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固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第28回】「リゾートマンションの固定資産税評価額が10万円を超える決定は違法ではないとされた事例」

固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第28回】 「リゾートマンションの固定資産税評価額が10万円を超える決定は 違法ではないとされた事例」   税理士 菅野 真美   ▷固定資産評価基準における家屋の評価方法 家屋の固定資産税評価額は、取得価額ではなく再建築価額に基づき、時の経過による価値の減少等を経年減点補正率と評点一点当たりの価額を乗じて算定する。また、経年減点補正率の最低限度が0.2となるため、減価償却のように残存価額(残存簿価)が1円となることはない。 この固定資産税評価額の算定方法について、特に老朽化した家屋については、実勢価格よりも高くなることが多いことから固定資産の所有者側からすると不満も多く、訴訟となることもあるが、納税者の主張は通常認められない。固定資産税評価額の算定方法等を定めた固定資産評価基準が、法律で定められている(地方税法第388条)ことから、原則的には、算定式に従って計算された評価額が時価だと認められることになる。 今回は、リゾートマンションとして新潟県南魚沼市(近くに石打丸山スキー場等がある)に建築されたマンションの一住戸の固定資産税評価額(150万8,711円)について、客観的価値である10万円を超える部分は違法であるとして争った事例を検討する。   ▷どのような事案か 本事案について、時系列で並べると次のようになる。   ▷地裁における争点と判決 地裁における争点と判決はどうだったのか。 本事案の争点は下記(1)~(7)の7点であり、原告であるXの主張は認められなかった。 以下において、簡単に判決理由を述べる。 *   *   * このように、Xは、いくつもの角度から固定資産税の賦課決定の違法性を争ったが、すべて棄却された。固定資産評価基準で決められたルールの適用を否定することは非常に難しい。リゾートマンションは、利用頻度も少なく、購入時よりも価格が上昇する可能性も不透明である。また、マンションの管理費も通常の居住用マンションよりも高い場合もあり、かつ、固定資産税のコストも下げ止まらないことから、割安感のある中古であったとしてもリゾートマンション投資は慎重にすべきであろう。 (了)

#No. 524(掲載号)
#菅野 真美
2023/06/22

〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第18回】「りそな外税控除否認事件(地判平13.12.14、高判平15.5.14、最判平17.12.19)(その1)」~法人税法69条~

〈一角塾〉 図解で読み解く国際租税判例 【第18回】 「りそな外税控除否認事件 (地判平13.12.14、高判平15.5.14、最判平17.12.19)(その1)」 ~法人税法69条~   公認会計士・税理士 西川 浩史   1 はじめに ここでは都市銀行による外国税額控除余裕枠の利用取引に関する訴訟事案(※1)の1つである「りそな外税控除否認事件」について、その概要及び最高裁の見解を説明した上で主たる論点に検討を加えてみることにする。「りそな外税控除否認事件」に関しては様々な論点があり、それらを検討することは国際租税判例を学ぶ上で意義があると理解する。 (※1) 都市銀行による外国税額控除余裕枠の利用取引に関する訴訟事案としては、他に旧住友銀行(現三井住友銀行)事案と旧三和銀行(現三菱UFJ銀行)事案がある。   2 事案の概要及び背景 (1) 事案の概要(※2) (※2) 山崎昇「課税庁からみた国際的租税回避否認についての研究ノート-3つの最高裁判決から学ぶ国際的租税回避への対応-」税務大学校論叢52号716頁(2006)を参考にしている。 りそな銀行(旧大和銀行:以下「X」という)は、ニュージーランド法人(以下「A社」という)のクック諸島子会社2社(以下「B社」「C社」という)間の金銭消費貸借取引にXのシンガポール支店を介在させ(具体的にはC社から預金を預り、その資金をB社に貸付)、その金利差を収益とした(以下「本件取引」という)が、利息を受け取る際に源泉税が控除されるため現金収支はマイナスとなっていた。しかし、Xは我が国での法人税申告にあたり外国税額控除の余裕額があったため、当該余裕額を利用し納付すべき法人税からこの外国源泉税を税額控除して申告することにより、最終的な現金収支はプラスになっていた。 課税庁(以下「Y」という)は、税務調査後、この外国税額控除を否認して更正処分をした。しかし、Xは当該処分を不服として最終的には税務訴訟を起こした。本事案の争点は、本件取引について、法人税法69条(※3)(外国税額控除の規定)が適用できるか否かである。 (※3) 平成10年法律第24号による改正前のものをいう。以下同じ。なお、平成13年度税制改正にて外国法人税を納付する場合からは「内国法人が通常行われる取引と認められないものとして政令で定める取引に基因して生じた所得に対する外国法人税を納付する場合」が除かれることになり、本事案のような取引から生じた外国法人税には外国税額控除が適用できなくなった。 (2) 事案の背景 本件スキームは、ニュージーランドの有力な金融機関が大手都市銀行を通じてXに提案したものである。このような外国税額控除余裕枠を利用したスキーム自体は、米国の大手金融機関が技巧をこらし開発して販売したものと言われている(※4)。 (※4) 村井正『入門国際租税法 改訂版』清文社(2020)2頁 当時、C社(資金調達する会社)からB社(資金運用する会社)に対して直接に資金を貸し付ける方法を採ったときは、クック諸島の税制によればB社からC社へ支払われる利息に対して15%の源泉税が課されることになっていた。そこで、XとB社及びC社の間で、Xの外国税額控除の余裕枠を利用して源泉税の負担を軽減する目的で、本件におけるローン契約及び預金契約が締結され、これらが実行された。 (3) 本件スキームの具体的な仕組み(※5) (※5) 今村隆『現代税制の現状と課題(租税回避否認規定編)』新日本法規(2017)30-32頁を参考にしている。なお、Xは本件取引の参加料として2.5万ドルを別途受け取っている。 具体的な仕組みの理解のために、第1回取引(計算期間:平成元年4月6日から9月15日)について金額や利率を入れた取引図を以下に示す(実際には第10回取引(計算期間:平成5年9月15日から平成6年3月30日)までが更正の対象になっている)。 ※画像をクリックすると別ページで拡大表示されます。 本件取引において、XはB社から貸付利息として207万USドル(貸付利息総額244万USドルからクック諸島源泉税37万USドルを控除した金額)を受け取り、C社には預金利息236万USドルを支払うため、その時点では29万USドルの逆ざやになっていた。しかしその後、法人税の申告時に外国税額控除37万USドルの適用を受けたため、最終的には8万USドルの利ざやを得ることになった。結局、損をしているのは日本政府であり、日本政府で受けた外国税額控除37万USドルをX(8万USドル)とB社・C社(29万USドル)で分ける仕組みになっていた。 (4) 裁判の結果 Xは、本件取引は自己の事業目的に沿った取引であり、かつ通常の経済合理性のある取引であると主張した。一方、Yは地裁では「私法上の法律構成による否認」を主体的主張とし「法人税法69条の限界解釈による否認」を予備的主張としていたが、高裁からは「法人税法69条の限界解釈による否認」に「外国税額控除制度の濫用」を加えて主張した。 地裁及び高裁では外国税額控除が認められ、いずれもXの勝訴となったが、最高裁では本件取引は外国税額控除の濫用にあたるとして外国税額控除は認められず、Yの逆転勝訴となった。   3 最高裁の判断 最高裁は次のように判示し(下線筆者)、本件取引には事業目的があり外国税額控除の制度を濫用したものであるということはできないと判断した原判決(高裁判決)を破棄し、地裁判決を取り消した。 ((その2)へ続く)

#No. 524(掲載号)
#西川 浩史
2023/06/22

開示担当者のためのベーシック注記事項Q&A 【第12回】「会計方針に関する注記①」-引当金の計上基準-

開示担当者のための ベーシック注記事項Q&A 【第12回】 「会計方針に関する注記①」 -引当金の計上基準-   仰星監査法人 公認会計士 竹本 泰明   Question 当社は会計監査人設置会社で個別注記表を作成しています。有価証券報告書の提出義務はなく、連結計算書類は作成していません。個別注記表における重要な会計方針に係る事項に関する注記のうち引当金の計上基準について、どのような内容を記載する必要があるか教えてください。 Answer 引当金の計上基準には、貸借対照表に計上している各種の引当金について、どのような費用又は損失に備えるもので、どのように引当金の計上額を算出しているかに関する情報を記載する必要があります。 ● ● ● 解説 ● ● ● 1 経団連のひな型による解説 経団連が公表している「会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型(改訂版)」(2022年11月1日)によれば、次のような注記が考えられます。 【個別注記表】   2 注記事項の解説 (1) 重要な会計方針に係る事項に関する注記の全体像 個別注記表で記載すべき重要な会計方針に係る事項に関する注記事項は次のとおりです(会社計算規則第101条第1項)。なお、重要性が乏しいものは記載しないことも認められます。 〈個別注記表で記載すべき重要な会計方針に係る事項に関する注記事項〉 今回のQuestionには該当しませんが、参考として、連結計算書類の作成義務のある会社を前提とした場合の連結注記表で記載すべき重要な会計方針に係る事項に関する注記(正確には、「連結計算書類の作成のための基本となる重要な事項に関する注記等」といいます)の注記事項を以下に記載します(会社計算規則第102条第1項)。 なお、ここでは代表的なものを抜粋して記載していますので、実際に注記事項を検討する場合は、会社計算規則第102条を参照してください。 〈参考:連結計算書類の作成のための基本となる重要な事項に関する注記等の注記事項〉 (2) 注記事項の解説 引当金は、将来の特定の費用又は損失であって、その発生が当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合に計上が認められます。そのため、会計方針として引当金の計上基準を記載する際は、この4要件に照らしながら、何に対する引当金で、どのように引当金を計上しているのかを記載する必要があります。 それでは、実際の注記を見ていきましょう。 [大幸薬品株式会社 2022年12月期 個別注記表] ※大幸薬品株式会社「第77回定時株主総会招集ご通知」47頁より抜粋。 [キヤノンマーケティングジャパン株式会社 2022年12月期 個別注記表] ※キヤノンマーケティングジャパン株式会社「第55回定時株主総会招集ご通知」64頁より抜粋。 [タツモ株式会社 2022年12月期 個別注記表] ※タツモ株式会社「第51回定時株主総会招集ご通知」44頁より抜粋。 ここではすべてを挙げきれませんでしたが、引当金には様々なものがあり、その計上方法が厳密に定められていないものもあります。そのため、財務諸表を利用する人の「何に対する引当金か」、「どのように引当金を計上しているのか」といった疑問に答えられるように引当金の計上基準も記載する必要があります。 *  *  * 次回の第13回は、「会計方針に関する注記(その他計算書類の作成のための基本となる重要な事項)」をテーマに解説します。   (了)

#No. 524(掲載号)
#竹本 泰明
2023/06/22

税理士事務所の労務管理Q&A 【第14回】「欠勤控除の計算方法」

税理士事務所の労務管理Q&A 【第14回】 「欠勤控除の計算方法」   特定社会保険労務士 佐竹 康男   従業員が傷病等により欠勤した場合に、その欠勤分を給与から控除することがありますが、今回は欠勤控除の計算方法と就業規則での規定の仕方について解説します。 * * 解 説 * * 1 月給制における欠勤控除の仕方 月給制の従業員が欠勤した場合の欠勤控除の計算については、次の方法があります。 (1) 月額賃金を1ヶ月あたりの平均労働日数で割って計算する方法 この方法の場合は、ご質問のようなケースが生じることがあります。 ① その月の所定労働日数が1ヶ月あたりの平均労働日数より多い場合 欠勤控除額は1日につき1万円(22万円÷22日)になります。その月の所定労働日数が23日の月に1日だけ出勤した場合でも、22日間は欠勤していますので、賃金が0円(22万円-22万円÷22日×22日)になってしまいます。 この場合、1日は労働しているため、次のⓐ又はⓑの方法により、1日分の賃金を支払わなければなりません。 上記の〈事例1〉では、ⓐの場合は、1万円(22万円÷22日)、ⓑの場合は9,566円(22万円÷23日)支払うことになります。 ② その月の所定労働日数が1ヶ月あたりの平均労働日数より少ない場合 この場合、所定労働日数20日すべて欠勤をしても、1日あたりの控除金額1万円×20日で欠勤控除額は20万円となり、全休したにもかかわらず、2日分の賃金2万円(22万円-20万円)を支払うことになってしまいます。 ③ ご質問(上記①及び②)のようなケ-スがあった場合の対応 対応策としては、下記記載の就業規則の規定例(○○条第2項ただし書)が考えられますので、参考にしてください。 〈就業規則の規定例〉 (2) 月額賃金をその月の所定労働日数で割って計算する方法 この方法による場合、上記〈事例2〉の欠勤控除額は、1日につき1万1,000円(22万円÷20日)、20日全休であれば、控除額22万円になり、賃金の支払いは0円になります。   2 妥当な計算方法を就業規則等で規定 欠勤控除の計算方法については法律上の規制がありません。しかし、現実に勤務しなかった時間以上に控除はできません。したがって欠勤控除をする場合は、時間単位で計算する方法が正しいともいえますが、一般的には1日あたりの控除額で計算しています。1日あたりの控除額の計算は、上記1(2)のように、月額賃金をその月の所定労働日数で除す方法もありますが、この方法は、毎月控除する額が変動しますので適当とはいえません。 月給制は、毎月の所定労働日数にかかわらず賃金を固定して支給するものですので、1(1)③の就業規則の規定例のように、控除額も月額賃金を1ヶ月あたりの平均労働日数で除して計算する方が望ましいと思います。 欠勤控除の計算方法は「賃金の計算方法」に該当するため、就業規則等に定めなければなりません。就業規則等に定めがない場合は、その都度計算方法が異なってしまうおそれがあり、トラブルの原因になることもありますので注意が必要です。 (了)

#No. 524(掲載号)
#佐竹 康男
2023/06/22

〔検証〕適時開示からみた企業実態 【事例84】シダックス株式会社「調査委員会の調査報告書受領と今後の対応について」(2023.5.31)

〔検証〕 適時開示からみた企業実態 【事例84】 シダックス株式会社 「調査委員会の調査報告書受領と今後の対応について」 (2023.5.31)   公認会計士/事業創造大学院大学教授 鈴木 広樹   1 今回の適時開示 今回取り上げる開示は、シダックス株式会社(以下「シダックス」という)が2023年5月31日に開示した「調査委員会の調査報告書受領と今後の対応について」である。同社は2022年10月7日に「調査委員会設置に関するお知らせ」を開示しており、その主文は次のとおりである。 オイシックス・ラ・大地株式会社(以下「オイシックス」という)によるシダックス株式に対するTOB(公開買付け)について、シダックスは当初反対していたのだが(2022年9月5日開示「オイシックス・ラ・大地株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明(反対)のお知らせ」)、「調査委員会設置に関するお知らせ」と同じ2022年10月7日に「(開示事項の変更)オイシックス・ラ・大地株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明(中立)についてのお知らせ」を開示して、意見を中立に変更している。その間、シダックスが「公表していない真偽不明の様々な情報」が流出したので、その出所を調査するための委員会を設置するというのである。   2 調査報告書は? 今回の開示は、タイトルどおりその調査報告書を受領したということなのだが、肝心の調査報告書が添付されていない。この点について次のように記載されている。 「公表よりもまずは原因分析や提言を伺い、その改善策をしっかり企画実行していくことが目的であると考えたため」、調査報告書を添付しないとのことだが、上場会社の開示姿勢として甚だ疑問である。「調査報告書の全文を公表した場合、報道機関等により部分的に引用されることによる誤認等での企業価値の毀損」の可能性があるとのことだが、そうした可能性を踏まえて、会社としてしっかりと説明すべきだろう。また、「第三者から名誉毀損等の法的責任を問われる」可能性もあるとしているが、全員が弁護士の調査委員会は「関係者等の一部匿名化等のプライバシーに配慮した措置を講じることを前提」として全文公表について同意しており、そうした措置を講じて公表すればいいだけではないだろうか。 そもそも調査報告書が公表されなければ、本当の原因、そして、適切な対応は何かについて、投資家は評価できない。これでは、不都合な点は隠し、都合の良い点のみを開示し、示される対応も会社に都合の良いものと捉えられても仕方がないように思われる。   3 TOBの目的 オイシックスがTOBにより取得するシダックス株式は、ユニゾン・キャピタル4号投資事業有限責任組合及びUnison Capital Partners IV(F), L.P.(以下「ユニゾンファンド」という)が保有しているものである。ユニゾンファンドは2019年にシダックス株式を取得している(2019年5月17日開示「資本業務提携及び第三者割当による優先株式の発行、定款の一部変更並びに資本金の額及び資本準備金の額の減少に関するお知らせ」)。 「オイシックス・ラ・大地株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明(反対)のお知らせ」には、「本公開買付けの契機となった本売却請求権」として次のような記載がある。なお、「創業家」とは、シダックス代表取締役の志太勤一氏と同社取締役の志太勤氏(志太勤氏は志太勤一氏の父親で同社創業者。以下両者を「志太親子」という)のほか、彼らの親族や資産管理会社などであり、「公開買付者」はオイシックスである。 オイシックスによるシダックス株式取得は創業家が求めたものなのである。「オイシックス・ラ・大地株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明(反対)のお知らせ」には、さらに次のような記載もある。 子会社の譲渡はもちろん業務提携も、会社として決定することであるのに、創業家とオイシックスの間で勝手に話を進めていたのである。志太親子は上場会社の経営に携わる者として非常識だし、オイシックスもプライム市場上場会社であるのに非常識である。   4 中立の条件 志太親子とオイシックスが、シダックスにとって極めて重要な話を自分達の知らないところで勝手に進めていたのである。志太親子以外の取締役が怒るのは当然だろう。「オイシックス・ラ・大地株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明(反対)のお知らせ」では、以下の3点について「公正な検討」を行うことが困難であることを主な理由としてTOBに反対するとされている。 その後、「(開示事項の変更)オイシックス・ラ・大地株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明(中立)についてのお知らせ」において、次のように上の3点を公正に検討することが一応可能になったため、意見を中立に変更するとされた。 結局、TOBは成立し、オイシックスはシダックスの議決権を28.47%保有し、シダックスはオイシックスの関連会社になった(2022年10月25日開示「その他の関係会社の異動および主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ(オイシックス・ラ・大地株式会社による当社株式に対する公開買付けの結果)」)。そして、オイシックス代表取締役の髙島宏平氏(以下「髙島氏」という)がシダックスの取締役に就任した(2022年11月28日開示「(開示事項の経過)臨時株主総会の開催場所および付議議案決定に関するお知らせ」、2023年1月24日「臨時株主総会における議決権行使の結果に関するお知らせ」)。   5 公正な検討は行われるのか? 果たして「公正な検討」は本当に行われるのだろうか。シダックスの取締役会は現在6名体制だが、同社が2023年5月16日に開示した「取締役候補者の選任及び人事異動に関するお知らせ」によると、来期は志太親子と髙島氏を含めて5名体制になるとのことである。そうした体制では、シダックスの取締役会における議論が、創業家とオイシックスの意向どおりに進んでいってしまう可能性がある。 また、シダックスは2022年11月22日に「特別委員会設置に関するお知らせ」を開示し、「公正な検討の枠組み」として特別委員会を設置するとしていた。その検討内容は次のとおりである。 しかし、同社は「取締役候補者の選任及び人事異動に関するお知らせ」と同じ2023年5月16日に「(開示事項の経過)特別委員会設置に関するお知らせ」を開示し、「特別委員会からの報告要旨」として次のように記載している。 「公正な検討の枠組み」である特別委員会における検討は「一旦保留」にするというのである。そして、その約2週間後に今回の開示である。いつの間にか「公正な検討」は忘れられ、気がついたら、創業家とオイシックスの思いどおりになっていたということにならないだろうか。当然、創業家とオイシックスは当初の目的達成を現在も強く望んでいるはずである。調査報告書にはその目的達成にとって不都合なことがいろいろと書かれていたのだろうか。調査報告書を開示しないと、そのように勘繰られても仕方がない。 (了)

#No. 524(掲載号)
#鈴木 広樹
2023/06/22

〈“2025年問題”を前に知っておきたい〉3つの事業承継方法とそれぞれのメリット・デメリット 【前編】

〈“2025年問題”を前に知っておきたい〉 3つの事業承継方法とそれぞれのメリット・デメリット 【前編】   株式会社M&A総合研究所 企業提携部 主任 JMAA認定M&Aアドバイザー 税理士有資格者 松木 雅彦   国内企業の9割以上を占める中小企業・小規模事業者は、技術や雇用の担い手として日本を支える重要な存在です。 最先端技術や伝統技術を有する企業も多いですが、近年は経営者の高齢化が進み、事業承継が重要な課題とされています。   1 中小企業における事業承継の現状 2020年1月末に日本政策金融公庫が公表したアンケートでは、後継者が決まっていると回答した中小企業はわずか12.5%、後継者が決まっていない「未定企業」が22.0%、廃業予定と答えた企業が52.6%と半数を超えており、非常に厳しい現状が分かる結果となりました。 中小企業庁は「中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題」の中で、2025年には70歳を超える経営者が245万人に達し、現状のままでは中小企業・小規模事業者廃業の急増で約650万人の雇用と約22兆円のGDPが失われる可能性があると試算しています(いわゆる「2025年問題」)。 このような深刻な後継者不在状況を変えるため、国は2011年から事業引継ぎ支援センター(現在は「事業承継・引継ぎ支援センター」)を設置するなど支援策を講じてきました。 2025年が間近に迫る中、国は支援策を拡充し、中小企業・小規模事業者の事業承継を強力に後押ししています。 本稿では、この2025年問題を前に、中小企業・小規模事業者のオーナーに加え、事業承継の相談を受ける立場となる税務顧問の方が知っておくべき3つの事業承継方法とそれぞれのメリット・デメリットを2回にわたって紹介します。   2 親族内承継~事業承継方法①~ 親族内承継は中小企業・小規模事業者の事業承継で最も活用されており、経営者の子など親族を後継者として事業を引き継ぎます。 帝国データバンクの「全国企業「後継者不在率」動向調査(2021年)」では、2021年の事業承継のうち、先代経営者との関係性で親族内承継を選択した企業が38.3%と最も高い割合となりました。一方で、2017年の同割合と比較すると、3.3pt低下し、親族内承継の割合は緩やかな減少傾向となっています。 【メリット】 【デメリット】   3 従業員承継~事業承継方法②~ 自社の従業員や役員を後継者として事業を引き継ぐ方法です。前出の帝国データバンクの調査では、自社の役員などを内部昇格させる従業員承継の割合は 31.7%と、親族内承継に次いで高くなっていますが、これも、前年度と比較すると減少傾向となっています。 【メリット】 【デメリット】 (【後編】に続く)

#No. 524(掲載号)
#株式会社M&A総合研究所
2023/06/22

《速報解説》 倫理規則の改正等に対応した「監査ツール」の改正が確定~重要な虚偽表示リスクの識別と評価の区別等をより明確にするため様式を変更・新設~

《速報解説》 倫理規則の改正等に対応した「監査ツール」の改正が確定 ~重要な虚偽表示リスクの識別と評価の区別等をより明確にするため様式を変更・新設~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 2023年6月15日付けで(ホームページ掲載日は2023年6月20日)、日本公認会計士協会は、「監査基準報告書300実務ガイダンス第1号「監査ツール(実務ガイダンス)」の改正」を公表した。 これにより、2023年3月20日から意見募集されていた公開草案が確定することになる。公開草案に寄せられたコメントの概要とその対応も公表されている。 これは、2022年6月の「監査事務所における品質管理」(品質管理基準報告書第1号)などの改正や、2022年7月の倫理規則の改正に対応するものである。多くの様式が見直されている。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な内容 重要な虚偽表示リスクの識別と評価の区別、固有リスクと統制リスクの評価を、様式上、より明確にするなど、次の様式の見直し又は新設が行われている。 (了)

#阿部 光成
2023/06/21

《速報解説》 JICPA、「倫理規則に関するQ&A」の改正及び「倫理規則に基づく報酬関連情報の開示に関するQ&A」の公開草案を公表~報酬関連情報の集計、算定及び開示を行う際の実務上の参考となる考え方を示す~

《速報解説》 JICPA、「倫理規則に関するQ&A」の改正及び「倫理規則に基づく報酬関連情報の開示に関するQ&A」の公開草案を公表 ~報酬関連情報の集計、算定及び開示を行う際の実務上の参考となる考え方を示す~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 2023年6月15日、日本公認会計士協会は、「倫理規則実務ガイダンス第1号「倫理規則に関するQ&A(実務ガイダンス)」の改正及び倫理規則研究文書「倫理規則に基づく報酬関連情報の開示に関するQ&A(研究文書)」」(公開草案)を公表し、意見募集を行っている。 2022年7月25日改正の倫理規則では、監査業務の依頼人が社会的影響度の高い事業体である場合、報酬関連情報に関する透明性の確保の観点から、監査役等とのコミュニケーションとともに、依頼人又は会計事務所等による報酬関連情報の開示が求められている。 公開草案は、会計事務所等が改正倫理規則に基づいて報酬関連情報の集計、算定及び開示を行う際の実務上の参考となる考え方を示すものである。 意見募集期間は2023年7月6日までである。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 倫理規則に関するQ&A(実務ガイダンス)関係 Q410-13-1の補足において、依頼人と会計事務所等のそれぞれが法令等又は倫理規則に基づく開示のために報酬に関する情報を集計し、算定する際、報酬の集計範囲や算定プロセスの相違等により、両者の間に差分が生じることがあると記載している。 これらの情報は、いずれも同一の会計事務所等及びネットワーク・ファームに係る報酬に関する情報であるため、依頼人の監査役等を含む利害関係者に対して会計事務所等の独立性の評価に関連すると合理的に考えられる情報を整合的に提供する観点から、次の(1)及び(2)を満たす場合には、依頼人が算定した報酬に関する情報を、倫理規則R410.31項に基づく報酬関連情報として取り扱うことができるものと考えられるとしている。   Ⅲ 倫理規則に基づく報酬関連情報の開示に関するQ&A(研究文書)関係 次の事項について、取扱いを示している。 1 金融商品取引法及び会社法に基づく監査の監査報告書における報酬関連情報の開示(Q1) 社会的影響度の高い事業体である監査業務の依頼人が、金融商品取引法に基づく監査及び会社法に基づく監査の両方を受け、報酬関連情報の開示を行っている場合には、金融商品取引法又は会社法に基づくいずれかの監査報告書において報酬関連情報を開示することで足りるとされている(倫理規則に関するQ&A Q410-13-4)。 したがって、金融商品取引法に基づく監査の監査報告書において報酬関連情報を開示する場合には、会社法に基づく監査の監査報告書では、その開示を省略することが考えられる。 ただし、依頼人は、会社法施行規則に基づいて、事業報告において会計監査人の報酬を開示することが求められているため(会社法施行規則126条2号及び3号)、会計事務所等は、会社法に基づく監査の監査報告書において開示を省略する場合であっても、会社法に基づく監査の際に、依頼人が開示する報酬に関する情報について検討することが考えられる。 2 比較年度に関する報酬関連情報の開示(Q2) 「過年度の比較情報―対応数値と比較財務諸表」(監査基準報告書710)に基づいて、監査報告書における監査意見が対応数値方式で表明される場合、通常、過年度の比較情報に関連する報酬関連情報の開示は求められないものと考えられる。 3 四半期レビュー及び中間監査における報酬関連情報の開示(Q3) 社会的影響度の高い事業体の年度の財務諸表の監査業務において報酬関連情報を開示する場合には、四半期レビュー及び中間監査において報酬関連情報を別途開示することまでは求められない。 四半期レビュー及び中間監査に対する報酬は、当該年度の監査業務における報酬関連情報に含めて開示すれば足りるものと考えられる。 4 臨時計算書類及び訂正報告書に関する監査における報酬関連情報の開示(Q4) 訂正報告書に関する監査報酬について、過年度の訂正報告書の財務諸表の対象期間にそれぞれ按分計算し、訂正報告書の対象期間に係る報酬に加えて開示することが考えられる。 ただし、訂正報告書に関する監査報酬を、例えば、当該訂正報告書に関する監査業務を実際に実施した会計年度の監査報酬に含めて開示することも考えられる。 このほか、臨時計算書類の監査に関する報酬関連情報の開示についても記載している。 5 報酬関連情報の集計範囲及び算定基準(Q5) 報酬関連情報の集計範囲及び算定基準については、財務諸表の対象期間における契約金額、支払額、発生額又は請求額のいずれか、また、当年度末をまたいで次年度にかけて提供する単独の非監査業務の場合、業務完了時の年度の報酬としてよいのかなどの論点がある。 報酬関連情報の集計範囲及び算定基準は、次のとおりとすることが考えられるが、継続して採用することを前提として、他の合理的と考えられる集計方法によることも認められるものと考えられる。 なお、依頼人のグループ内において一貫した集計範囲及び算定基準を用いることが考えられる。 監査業務及び監査以外の業務のいずれについても、業務報酬単価と業務提供時間に基づいて報酬額が決定される契約の場合には請求額とする等、倫理規則R410.31項の要求事項を踏まえ、業務契約の形態に応じた合理的な報酬金額を集計範囲に含めることが考えられる。 6 非連結子会社の報酬関連情報(Q10) 非連結子会社に関する報酬の開示は、当該報酬が会計事務所等の独立性の評価に関連することを知っている場合又はそのように信じるに足る理由がある場合に開示が求められる(倫理規則R410.31項(3))。 このため、例えば、利害関係者が会計事務所等の独立性を評価する上で影響しないと想定され、報酬関連情報の開示が求められないと判断した場合等には、当該非連結子会社に係る報酬を集計範囲に含めないことが考えられる。 一方、監査の過程等で入手可能な情報から、非連結子会社に関連して会計事務所等の独立性の評価に影響を与える可能性がある情報(例えば、非保証業務の事前了解の過程において、会計事務所等やネットワーク・ファームが、依頼人の企業グループの規模に対して重要な契約金額の業務を受嘱する等の情報)を捕捉した場合には、会計事務所等の独立性の評価への影響を慎重に判断し、当該非連結子会社に係る報酬を集計範囲に含めることが考えられる。 7 親事業体及び関連会社の報酬関連情報(Q11) 報酬開示の集計範囲については監査業務の依頼人及びその子事業体(連結又は非連結を問わない)のみであり、親事業体や関連会社は含まれないという理解でよいかについては、報酬開示の集計範囲には、親事業体や関連会社は含まれない(倫理規則R410.31項)とのことである。 8 連結計算書類を作成していない場合の報酬の集計範囲(Q13) 監査業務の依頼人が連結計算書類を作成していない場合(会計事務所等の監査対象が計算書類等のみである場合)であっても、倫理規則に準拠して開示する報酬関連情報の範囲は、子事業体を含む連結ベースの開示となるのか、また、ネットワーク・ファームに係る報酬も含めるのかについては、次のように記載している。 社会的影響度の高い事業体である監査業務の依頼人が連結計算書類を作成していない場合、連結子会社は存在しない。 一方、非連結子会社に関する報酬の開示は、当該報酬が会計事務所等の独立性の評価に関連することを知っている場合又はそのように信じるに足る理由がある場合に開示が求められる(倫理規則R410.31項ほか)。 したがって、これに該当する非連結子会社に対する業務が存在する場合には、ネットワーク・ファームが受領している報酬も含めて報酬関連情報の集計範囲に含めることになるものと考えられる。 9 決算期の異なる子事業体の取扱い(Q15) 決算期の異なる子事業体に係る報酬については、Q6のAを踏まえ、次のとおりとすることが考えられるが、継続して採用することを前提として、他の合理的な集計方法によることも認められるものと考えられる。 10 立替経費の取扱い(Q16) インボイス制度導入に伴い立替経費を報酬に含めるようになった場合であっても、開示する報酬金額には、立替経費や消費税等を含めないことが適当と考えられるので、立替経費を報酬金額に含める形式の契約であっても、監査業務の依頼人との間で経費相当額として合意している金額については、開示する報酬金額から控除することが考えられる。 また、立替経費を報酬に含めて請求することが継続して行われている場合には、継続して採用することを前提として、開示する報酬金額から控除しないことも認められるものと考えられる。 11 倫理規則が求める報酬関連情報の監査業務の依頼人による開示(Q17) 依頼人が有価証券報告書において倫理規則で求められている報酬関連情報を開示している場合であっても、法令等に基づいて、監査報告書において報酬関連情報を記載することが金融商品取引法に基づく監査における監査報告書において求められる。 12 報酬関連情報の開示に係る工数(Q25) 会計事務所等による報酬関連情報の集計及び算定又は依頼人による開示情報の検討には一定の工数を要することが想定される。 これらの手続によって発生が予想される関連工数については、倫理規則の要求事項に基づく開示に関連する業務であることから、依頼人の財務諸表に対する監査業務の一環として、倫理規則に基づく報酬関連情報に含めて開示することが考えられる。 (了)

#阿部 光成
2023/06/20

《速報解説》 国税庁、R5改正を反映した給与所得者の特定支出控除の特例に関する情報を取りまとめ~給与等の支払者に加え、一定の場合でキャリアコンサルタントによる証明も可能に~

 《速報解説》 国税庁、R5改正を反映した給与所得者の 特定支出控除の特例に関する情報を取りまとめ ~給与等の支払者に加え、一定の場合でキャリアコンサルタントによる証明も可能に~   Profession Journal編集部   従業員の自発的な学び直し(リスキリング)を後押しするため、令和5年度税制改正では「給与所得者の特定支出控除の特例」の見直しが行われた。 「給与所得者の特定支出控除の特例」とは、給与所得者が特定支出をした場合、その年の特定支出の額の合計額が、「特定支出控除額の適用判定の基準となる金額」を超えるときは、確定申告によりその超える部分の金額を給与所得控除後の所得金額から差し引くことができる制度(国税庁タックスアンサー「No.1415 給与所得者の特定支出控除」参照)。 この特例の適用要件として、その対象となる特定支出について、給与等の支払者によるその支出が特定支出に該当する旨の証明書を確定申告書等に添付する必要があるが、令和5年度税制改正では、特定支出のうちの研修費又は資格取得費で、それが教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練に係るものであるときは、給与等の支払者による証明書の代わりにキャリアコンサルタントによるその支出が特定支出に該当する旨の証明書を確定申告書等へ添付することができるようになった(改正後の給与所得者の特定支出の控除の特例は、令和5年分以後の所得税について適用)。 この改正を受け、令和5年6月14日、国税庁は改正事項を反映させた次の情報を公表した。 上記情報については、別冊1【表紙・目次】、別冊2【第1 解説編】、別冊3【第2 質疑応答編】、別冊4【第3 様式編】の4分冊にまとめられており、主に別冊2では前述の改正事項を反映、別冊3では、改正に係る内容として、次の問5、問6がおかれている。 5 研修費(キャリアコンサルティング費用) 6 資格取得費(法科大学院の費用) また、同ページではキャリアコンサルタントが特定支出(研修費及び資格取得費に係るものに限る)に関する証明を行う場合の手続の参照先として、次の厚生労働省のページも紹介している。 (了)

#Profession Journal 編集部
2023/06/19

プロフェッションジャーナル No.523が公開されました!~今週のお薦め記事~

2023年6月15日(木)AM10:30、 プロフェッションジャーナル  No.523を公開! - ご 案 内 - プロフェッションジャーナルの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》は随時公開します。

#Profession Journal 編集部
2023/06/15
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