和29年個別通達の導入 まず、昭和29年3月6日に「会社更生法の適用を受けた会社に対して債権を有する者の課税上の特例について(昭和29年3月6日直法1-33、直所1-10)」が公表された。 その後、同年7月24日に「売掛債権の償却の特例等について(昭和29年7月24日直法1-140、直所1-77)」が公表された。なお、同年3月6日に公表された「会社更生法の適用を受けた会社に対して債権を有する者の課税上の特例について」は本通達の公表により廃止されることになった。このうち、「売掛債権の償却の特例等について」については、後述する昭和30年改正通達とともに、本稿の末尾に記載しているため、興味のある読者は一読されたい。 このような通達が公表された経緯については、 とのことである。 「売掛債権の償却の特例等について」は、1年を超える期末売掛債権の取扱いと、債権の貸倒れの特例の2つに大きく分かれている。 前者については1年以上こげつきとなっている売掛債権のうち利益部分について未収差益勘定として損金の額に算入することを認めるものであり、現在の法令通達には見られない規定である。当該未収差益勘定の取扱いについては、昭和39年度に本通達の内容が法人税基本通達に繰り入れられる際に廃止されることになる。 これに対し、後者については、同通達第1の二の2において、債権償却引当金勘定として処理することが明らかにされているが、その後、昭和39年度の法人税基本通達の改正により債権償却特別勘定に衣替えされた後に、平成10年度の税制改正により個別評価金銭債権に対する貸倒引当金として取り扱われることになる。 本通達の趣旨について、昭和35年当時、国税庁調査査察部調査課長であった松井静郎氏は ことから、一定の事由が生じた場合には、「直ちにその者に対する債権の2分の1を貸倒として損金に算入する特例」を認めることとしたためであると説明されている(『法人税の実務』600頁)。 なお、実際の通達を見てみると、貸倒れとなる金額が明らかに2分の1を超えることと認められるときは、所轄国税局長の承認を得て、当該超える金額についても、損金の額に算入することが認められており、その手続きについては、昭和29年12月7日付で「売掛債権の償却の特例等に関する通達の実施に伴う承認事務の取扱について」と題する通達が公表されている。 また、同通達第1の二の1において2分の1を計上することができる一定の事由が定められているが、その内容として、会社更生法、和議法(現在の民事再生法)、会社整理、特別清算、破産等が掲げられており、現在の個別評価金銭債権に対する貸倒引当金のうち、2分の1について貸倒引当金を計上することを認める規定(法令96①三)の原型ともいえるものが掲げられている。 さらに、同通達第1の二の4においては、弁済までの据置期間が5年を超えるものについて、損金の額に算入することを認めており、現在の個別評価金銭債権に対する貸倒引当金のうち、弁済までの据置期間が5年を超えるものについて貸倒引当金を計上することを認める規定(法令96①一)の原型ともいえるものが掲げられている。 しかしながら、現在の法人税法施行令96条1項2号に掲げる「債務超過の状態が相当期間継続し、かつ、その営む事業に好転の見通しがないこと、災害、経済事情の急変等により多大な損害が生じたことその他の事由により、当該金銭債権の一部の金額につきその取立て等の見込みがないと認められること」に相当するものは見当たらず、この点については本連載において解説する予定であるが、昭和42年度の法人税基本通達の改正により導入されることとなる。 このように、現在の個別評価金銭債権に対する貸倒引当金の原型ともいえる通達が公表されたが、昭和30年度に改正がなされた。債権償却引当金勘定についてのみ解説を行うと、昭和30年度の主な改正内容としては、以下のものが挙げられる。 債権償却引当金は未収差益勘定と異なり、利益部分についてのみ損金処理を行うものでないことから、売掛債権に限られるものではないが、その債権の種類の明確化を図り、「債権(売掛金、貸付金、前貸金等貸倒準備金勘定の設定の対象となる債権をいい、債権及び抵当権によつて担当されている部分を除く。)」が債権償却引当金勘定の対象となることが明らかにされた。 債権から担保物の価額を控除した金額が債権償却引当金勘定の対象となるが、担保物の価額は債権償却引当金を設定しようとするときの価額であることが明らかにされるとともに、当該担保が2番抵当であるときは、貸倒れの処理をしようとするときにおける当該担保物の価額から1番抵当によって担保されている債権の価額を控除した金額を当該担保物の価額とすることが明らかにされた。 債権金額について債権償却引当金勘定に繰り入れた金額があるときは、当該弁済は、まず債権償却引当金勘定に繰り入れた部分の債権金額以外の部分の債権金額から受けたものとみなして取り扱うことが明らかにされた。 このように導入された債権償却引当金勘定については、昭和39年度において、法人税基本通達に繰り入れられ、債権償却特別勘定と名前を変えることになる。 債権償却引当金勘定の特徴としては、法令の根拠なく導入されたものであり、通達により緩和措置を図ったということにある。当然のことながら、租税法律主義の観点からは問題となるため、平成10年度税制改正により個別評価金銭債権に対する貸倒引当金として法令に取り込まることになるが、当時の文献においても、「部分貸倒れを実質的に認めた」ように書かれているものもあり、平成10年度税制改正後においても、金子宏教授他多くの学者によって、現行法上の解釈としても、部分貸倒れが認められるべきであるとする主張がなされるに至っている。 次回においては昭和39年度の法人税基本通達による債権償却特別勘定の導入について解説を行う予定である。 (了)
#100(掲載号)
#佐藤 信祐
2014/12/25
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経理担当者のためのベーシック税務Q&A 【第22回】「雇用関連税制と税額控除」

経理担当者のための ベーシック税務Q&A 【第22回】 「雇用関連税制と税額控除」   仰星税理士法人 公認会計士・税理士 草薙 信久     1 制度の概要 新たに従業員を雇用したり、従業員への給与を増額した場合には、経済産業省が所管する所得拡大促進税制や厚生労働省が所管する雇用促進税制が適用となり、税額控除を受けることができます。こられの制度の概要は、次に掲げる表に示すとおりであり、適用要件にいくつかの相違点があります。 (※1) 基準雇用者割合:当期の雇用者増加数÷前期末の雇用者総数をいいます。 (※2) 給与等支給額:当期の所得の計算上、損金の額に算入される給与等で、雇用者に対して支給するものをいいます。 (※3) 基準事業年度:平成25年4月1日以後に開始する事業年のうち最も古い事業年度開始の日の前日を含む事業年度をいいます。 (※4) 給与等支給額の増加割合:適用1~2年目は2%以上、3年目は3%以上、4~5年目は5%以上となります。 (※5) 比較給与等支給額:前期の給与等支給額+(前期の給与等支給額×基準雇用者割合×30%) (※6) 平均給与等支給額:年間の給与等支給額÷(月別給与等支給対象者数×月数) (※7) 平成23年4月1日から平成25年3月31日までの間に開始する事業年度は20万円となります。 所得拡大促進税制は、給与等支給額が増加していることが要件となりますが、新規雇用は必要ありません。また、事前の届出や事後の確認が不要なため、事業年度末に適用の可否を検討することができ、使い勝手が良い制度といえます。 一方、雇用促進税制は、給与等支給額が増加していることは要件となっていませんが、新規雇用が必要です。従業員を新たに採用する可能性がある場合には、適用年度開始後2ヶ月以内にハローワークに雇用促進計画書を提出しておくことをお勧めします。 なお、これらの制度は、どちらか一方との選択適用となります。雇用促進税制について事前の届出を行った場合でも所得拡大促進税制を選択することはできますので、事業年度の終了時に、どちらの税制を適用した方が有利かを比較検討することができるように準備しておきましょう。   2 所得拡大促進税制の適用に際しての留意点 (1) 給与等支給額の増加割合 平成26年度税制改正により、当初の基準事業年度と比較した給与等支給額の増加割合5%以上の要件が緩和され、給与等支給額の増加割合は、適用1~2年目は2%以上、適用3年目は3%以上、適用4~5年目は5%以上となりました。 3月末決算法人の場合、次に掲げる表に示すとおりです。なお、3月末決算法人の適用1年目については、平成26年度税制改正に伴う経過措置の特例があります。 (※) 経過措置:平成26年3月期に平成26年度税制改正前の旧規定の適用を受けておらず、平成26年度税制改正後の新規定の要件をすべて満たすときは、平成26年3月期を新規定の適用年度とみなした場合の税額控除相当額については、平成27年3月期の税額控除限度額に上乗せされます。 (2) 継続雇用者 平均給与等支給額の計算については、前期より増加しているかどうかを比較する際に、当期及び前期の2年間にわたって在籍している継続雇用者に対する給与等支給額とその人数で計算するように緩和されています。したがって、前期に在籍していない新規採用者は、当期の平均給与等支給額の計算から除かれます。同様に、当期に在籍していない前期の退職者は、前期の平均給与等支給額の計算から除かれます。 なお、平均給与等支給額の計算に限っては、雇用保険の一般被保険者に該当する者に対して支給したものとなります。一方、当期の給与等支給額が、基準年度と比較して一定割合以上増加しているかどうか及び前期の給与等支給額以上であるかどうかの判定に際しては、雇用保険の一般保険者に該当しない者も含めますので、留意が必要です。   3 雇用促進税制の適用に際しての留意点 (1) 雇用促進計画 適用年度の開始後2ヶ月以内に、雇用促進計画を作成し、本社・本店を管轄するハローワークに提出します。その後、適用年度終了後2ヶ月以内に、本社・本店を管轄するハローワークで雇用促進計画の達成状況の確認を求めます。達成状況の確認を受けた雇用促進計画の写しを確定申告書等に添付して、税務署に申告します。 なお、ハローワークでは、提出された書類を預かり雇用促進計画の達成状況を確認しますが、4~5月は確認に1ヶ月程度要しますので、確定申告期限に間に合うように送付することが必要です。 (2) 会社都合による離職者 雇用促進税制の適用要件の一つに、当期と前期に、会社都合による離職者がいないことがあります。会社都合による離職者とは、人員整理、事業の休廃止等による解雇や会社の退職勧奨等による任意退職が含まれます。   4 まとめ 所得拡大促進税制は、労働分配率の増加を税制面で支援する制度であるのに対して、雇用促進税制は法人の雇用拡大を税制面で支援する制度です。したがって、新規事業の立ち上げや業容拡大等、雇用者の人数が増加する場合には、雇用促進税制の方が有利となる可能性が高まります。 いずれの税制が適用できるかどうか、法人の採用を含む人件費計画を検討の上、雇用促進税制を適用することができそうな場合には、適用年度開始後2ヶ月以内に本社・本店を管轄するハローワークへ雇用促進計画を提出することを忘れないようにすることが肝要です。 (了)
#100(掲載号)
#草薙 信久
2014/12/25

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