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〔まとめて確認〕会計情報の月次速報解説 【2022年6月】

〔まとめて確認〕 会計情報の月次速報解説 【2022年6月】   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 2022年6月1日から6月30日までに公開した速報解説のポイントについて、改めて紹介する。 具体的な内容は、該当する速報解説をお読みいただきたい。   Ⅱ 有価証券報告書の開示関係 金融審議会のディスクロージャーワーキング・グループから、「金融審議会 ディスクロージャーワーキング・グループ報告-中長期的な企業価値向上につながる資本市場の構築に向けて-」が公表されている。 サステナビリティに関する企業の取組みの開示、コーポレートガバナンスに関する開示、四半期開示などについて記載されている。   Ⅲ 新会計基準関係 企業会計基準委員会から次のものが公表されている。 ① 「企業会計基準等の開発において開示を定める際の当委員会の方針 (開示目的を定めるアプローチ)」(内容:原則として、開示目的を定めた上で、当該開示目的に照らして開示する具体的な項目及びその記載内容を決定する旨を定める方針を採用する) 日本公認会計士協会から次のものが公表されている。 ② 「会計制度委員会研究資料第7号「ソフトウェア制作費等に係る会計処理及び開示に関する研究資料 ~DX環境下におけるソフトウェア関連取引への対応~」」(内容:DX環境下におけるソフトウェア関連取引に係る会計処理等の課題を抽出し検討したもの。ソフトウェアに関連する会計処理などを詳細に検討)   Ⅳ 監査法人等の監査関係 監査法人及び公認会計士の実施する監査などに関連して、次のものが公表されている。 ① 「監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」の改正について」(内容:監査基準委員会報告書315「重要な虚偽表示リスクの識別と評価」及び同540「会計上の見積りの監査」の改正等に対応するもの) ②「「2021年度 品質管理レビューの概要」等の公表について」(内容:日本公認会計士協会の品質管理レビューによる指摘事項について記載) (了)

#No. 477(掲載号)
#阿部 光成
2022/07/14

ハラスメント発覚から紛争解決までの企業対応 【第28回】「ハラスメント社内研修のすすめ」

ハラスメント発覚から紛争解決までの 企 業 対 応 【第28回】 「ハラスメント社内研修のすすめ」   弁護士 柳田 忍   【Question】 当社においては毎年ハラスメント研修を実施していますが、この度、内容や方法を見直すことになりました。そこで、検討を進めているのですが、研修内容だけでなく、実施時間、講師、オンラインかオフラインかなどの実施方法についても様々な選択肢があり、社内でも意見が割れています。ハラスメントの社内研修のベストな実施方法を教えてください。 【Answer】 ハラスメントの社内研修の実施方法にはそれぞれメリットがあり、一概にどれがベストであるとは言えません。ハラスメントの社内研修は少なくとも年1回は実施すべきだと考えますが、それぞれのメリットを活かすために、必ずしも1つの方法にこだわらず、毎度異なる方法を採用してみてもよいのではないかと思います。 ● ● ● 解 説 ● ● ●   1 ハラスメント社内研修の重要性 パワハラ、セクハラ及びマタハラについては、関係法令や指針において、使用者に対して研修の実施等が求められ(労働施策総合推進法第30条の3第2項、男女雇用機会均等法第11条の2第2項、同法第11条の4第2項等)、また、ハラスメント関連の裁判例においても、社内研修を実施していたこと等を理由に使用者が責任を免れた例は少なくない。 このように、ハラスメント社内研修の重要性は言うまでもないところであり、各社においてもハラスメント社内研修を実施していると思われるが、その内容や方法について悩んでいる企業も多いのではないだろうか。そこで、本稿においては筆者の企業やスポーツ関連の組織等でのセミナーの経験を踏まえて、ハラスメント社内研修の各実施方法のメリット・デメリットや研修内容についてのポイントを解説する。   2 ハラスメント研修の方法 (1) 時間・頻度について ハラスメント研修の時間については、それぞれの組織におけるニーズにより異なるものではあるが、パワハラ・セクハラを内容とする場合は少なくとも45分間、マタハラも加える場合は少なくとも80分間ほどの時間を確保することが望ましい。 筆者は、最短20分間(パワハラ・セクハラ)、最長約5時間(休憩含む)(パワハラ・セクハラ・マタハラ・SOGIハラ等)のハラスメント研修を実施したことがあるが、さすがに20分間で実施した際には駆け足にならざるを得なかった。短時間でもポイントを押さえた研修を実施することはできるが、可能であれば、ある程度時間の余裕はあった方がよい。他方、長時間実施する場合には、受講者側が消化不良に陥るおそれがあるので、日を分けて実施するなどの工夫をした方がよい。 頻度については、少なくとも年1回程度は実施すべきである。ある程度定期的に実施することにより、受講者のハラスメントの知識を維持することができるし、ハラスメントの概念は時代や社会情勢によって変化し得るものであるから、受講者のハラスメントの知識を定期的にアップデートする必要があるためである。 (2) 講師について ① 社内の方・社外の方のいずれがよいか 講師は社内の方・弁護士等の社外の方のいずれでもよい。それぞれのメリットとしては、社外の方(例えば弁護士)が講師になる場合、法令や裁判例に関する正確な知識や実務経験に基づいた研修の実施を期待することができるといった点がある。一方、社内の方が講師になる場合、社内の実情を踏まえた内容の研修を実施することが可能である。よって、それぞれの場面やニーズに応じて使い分けるのがよい。 なお、筆者は、「私(内部の方)が研修の講師をすると、『お前、専門家じゃないだろう』『専門家ではないお前に何がわかるんだ』などと言われて真面目に話を聞いてもらえない」という理由で、ハラスメント研修の講師を依頼されたことがある。このように、より緊張感を持って話を聞いてもらいたいといった場合に、弁護士等の社外の方に講師を依頼することも考えられる。 ② 男性・女性のいずれがよいか こちらも、基本的にはどちらでもよいが、筆者は、特にセクハラやマタハラについて、「女性に話をしてほしい」「女性から話を聞きたい」との理由で講師の依頼を受けることが多い。セクハラの裁判例の中にはショッキングな内容のものも少なくないことから、男性がそのような裁判例に言及することについて不快感を覚える受講者がいる可能性があり、女性を講師にすることによりこれを回避することができる。 また、セクハラやマタハラといった類いの問題については、程度の差こそあれ被害者としての経験を有している女性が少なくないであろうことから、女性が講師を務める場合、経験に基づいたより深い話をすることができる可能性がある。 (3) オンライン研修について コロナ禍において、多くの研修がオンラインで実施されるようになったが、コロナ禍における行動制限が緩和するに伴って、オフラインでの研修の実施を検討している方もいるであろう。よく言われることではあるが、オンラインの研修の難点は、受講者の集中力を維持することが困難になりやすいことである。 しかし、他方で、オンラインの研修は、開催者側にとっては一度に大人数に対して実施しやすいというメリットが、受講者側にとっては移動の時間や手間が省けるうえ仕事の合間に参加しやすいといったメリットがある。 ハラスメントの研修において最も重要なことの1つは、受講者のハラスメントに対する知識を維持し、かつ、アップデートすることであるから、開催や受講が比較的容易であるオンライン研修の有効性は高い。よって、オンラインとオフライン、両方をバランス良く実施することが望ましい。 (4) グループディスカッションの活用について 筆者がハラスメントの研修で最も有用であると感じているのが、グループディスカッションの活用である。ハラスメントに該当するか否かは平均的な労働者の感じ方が基準となるが(※)、自分の感じ方が平均的な労働者の感じ方であるかどうか、確信がある人は少ないであろう。 (※) 「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(パワハラ指針・令和2年1月15日厚生労働省告示第5号)及び「改正雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の施行について」(平成18年10月11日雇児発第1011002号) そして、自分の感じ方が平均的な労働者の感じ方であると確信がある人に限って、平均的な労働者の感じ方からかけ離れた感覚を持っていることが少なくない。グループディスカッションは、他の参加者の見解に触れることにより平均的な労働者の感じ方をつかむ手段として有用である。 また、コロナ禍を契機に在宅勤務が増えた社員間のコミュニケーションの場としても意義がある。 (5) 受講者について ハラスメントの研修は、管理職等の加害者になる可能性が高い受講者とそれ以外の被害者になる可能性が高い受講者とに分けて実施することが望ましい。それぞれにおいて注意すべきポイントなどが異なるし、質疑応答の場面で、後者の受講者は、前者の受講者(上司等)の前でざっくばらんな質問などはしづらいと考えられるからである。 もっとも、マンパワー等の観点から、受講者のカテゴリーを分けたうえで研修を実施することが困難なケースもあることから、必ずしもそうしなければならないということはない。   3 ハラスメント研修の内容 ハラスメントには様々な種類のものがある。社内研修においてどこまで触れるかだが、パワハラとセクハラについてはどの組織においても必ずと言っていいほど問題になるものであるから、これらは内容に含めるべきであろう。その次に取り上げるべきはマタハラである。これも組織において問題になることが多いためである。その他のハラスメント(SOGIハラ等)については、各組織の実情に応じて触れるべきかどうか検討するのがよい。 研修において触れるべき具体的な内容としては、まずは各種ハラスメントの定義や裁判例等の実例である。更に、筆者が研修を実施する際には、ハラスメントの加害者になることにより生じる被害・損害、ハラスメントの加害者にならないためのポイント、被害者にならないための対処法等も盛り込んでいる。 多くの人が誤解している点(例えば、「相手が嫌だと思ったらハラスメントになる」)について解説を行うことも多い。受講者の誤解を解消してハラスメントに対する理解を深めてもらう効果があるうえに、受講者の興味を引き、研修に集中してもらうことができるためである。 また、「上司が、部下からハラスメントだと言われることを恐れてきちんとした指導ができない」といった問題についての対処法の説明を求められることも多く、これを盛り込むことも考えられるだろう。 (了)

#No. 477(掲載号)
#柳田 忍
2022/07/14

《速報解説》 国税庁、所得税基本通達を一部改正~控除対象扶養親族が国外居住親族である場合の「生活費等の支払38万円以上」の判定詳細示す

 《速報解説》 国税庁、所得税基本通達を一部改正 ~控除対象扶養親族が国外居住親族である場合の「生活費等の支払38万円以上」の判定詳細示す~   公認会計士・税理士 篠藤 敦子   令和2年度の税制改正では、国外居住親族に係る扶養控除が見直されており、令和5年分以後の所得税に適用される。 見直しの詳細は、拙稿「《速報解説》 国外居住親族に係る扶養控除の見直し~令和2年度税制改正大綱~」をご参照いただきたい。 見直しにより、令和5年1月1日以後、年齢30歳以上70歳未満の非居住者を控除対象扶養親族とするには、その者が次のいずれかに該当していることが要件となる(所法2①三十四の二ロ)。 国税庁は、7月4日付で「「所得税基本通達の制定について」の一部改正について(法令解釈通達)」等を公表し、上記(3)の「支払を38万円以上受けている」かどうかの判定について、具体的な内容が示された。 所得税基本通達の内容から、判定方法をまとめると以下のとおりである(所基通2-50)。 なお、円換算については、年間合計額について、その年最後の支払日のTTM又は最後の支払時に実際に適用された為替レートにより一括して換算することもできる(所基通2-50(注)1)。 また、換算に用いるTTMは、原則として、その支払に係る金融機関のものによるが、継続的に使用している場合には主たる取引金融機関のレートなど合理的なものも認められる(所基通2-50(注)2)。 ちなみに、今回の通達改正では上記のほか、令和4年度税制改正に係る事項として、簿外経費や住宅ローン控除に関する事項についても取扱い等を示している。 (了)

#No. 476(掲載号)
#篠藤 敦子
2022/07/12

《速報解説》 ふるさと納税に係る総務省告示が改正される~返礼品の代わりに現金を付与する仕組みへの対応~

《速報解説》 ふるさと納税に係る総務省告示が改正される ~返礼品の代わりに現金を付与する仕組みへの対応~   公認会計士・税理士 篠藤 敦子   6月23日付で、ふるさと納税に関する総務省告示が改正された。同時に各都道府県及び市町村のふるさと納税担当部長宛に、告示の改正を受け内容が更新された「ふるさと納税に係る指定制度の運用について」が公表された。 当該対応は、ふるさと納税をした人に返礼品の代わりに現金を付与する仕組みを提供する「キャシュふる」(6月8日にサービスを開始し、2日後の10日にサービスを停止)を念頭においたものとみられる。 キャシュふるは、ふるさと納税をした人(寄附者)が、返礼品の代わりに現金を受け取ることができるサービスで、返礼品が不要な寄附者と返礼品が欲しい人をマッチングするプラットフォームを提供する。 具体的には、キャシュふるが寄附者から預かった資金でふるさと納税を代行し、返礼品が欲しい人へ返礼品受領権を販売する。返礼品受領権の販売代金からキャシュふるの手数料が差し引かれ、最終的に寄附額の20%が寄附者へ支払われる仕組みである。 この仕組みに対し、総務省はふるさと納税の本来の趣旨に合っていないものとして、関連する告示の改正等を行った。 ふるさと納税に関しては、平成31年6月1日以降、指定制度が導入されており、総務大臣が、以下の基準に適合した地方団体を寄附金税額控除の特例控除の対象として指定することとされている。 今回の告示の改正により、寄附者から返礼品等の譲渡を受けその対価として金銭の支払をする業者を通じた募集は上記①に該当しないことが明記された。 なお、総務省から公表されている「ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&A」も更新されており、地方団体が上述のような業者へ直接委託する場合だけでなく、業者が地方団体名を掲げて寄附金の募集をすることを地方団体が承諾する場合や、返礼品等の対価として現金ではなくポイントその他の金銭に類するものを提供する場合も含まれる(基準に適合しない)ことが示された。 (了)

#No. 476(掲載号)
#篠藤 敦子
2022/07/12

《速報解説》 令和4年度税制改正に対応し、インボイス通達を国税庁が一部改正~届出書の追加、登録申請に関する経過措置、公益法人の特定収入等の規程を整備~

《速報解説》 令和4年度税制改正に対応し、インボイス通達を国税庁が一部改正 ~届出書の追加、登録申請に関する経過措置、公益法人の特定収入等の規程を整備~   税理士 石川 幸恵   「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関する取扱通達」はいわゆるインボイス通達であるが、令和4年6月30日、国税庁より一部改正が公表された。 以下では、改正の背景と概要について解説する。   1 今般の改正の背景 令和4年度税制改正における「特定収入がある場合の仕入税額控除の調整規定の整備」に伴うものとして4-11から4-14まで新設、「免税事業者の登録に関する経過措置の見直し(28年改正法附則44④)」に伴うものとして5-1が改正された。さらに、令和2年度税制改正における「消費税の申告期限の延長(消法45の2②)」に伴うものとして2-8が改正された。   2 改正の概要 ここからは通達の順に従って概説する。 (1) 2-8(事業の廃止による登録の失効) 適格請求書発行事業者が事業を廃止した場合、適格請求書発行事業者の登録は効力を失う(新消法57の2⑩二)。 「事業を廃止した場合」とは、「事業廃止届出書」の提出があった場合ほか各種の届出書に「事業を廃止した場合の廃止した日」の記載があった場合を含んでいるが、これらの届出書に「消費税申告期限延長不適用届出書」が追加された。 (2) 4-11(控除対象外仕入れに係る支払対価の額の意義)、4-12(取戻し対象特定収入の判定単位)、4-13(借入金等の返済又は償還のための補助金等の取扱い)、4-14(令第75条第1項第6号ロに規定する文書により控除対象外仕入れに係る支払対価の額の合計額を明らかにしている場合の適用関係) 国又は地方公共団体の特別会計、公共、公益法人等の仕入控除税額については、補助金等の対価性のない収入(特定収入)により賄われる課税仕入れ等に係る税額につき、仕入税額控除の対象から除外する調整計算の規定がある(消法60④、消令75)。 適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れは、本来、仕入税額控除額がないにもかかわらず、現在の調整計算では仕入税額控除の対象から除外する額に含まれてしまうため、結果として、除外が過大となってしまう。 令和4年度税制改正では、事業者が、課税仕入れ等に係る特定収入により適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れを一定程度行い、その特定収入により調整計算の規定の適用を受けた場合において、その適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れの額を国等への報告文書等により明らかにしているときは、一定の方法により計算した金額をその明らかにした課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額に加算できることとされた。 (※) 「国・地方公共団体や公共・公益法人等と消費税(令和4年6月版)」の62頁より図表抜粋。 調整計算の具体的な方法は消費税法施行令第75条にあるため、令和4年度税制改正を受けて第75条が改正、追加されている。本改正通達において新設された4-11~4-14の内容はこの消費税法施行令の改正に対応するものである。 (3) 5-1(免税事業者に係る適格請求書発行事業者の登録申請に関する経過措置) 免税事業者に係る適格請求書発行事業者の登録申請に関する経過措置期間の延長に伴う改正であるが、内容自体は28年改正法附則44条4項及び5項の確認となっている。 なお、同法附則44条4項及び5項の改正については、下記拙稿も参照されたい。   (了) ↓お勧め連載記事↓

#No. 476(掲載号)
#石川 幸恵
2022/07/11

《速報解説》 国税庁、令和4年度改正に係る「法人税基本通達等の一部改正について」等を公表~通算制度への移行に対応し、グループ通算通達は法人税基本通達等へ移管~

 《速報解説》 国税庁、令和4年度改正に係る「法人税基本通達等の一部改正について」等を公表 ~通算制度への移行に対応し、グループ通算通達は法人税基本通達等へ移管~   公認会計士・税理士 税理士法人トラスト 足立 好幸   令和4年6月29日に国税庁から令和4年度税制改正に係る「法人税基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)」が公表された。また、グループ通算制度への移行に対応するため「「法人の青色申告の承認の取消しについて」の一部改正について(事務運営指針)」等も公表された。   Ⅰ 法人税基本通達等の一部改正について(法令解釈通達) 1 グループ通算制度の見直し (1) グループ通算制度に関する取扱通達(グループ通算通達)の基本通達等への移管 グループ通算制度の施行に伴い「グループ通算制度に関する取扱通達の制定について」(法令解釈通達、以下「グループ通算通達」という)に定める各通達を、法人税基本通達、租税特別措置法関係通達(法人税編)等に移管し、グループ通算通達が廃止されている。 (2) グループ通算制度の投資簿価修正の加算措置 〇 資産調整勘定対応金額等の計算が困難な場合の取扱い(法通2-3-21の4[新設]) その取得後におけるその対象株式の保有割合が低い又はその取得の時期が古いなどの理由により、その取得の時における資産調整勘定対応金額等の計算が困難であると認められる場合において、その取得の時において計算される資産調整勘定対応金額等を0とし、その後に追加取得した対象株式について各追加取得の時における資産調整勘定対応金額等を計算し、その計算の基礎となる事項を記載した書類を保存しているときは、課税上弊害がない限り、加算措置の適用を受けることができることを明らかにしている。 この場合、負債調整勘定対応金額が計算されることが見込まれる場合は、課税上弊害があるため、この取扱いの適用がないことも明らかにしている。 〇 資産調整勘定対応金額等の計算における負債調整勘定の金額の取扱い(法通2-3-21の6[新設]) 資産調整勘定対応金額等の金額の計算上、時価純資産価額の計算の基礎となる負債の額には、退職給与債務引受額及び短期重要債務見込額の金額を含まないことを明らかにしている。 〇 資産調整勘定対応金額等の計算の基礎となる資産及び負債(法通2-3-21の7[新設]) 時価純資産価額の金額の計算上、対象株式を取得した時の直前の月次決算期間又は会計期間の終了の日に当該他の通算法人が有する資産及び負債の同日における価額を基礎として計算している場合には、課税上弊害がない限り、その計算が認められることを明らかにしている。 〇 資産調整勘定対応金額等の計算の基礎となる対象株式の取得価額(法通2-3-21の8[新設]) 資産調整勘定対応金額等の計算の基礎となる対象株式の取得価額は、付随費用を含めて計算し、この場合において、その対象株式の取得の時期が古いなどの理由により、付随費用の把握が困難なときには、その購入の代価をその対象株式の取得価額として資産調整勘定対応金額等を計算することができることを明らかにしている。 (3) 通算法人が1項括弧書適用除外法人又は2項適用除外法人であるかどうかの判定の時期(措通61の4(2)-8[新設]) 通算グループ内のいずれかの通算法人の資本金の額又は出資金の額が100億円を超えるかどうかの判定(接待飲食費の50%の損金算入の可否判定=1項括弧書適用除外法人の判定)は、他の通算法人(その通算法人の適用年度終了の日においてその通算法人との間に通算完全支配関係がある法人に限る)の同日の現況によるのであるが、通算親法人の事業年度の中途において通算承認の効力を失った通算法人のその効力を失った日の前日に終了する事業年度の1項括弧書適用除外法人の判定についても、同様であることが明らかにされている。この取扱いは、通算グループ内の通算法人のすべてが中小法人に該当するかどうかの判定(定額控除限度額の適用可否の判定=2項適用除外法人の判定)についても、同様とすることが明らかにされている。 2 子会社株式簿価減額特例の見直し 〇 対象期間内に利益剰余金の額が増加した場合のその増加額を証する書類(法通2-3-22の6[新設]) 他の法人の対象配当等の額を受ける直前の当該他の法人の利益剰余金の額から当該他の法人のその対象配当等の額に係る決議日等前に最後に終了した事業年度の貸借対照表に計上されている利益剰余金の額を減算した金額を証する書類とは、他の法人の決議日等前に最後に終了した事業年度終了の日現在の利益剰余金の額及び対象配当等の額を受ける直前の時の利益剰余金の額がそれぞれ明らかとなる書類をいうので、当該他の法人のその最後に終了した事業年度の貸借対照表の写しのほか、例えば、当該他の法人の対象期間における利益の額を計算した書類の写しが、これに該当することを明らかにしています。 3 少額の減価償却資産の取得価額の損金算入制度等の見直し 〇 一時的に貸付けの用に供した減価償却資産(法通7-1-11の2、措通67の5-2の2[新設]) 各制度の適用上、法人が減価償却資産を貸付けの用に供したかどうかはその減価償却資産の使用目的、使用状況等を総合勘案して判定されるものであるので、例えば、一時的に貸付けの用に供したような場合において、その貸付けの用に供した事実のみをもって、その減価償却資産が貸付けの用に供したものに該当するとはいえないことを明らかにしている。 〇 主要な事業として行われる貸付けの例示(法通7-1-11の3、措通67の5-2の3[新設]) それぞれ次に定めるような行為は、その主要な事業として行われる貸付け(一括損金算入が制限されない貸付け)に該当することを例示的に明らかにしている。 4 所得拡大促進税制の見直し 〇 常時使用する従業員の範囲(措通42の12の5-1[新設]) ステークホルダー要件が課される資本金の額が10億円以上、かつ、常時使用する従業員の数が1,000人以上である場合において、常時使用する従業員の数は、常用であると日々雇い入れるものであるとを問わず、事務所又は事業所に常時就労している職員、工員等(役員を除く)の総数によって判定することを明らかにしている。この場合において、法人が繁忙期に数ヶ月程度の期間その労務に従事する者を使用するときは、その従事する者の数を「常時使用する従業員の数」に含めることを明らかにしている。   Ⅱ 「法人の青色申告の承認の取消しについて」の一部改正について(事務運営指針) 通算法人の青色申告の承認の取消しについても、グループ通算制度を適用していない場合と同様の取扱基準によることが明らかにされている(7 通算法人等に係る取扱いの適用)。   Ⅲ 「国税通則法第7章の2(国税の調査)等関係通達の制定について」の一部改正について(法令解釈通達) 通算法人では個別申告を行い、各法人が納税義務者となるため、グループ通算制度を適用していない法人と同様の税務調査手続となることから、連結親法人を納税義務者とする連結納税制度の税務調査手続に係る取扱いが削除されるとともに、連結法人の令和4年4月1日前に開始した連結事業年度の連結所得に対する税務調査手続については、改正前の取扱いが適用されることが明らかにされている(第6章 経過措置に関する事項10-5)。   Ⅳ 「法人税の重加算税の取扱いについて」等の一部改正について(事務運営指針) 1 法人税の重加算税の取扱いについて 国税通則法第68条第1項又は第2項に規定する「国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し」に該当する不正事実は、その通算法人の行為に係る不正事実をいい、他の通算法人の行為に係る不正事実はこれに該当しないことが明らかにされている(第4 通算法人等に係る取扱いの適用)。 また、「不正事実に基づく所得金額」(重加対象所得)は、その通算法人の行為に係る不正事実に基づく所得金額をいうことが明らかにされている(第4 通算法人等に係る取扱いの適用)。 2 法人税の過少申告加算税及び無申告加算税の取扱いについて 「通算規定に係る金額の計算の基礎とされた他の通算法人の有する金額等が異動したことに伴い、その通算法人に国税通則法第35条第2項の規定により納付すべき税額が生じたこと」は、他の通算法人及びその通算法人のいずれについてもその責めに帰すべき事由のない場合を除いて、国税通則法第65条第4項第1号に規定する正当な理由があると認められる事実に該当しないことが明らかにされている(第4 通算法人等に係る取扱いの適用)。 また、他の通算法人の通算適用事業年度(通算規定を適用した事業年度)に係る調査により、当該他の通算法人に対して、通算規定に係る金額の計算の基礎とされた当該他の通算法人の有する金額等に関する非違事項の指摘等があったことは、原則として、その通算法人の国税通則法第65条第1項又は第5項に規定する「更正があるべきことを予知してされたもの」に該当しないことが明らかにされている。   (了) ↓お勧め連載記事↓

#No. 476(掲載号)
#足立 好幸
2022/07/08

《速報解説》 会計士協会より「倫理規則」の改正案が公表される~定期総会での承認後に確定を予定、施行は2023.4.1から~

《速報解説》 会計士協会より「倫理規則」の改正案が公表される ~定期総会での承認後に確定を予定、施行は2023.4.1から~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 2022年7月6日、日本公認会計士協会は、「「倫理規則」の改正について(定期総会に付議する予定の改正案)」を公表した。 これは、倫理規則の理解のしやすさを向上させ、その遵守を促進するため、倫理規則の体系及び構成等の見直しを行うとともに、国際会計士連盟(International Federation of Accountants:IFAC)における国際会計士倫理基準審議会(The International Ethics Standards Board for Accountants:IESBA)の倫理規程の改訂を踏まえて、実質的な内容の変更を伴う個別規定の見直しを行うものである。 これにより、2021年11月22日から意見募集されていた公開草案が確定する予定である。公開草案に対するコメントの概要及び対応も公表されている。 倫理規則の改正の確定は、日本公認会計士協会の定期総会での承認が必要となるので、今般公表する倫理規則は定期総会に付議する予定の改正規定案であり、2022年7月25日開催の定期総会の承認後に確定することになる。 以下では、確定前であるが、倫理規則として解説する。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な内容 倫理規則は全文で、245ページあるので、以下では主な内容について解説する。 「倫理規則の改正概要」も公表されている。 別途、「倫理宣言」を公表するとのことである。 1 体系及び構成の見直し 従来の職業倫理の規範体系を見直し、次のものを廃止して「倫理規則」に統合するとともに、「倫理規則」全体の構成の見直しを行っている。 基本原則の遵守及び独立性の保持は倫理規則全体を通じた要求事項であることを強調する規定としている。 会計事務所等所属の会員も、会計事務所等という組織の中においては、当該組織に所属する会員であるので、組織所属の会員に対する規定が適用されることから、次の順番で規定している。 次の改正も行っている。 2 セーフガード 改正前の倫理規則では 、阻害要因を除去又は許容可能な水準にまで軽減するものをセーフガードとしていた。 倫理規則では、阻害要因に対処するための対応策を「阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するために講じる対応策」と「阻害要因を生じさせている状況を除去するための対応策」に分け、前者をセーフガードと定義している。 基本原則を遵守するとともに、基本原則の遵守に対する阻害要因を識別、評価及び対処するために、概念的枠組みの要求事項をステップごとに見出しを付して明確にするなど、セーフガードに関する規定について、基本原則の遵守に対する阻害要因との対応関係を明確化している。 3 職業的専門家としての判断の行使 職業的専門家としての判断を行使する際に検討する事項として、次の事項を例示している。 4 勧誘 勧誘の範囲について包括的なフレームワークを規定する。 5 会員に期待される役割及びマインドセット 組織所属の会員を含むすべての会員に対して、概念的枠組みを適用する際に「探求心(inquiring mind)」を持つことを新たに要求している。 「探求心」は、監査等の保証業務を実施する場合に求められる「職業的懐疑心」とは別の概念である。 「探求心を持つ」とは次のことを意味する。 6 審査担当者等の客観性 7 報酬 8 非保証業務 9 違法行為への対応 10 客観性の原則   Ⅲ 適用時期等 「監査基準委員会報告書」や「品質管理基準委員会報告書」などの報告書等については、名称変更が予定されていることから、倫理規則の確定版を公表する際に、当該名称変更を反映する予定である。 (了) ↓お勧め連載記事↓

#No. 476(掲載号)
#阿部 光成
2022/07/07

プロフェッションジャーナル No.476が公開されました!~今週のお薦め記事~

2022年7月7日(木)AM10:30、 プロフェッションジャーナル  No.476を公開! - ご 案 内 - プロフェッションジャーナルの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》は随時公開します。

#Profession Journal 編集部
2022/07/07

monthly TAX views -No.114-「「新しい資本主義」と株式報酬」

monthly TAX views -No.114- 「「新しい資本主義」と株式報酬」   東京財団政策研究所研究主幹 森信 茂樹   岸田総理の「新しい資本主義」は大きく変質してきた。政権発足当初の認識は、「企業はここ20年間、そこそこ増加した利益を、従業員への分配(賃上げ)には回さず、設備投資も増やさず、結果、内部留保をためてきた。唯一増やしたのは株主の要請に応えた配当だ。このような企業行動を改め、三方良し・ステークホルダー資本主義に転換し、まずは賃上げを増やそう」というものであった。 ところがこのような認識は、アベノミクスをいまだ推し進めようとする安倍元首相周辺の圧力もあり、次第に変遷してきた。本年6月の「経済財政運営と改革の基本方針2022」(骨太方針2022)では、アベノミクスの「3本の矢」を進めるとしたうえで、NISAの抜本的拡充、iDeCo制度の改革等による資産所得倍増プランを打ち出すこととなった。資産所得とは配当や株式譲渡益のことなので、結局株主優先に戻ってしまったのである。 つまり、「国民が現預金でため込んでいる貯蓄を株式投資に振り向ければ、企業はそのリスクマネーを活用して成長し配当増加につなげることができる、そうなれば個人の資産所得は倍増する」というストーリーのようだ。企業経営者としては、賃上げなのか配当増加なのか、どちらを優先させるべきか迷ってしまう。 *  *  * 筆者は、賃上げも行い、資産所得(配当)も増加させるという目標を、矛盾なく行う方法がないわけではないと考えている。それは、従業員に対する還元を、給与に加えて(追加的に)株式報酬というかたちで行うことである。 具体的には、従業員が自社株を積立購入する「従業員持株会制度」の一層の拡充である。従業員の給与や賞与から毎回掛け金を天引きするかたちで自社の株を購入する「ドルコスト平均法」なので、長期的に見れば株価変動リスクは少ない。すでに導入している多くの会社は、毎月の給与と賞与から天引きされた金額に対し数%の奨励金を支給しているので、その拡充を図ることである。会社に利益が出れば配当金が得られ、将来的にはキャピタルゲインも得られるので、従業員にとっては大きなインセンティブになる。 さらには、従業員への報酬として株式を支給することが考えられる。株式報酬制度は、2015年6月から始まった新たなコーポレートガバナンス・コードで「経営陣の報酬については、中長期的な会社の業績や潜在的リスクを反映させ、健全な企業家精神の発揮に資するようなインセンティブ付けを行うべきである」(原則4-2、補充原則4-2①)として奨励されてきた。まずは役員を対象とし、中長期的な業績と連動する報酬である自社株報酬制度として始まった。今では取締役以外の執行役、さらには幹部従業員にも広がりつつあり、これをさらに拡充していくのである。 退職まで売却できない譲渡制限付き株式を賃上げ分プラスとして受け取れば、従業員の勤労インセンティブも高まるうえ、企業の利益分配の受け手になるので、「賃上げも資産所得増加も」という両立が可能になるのではないか。 さらには、従業員持株会と信託を組み合わせたESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託も広がりを見せており、選択肢も広がっている。 *  *  * 公益社団法人関西経済連合会は「中長期的な税財政の見直しに関する提言 ~持続可能な経済社会実現への責任と、未来を拓く税財政制度に向けて~」(2021年12月6日)の中で、「資産形成等に向けた環境整備」として、「従業員持株制度におけるインカムゲインに対する課税の低税率化などの優遇措置により、企業と個人がともに成長を遂げることで、中間層の所得増にもつながるものと思われる。」と提言している。 このような経済界の提言を受け止める必要がある。 (了)

#No. 476(掲載号)
#森信 茂樹
2022/07/07
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