公開日: 2022/04/07 (掲載号:No.464)
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租税争訟レポート 【第60回】「税理士損害賠償請求訴訟~調査拒否と仕入税額控除の否認(千葉地方裁判所令和3年12月24日判決)」

筆者: 米澤 勝

租税争訟レポート

【第60回】

「税理士損害賠償請求訴訟~調査拒否と仕入税額控除の否認
(千葉地方裁判所令和3年12月24日判決)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【判決の概要】

千葉地方裁判所令和3年12月24日判決
平成30年(ワ)第768号損害賠償請求事件(認容)
TAINSコード:Z999-0179

[原告]

遊技場(パチンコ店)を経営する株式会社

[被告]

原告から税務代理を受任していた税理士

[争点]

(1) 注意義務違反、指導助言義務違反及び忠実義務違反の有無

(2) 原告の損害

[判決]

 被告は、原告に対し、3億2,000万円及びこれに対する平成30年5月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

 訴訟費用は被告の負担とする。

 この判決は、仮に執行することができる。

 

【事案の概要】

本件は、遊技場を経営する会社である原告が、平成26年2月から平成27年6月までの間に行われた国税局の職員による税務調査において帳簿及び請求書等(以下「帳簿等」という)を提示しなかったため、A税務署長から、平成27年6月8日付けで、帳簿等を保存しない場合に当たることを理由として消費税法30条1項の規定による仕入に係る消費税額の控除(以下「仕入税額控除」という)を否認する消費税及び地方消費税の更正及び過少申告加算税の賦課決定を受けたことについて、原告から税務代理を受任し本件調査に対応していた被告に善管注意義務違反、指導助言義務違反及び忠実義務違反があったと主張して、被告に対し、不法行為の規定による損害賠償又は税務代理委任契約上の債務不履行による損害賠償として、上記更正等による増額等に係る消費税及び過少申告加算税に相当する38億2,539万3,900円の一部である3億円と弁護士費用2,000万円との合計3億2,000万円並びにこれに対する訴状送達の日の翌日である平成30年5月4日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。

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【第60回】

「税理士損害賠償請求訴訟~調査拒否と仕入税額控除の否認
(千葉地方裁判所令和3年12月24日判決)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【判決の概要】

千葉地方裁判所令和3年12月24日判決
平成30年(ワ)第768号損害賠償請求事件(認容)
TAINSコード:Z999-0179

[原告]

遊技場(パチンコ店)を経営する株式会社

[被告]

原告から税務代理を受任していた税理士

[争点]

(1) 注意義務違反、指導助言義務違反及び忠実義務違反の有無

(2) 原告の損害

[判決]

 被告は、原告に対し、3億2,000万円及びこれに対する平成30年5月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

 訴訟費用は被告の負担とする。

 この判決は、仮に執行することができる。

 

【事案の概要】

本件は、遊技場を経営する会社である原告が、平成26年2月から平成27年6月までの間に行われた国税局の職員による税務調査において帳簿及び請求書等(以下「帳簿等」という)を提示しなかったため、A税務署長から、平成27年6月8日付けで、帳簿等を保存しない場合に当たることを理由として消費税法30条1項の規定による仕入に係る消費税額の控除(以下「仕入税額控除」という)を否認する消費税及び地方消費税の更正及び過少申告加算税の賦課決定を受けたことについて、原告から税務代理を受任し本件調査に対応していた被告に善管注意義務違反、指導助言義務違反及び忠実義務違反があったと主張して、被告に対し、不法行為の規定による損害賠償又は税務代理委任契約上の債務不履行による損害賠償として、上記更正等による増額等に係る消費税及び過少申告加算税に相当する38億2,539万3,900円の一部である3億円と弁護士費用2,000万円との合計3億2,000万円並びにこれに対する訴状送達の日の翌日である平成30年5月4日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。

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連載目次

租税争訟レポート

第1回~第30回

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

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