公開日: 2024/01/11 (掲載号:No.551)
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Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第38回】「債務免除を受けた場合のみなし贈与の計算上の留意点」

筆者: 柴田 健次

Q&Aでわかる

〈判断に迷いやすい〉非上場株式評価

【第38回】

「債務免除を受けた場合のみなし贈与の計算上の留意点」

 

税理士 柴田 健次

 

A株式会社の取締役である甲はA社に対して50,000千円の貸付金がありますが、令和5年10月5日に全額債権放棄を行いました。A社の株主は甲の甥である乙のみで発行済株式数200株を所有しています。債務免除を受けたことによりA社は債務免除益として法人税等が課税され、A社株主である乙には、甲から乙に贈与があったものとして贈与税が課税されることになると思いますが、実際の贈与税の計算はどのように行うのでしょうか。

A社の会社の規模区分は中会社の大に該当し、A社は特定の評価会社には該当しません。また、A社は9月決算であり、9月末時点と債務免除を受けた10月5日時点において甲のA社に対する貸付金に変動はないものとします。純資産価額の計算においては、直前期末方式(直前期末の資産及び負債の帳簿価額に基づき評価する方式)により計算するものとします。

債務免除前の令和5年10月5日時点における取引相場のない株式(出資)の評価明細書の第4表「類似業種比準価額等の計算明細書」及び第5表「1株当たりの純資産価額(相続税評価額)の計算明細書」は、それぞれ下記の通りとなります。

※画像をクリックすると別ページでPDFが開きます。

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債務免除前におけるA社株式の1株当たりの価額及び乙が所有している株式の価額は、下記の通りとなります。

・1株当たりの価額:

427,700円 × 90% + 750,000円 × 10% = 459,930円

・乙が所有している株式の価額:

459,930円 × 200株 = 91,986,000円

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〈判断に迷いやすい〉非上場株式評価

【第38回】

「債務免除を受けた場合のみなし贈与の計算上の留意点」

 

税理士 柴田 健次

 

A株式会社の取締役である甲はA社に対して50,000千円の貸付金がありますが、令和5年10月5日に全額債権放棄を行いました。A社の株主は甲の甥である乙のみで発行済株式数200株を所有しています。債務免除を受けたことによりA社は債務免除益として法人税等が課税され、A社株主である乙には、甲から乙に贈与があったものとして贈与税が課税されることになると思いますが、実際の贈与税の計算はどのように行うのでしょうか。

A社の会社の規模区分は中会社の大に該当し、A社は特定の評価会社には該当しません。また、A社は9月決算であり、9月末時点と債務免除を受けた10月5日時点において甲のA社に対する貸付金に変動はないものとします。純資産価額の計算においては、直前期末方式(直前期末の資産及び負債の帳簿価額に基づき評価する方式)により計算するものとします。

債務免除前の令和5年10月5日時点における取引相場のない株式(出資)の評価明細書の第4表「類似業種比準価額等の計算明細書」及び第5表「1株当たりの純資産価額(相続税評価額)の計算明細書」は、それぞれ下記の通りとなります。

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債務免除前におけるA社株式の1株当たりの価額及び乙が所有している株式の価額は、下記の通りとなります。

・1株当たりの価額:

427,700円 × 90% + 750,000円 × 10% = 459,930円

・乙が所有している株式の価額:

459,930円 × 200株 = 91,986,000円

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連載目次

Q&Aでわかる
〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価

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筆者紹介

柴田 健次

(しばた・けんじ)

税理士
柴田健次税理士事務所 所長
東京タックスコンサルティング 代表取締役

相続・事業承継を中心に業務を行っている。

【職歴】
2004年4月 資格の大原 簿記法律専門学校講師就任
2008年1月 税理士法人レガシィに勤務
2014年1月 柴田健次税理士事務所設立

【著書】
間違いやすい事例から理解する 小規模宅地等の特例適否のポイント』(清文社)
第3版 評価明細書ごとに理解する/非上場株式の評価実務』(清文社)
Q&Aでマスターする 事業承継税制の実務』(清文社)

  

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