谷口教授と学ぶ 税法の基礎理論 【第19回】 「租税法律主義と実質主義との相克」 -税法の目的論的解釈の過形成【補遺(続・完)】- 大阪大学大学院高等司法研究科教授 谷口 勢津夫 Ⅲ 税法基準による目的論的解釈の過形成 1 「過形成」の原因 以上で検討してきたところからすると、東京地裁も東京高裁も税法基準による目的論的解釈を行っているが、両者の目的論的解釈は射程を異にしており、東京地裁はその射程が「資本剰余金のみを原資とする剰余金の配当及び資本剰余金と利益剰余金の双方を原資とする剰余金の配当」すなわち混合配当一般に及ぶものとするのに対して、東京高裁はその射程を混合配当のうち「いずれの配当が先に行われたとみるかによって課税関係に差異が生ずるもの」すなわち配当先後関係問題が生ずるものに限定しているといえよう(両判決における文理解釈に関する判示部分と目的論的解釈に関する判示部分とを接続する接続詞(「また」と「もっとも」)の違いにも注意されたい)。 そうすると、本件東京地判における税法基準による目的論的解釈は、混合配当のうち配当先後関係問題が生じないものにまでその射程を及ぼす点では、「過形成」の領域に踏み込んでいることになる。つまり、Ⅱ3で引用した本件東京高判の3つ目の判示にいう「許される拡張解釈の限度を超えるおそれ」は、配当先後関係問題が生じない場合には、現実のものとなるのである。 本件では、東京地裁の次の説示すなわち「払戻法人の簿価純資産価額が当該剰余金の配当直前の資本金等の額を下回る場合(Y主張の別表2-1によれば、本件はこの場合に当たる。)、すなわち、当該剰余金の配当直前の利益積立金額が0未満(マイナス)である場合」(後記2での引用判示の一部。下線筆者)との説示にみられるように、利益積立金額がマイナスとなっているが、そのような場合には配当先後関係問題が生じないことは、次のとおり的確に論証されている(太田=伊藤編著・前掲書547-550頁[園浦]。太字・下線原文)。税法基準による目的論的解釈の過形成の成否を決する重要な論証であるから、少し長くなるがそのまま引用しておこう。 本件東京高判は、利益積立金額がマイナスである場合に本件が当たることを前提にして、次の見解(太田=伊藤編著・前掲書551-552頁[園浦]。下線筆者)と同様の立場に立って、本件における第1の争点(法税24条1項3号にいう「剰余金の配当(資本剰余金の額の減少に伴うものに限る。)」の意義)に関する判断(Ⅱ3)に基づき、本件配当を配当先後関係問題が生ずる混合配当とは認めず、本件資本配当には法人税法24条1項3号を、本件利益配当には同法23条1項1号をそれぞれ適用する旨の判断を示したものと解される。 なお、以上の検討からすると、本件東京高判のように、税法基準による目的論的解釈の射程を、混合配当のうち配当先後関係問題が生ずるものに限定するのは、極めて論理的で説得力があるように思われるが、それにもかかわらず、本件東京地判は、なぜ「過形成」の領域に踏み込んだのであろうか。それは、Ⅱ1で引用した2つ目の判示で明確に述べられているように、東京地裁が国(Y)の主張の合理性を特段の限定なしに認めたためであると考えられる。 その判示では、配当先後関係問題を「恣意性」や「課税の公平性を損なうこと」の観点から検討した上で、国(Y)の主張の合理性を認めているが、この点について次のような的確な指摘(佐藤修二「判批」税務弘報66巻9号(2018年)139頁、142-143頁。下線筆者)がされている。 この指摘は、剰余金の配当に関する会社法上の原資・時期選択可能性(Ⅱ2参照)と課税の公平性との相克(一般化すれば、私法基準と税法基準との相克)を鋭く突くものであるが、税務行政には後者を重視する傾向がみられる。混合配当に関する次の見解(小山・前掲論文81-82頁。下線筆者)は、(配当先後関係問題それ自体を扱うものではないが)その傾向を端的に示しているように思われる。 この見解にみられる思考方法・思考過程は、本連載の第6回から「租税法律主義と実質主義との相克」という主題の下で検討してきた、実質主義に基づく税法の解釈適用の「過形成」の場面でしばしばみられる思考方法・思考過程に通ずるところがあるように思われる。 ともかく、税法基準による目的論的解釈の過形成の「遠因」は、納税者が私法上選択した行為よりも課税の公平を重視する解釈姿勢にあるといってよかろう。 2 「過形成」が惹起した別の問題 ところで、本件東京地判においては、税法基準による目的論的解釈は、混合配当に関する配当先後関係問題の解決という趣旨・目的に基づく取扱いを、配当先後関係問題が生じない混合配当にまで及ぼし、混合配当一般について利益剰余金を原資とする配当を、資本剰余金を原資とする配当と取り扱うという結果を正当化するものであるが、それが「過形成」の領域に踏み込むものであることは既に述べたところである。 税法基準による目的論的解釈の過形成は、それ自体、租税法律主義の下では許容されない「解釈」(法創造)であると考えられるが、本件東京地判においては、別の問題を惹起した。それは、法人税法24条3項による委任を受けて定められた同法施行令23条1項3号の委任範囲逸脱の問題である。この問題について、本件東京地判は次の判断を示した(下線筆者)。 利益積立金額がマイナスである場合に行われた混合配当について、プロラタ計算(Ⅱ2参照)を行うと、資本金等額対純資産比率(=資本金等の額÷(資本金等の額+利益積立金額))が1より大きくなり、払戻等対応資本金額等が資本剰余金の減少額を上回ることになるため、利益剰余金を原資とする配当が払戻等対応資本金額等に、したがって、対応資本金等の額(法税24条1項柱書にいう「当該法人の資本金等の額・・・・・・のうちその交付の基因となった当該法人の株式又は出資に対応する部分の金額」)に含まれるという結果が生ずることは、プロラタ計算の算式から明らかである。 その計算結果を、「利益剰余金を原資とする部分の剰余金の配当の額が、同法24条1項柱書きの『株式又は出資に対応する部分の金額』に含まれて同法61条の2第1項1号にいう有価証券の譲渡に係る対価の額として認識され、法人税の課税を受けることとなる」(本件東京地判)とみるか、あるいは「[混合配当について配当先後関係問題が生じない場合に]利益剰余金を原資とする配当の一部について税務上は利益の配当としての性質を否認するという『みなし資本の払戻し』規定を明文の規定なく創設した」(太田=伊藤編著・前掲書552頁[園浦])とみるかはともかく、その計算結果が許容されないものであることに異論はなかろう。 本件東京地判の前記判断は、このように、その枠内では、妥当な判断である。しかしながら、そもそも、本件東京高判のように、法人税法24条1項3号にいう「剰余金の配当(資本剰余金の額の減少に伴うものに限る。)」を「資本剰余金を原資とする配当」の意味に解し、混合配当のうち配当先後関係問題が生ずるものに限って、例外的に、これを「資本の払戻し」として整理し、利益剰余金を原資とする配当を、その限りで、資本剰余金を原資とする配当として取り扱うという判断を行っていたとすれば、利益積立金額がマイナスの場合には配当先後関係問題は生じない以上、委任命令規定の委任範囲逸脱の問題について判断する必要はなかったのである。なお、本件東京高判は、「本件の経緯に鑑みて、念のため」として、この問題について仮定的な検討を行い、本件東京地判の判断を引用している。 要するに、本件東京地判は、税法基準による目的論的解釈の過形成の結果、その過形成がなければ判断する必要がなかったであろう委任命令規定の委任範囲逸脱の問題についてまで判断するという、あたかも「ボタンの掛け違い」を前提にしたかのような判断をしてしまったのである。 Ⅳ おわりに 本件東京地判における税法基準による目的論的解釈の過形成について、その「遠因」が、納税者が私法上選択した行為よりも課税の公平を重視する解釈姿勢にあることは既にⅢ1で述べたが、そのより直接的な原因は、目的論的解釈が補完すべき文理解釈の側にもあることを忘れてはならない。最後に、この点について若干検討しておくことにする。 本件東京地判における文理解釈に関する判示(下線筆者)を以下にもう一度引用しておこう。 本件東京地判は、確かに、法人税法24条1項3号及び同法23条1項1号の規定の文言・法文に着目してはいるが、ただ、同地判が解釈結果を導き出す上で決定的な意味をもったのは、両規定が「対」の関係にあるという意味での「文理」及びそれの「論理的帰結」であると解される。したがって、本件東京地判における解釈は、文理解釈ではあるが、論理解釈の要素をも含んでいると解されるが故に、「純粋な意味での文理解釈」(法規の文言・法文を重視しそれにできる限り忠実に行う解釈)とはいえないように思われる。 論理解釈は体系的解釈ともいわれるが、この解釈方法については次のような定義及び解説がされている(田中成明『現代法理学』(有斐閣・2011年)467-468頁。下線筆者)。 このように、本件東京地判における文理解釈の中には、「文理の論理的帰結」という論理操作を通じて、論理解釈の要素が混入していると解されるが、そうすると、論理解釈が法規相互の体系的関連の確定のために目的論的判断を基準とする点で目的論的解釈と親和性がある以上、本件東京地判については、課税の公平のために配当先後関係問題を解決するという目的論的判断が目的論的解釈の基準とされているだけでなく、文理解釈に混入している論理解釈の要素を介して、文理解釈それ自体にも反映されているのではないかとの疑念が生じてくる。 そのような疑念は本件東京地判の次の判示(Ⅱ1の2つ目の引用判示の一部。下線筆者)によって一層大きくなるように思われる。 上記の判示にいう「含みを持たせた規定振り」が意味するのは、「剰余金の配当(資本剰余金の額の減少に伴うもの・・・)」が「資本剰余金のみを原資とする剰余金の配当」だけでなく「資本剰余金と利益剰余金の双方を原資とする剰余金の配当」を含むということである。このことは、本件東京地判における税法基準による目的論的解釈の射程が混合配当一般に及ぶことと一致する。 そうすると、本件東京地判が①文理解釈を補完しその結果を正当化するために目的論的解釈を行ったのか、あるいは②目的論的解釈の基準とした「趣旨」(すなわち、課税の公平のために配当先後関係問題を解決するという目的論的判断)を、文理解釈に混入している論理解釈を通じて、文理解釈の結果に反映させたのか、必ずしも判然としないように思われる。 そのような疑念を払拭するためには、まずは、本件東京高判が「剰余金の配当(資本剰余金の額の減少に伴うもの・・・)」について「もの」及び「・・・に伴う」という文言に忠実な解釈を行ったように(Ⅱ3の1つ目の判示のア)、「純粋な意味での文理解釈」によるべきであり、その上で、税法基準による目的論的解釈の射程を限定し、そのような目的論的解釈をも踏まえて最終的な解釈結果を導き出すようにすべきであろう。本件東京地判の前記判示に対する本件東京高判の次の判示(下線筆者)は正当である。 要するに、目的論的判断の要素を含まない「純粋な意味での文理解釈」こそが、租税法律主義の下での厳格な解釈の要請に最もよく適合し(【44】参照)、目的論的解釈の「過形成」に対する歯止めともなると考えるところである。 (了)
最近の子会社不正をめぐる傾向と防止策 【第2回】 「持株会社による事業会社の統制」 税理士・公認不正検査士(CFE) 米澤 勝 主に2019年になって公表された調査報告書から、「子会社不正」について検討する本連載の【第2回】は、「持株会社による事業会社の統制」をテーマとして取り上げる。 上場している持株会社の数について、直近での統計値は見当たらず、少し古いデータではあるが、独立行政法人経済産業研究所の調査では、2013年までに移行を予定している企業を合わせると425社に達するということであった。この数はその後も増え続けているものと考えられる。 持株会社化の目的としては、 の2つに大別されるが、本稿では(1)の事案として、すてきナイスグループ株式会社、(2)の事案として、株式会社LIXILグループについて、それぞれの子会社において発生した不適切な会計処理について、調査報告書の内容を概説したうえで、再発防止策を検討する。 また、持株会社ではないものの、コーポレート・ガバナンスの要となる親会社による販売子会社の統制について、ホシザキ株式会社の事案をもとに検討する。 1 株式会社LIXILグループ、連結子会社における不適切な会計処理 2019年6月に開催された上場会社の株主総会のうちで、最も注目を集めていたのは、株式会社LIXILグループ(以下「LIXILグループ」と略称する)であった。2018年10月以来、対立が伝えられていた潮田洋一郎氏(代表執行役会長兼CEO)と前CEOである瀬戸欣哉氏のどちらが株主の信任を得て、LIXILグループを率いていくこととなるのかに係る株主総会の結果については、本稿の主旨からは逸れるため、ここでは論じない。 ただ、LIXILグループのコーポレート・ガバナンスを考えるうえで1つ強調しておきたいことは、連結売上高1兆8,000億円、約300社の事業会社を有するLIXILグループではあるが、本体の従業員はわずか56名しかいないという事実である。 (1) 連結子会社における不正 LIXILグループは2019年2月8日、「当社子会社における不適切な取引行為に係る特別調査委員会設置に関するお知らせ」を公表して、連結子会社である株式会社LIXILリニューアル(以下「LIXILリニューアル」と略称する)において、内部監査部門からの内部通報に基づき調査した結果、社内業績評価指標の達成を企図した実態のない受注物件が存在していたことを明らかにした。 (2) 特別調査委員会による調査結果 特別調査委員会は、調査開始後、株式会社LIXIL(以下「LIXIL」と略称する)のビルディングテクノロジー事業部門において、すでに社内調査が実施され、先行売上が行われていたこと、連結子会社株式会社LIXIL鈴木シャッター(以下「LIXIL鈴木シャッター」と略称する)で不適切な会計処理を示唆する匿名の情報提供があったことを把握した。 そこで、委員会は、調査対象をLIXILリニューアル、LIXILのビルディングテクノロジー事業部門、LIXIL鈴木シャッターなどに拡張して調査を行った。 調査の結果、対象企業においては、過年度より、①工事完了日を操作し、売上計上基準に違反して早期に売上を計上する行為、②受注物件を恣意的に分割し、工事が完了したものだけ早期に売上を計上する行為が、合計723件認められた。 委員会は、これら売上の先行計上は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠していないものと判断している。 (3) LIXILグループの内部監査体制 指名委員会等設置会社であるLIXILグループの2019年3月期有価証券報告書における「コーポレート・ガバナンスの体制図(p.49)には、「内部監査」という組織の記載がない。一方、有価証券報告書74ページには、「内部監査の状況」について、次のような記述がある。 これら2つの記載内容から、LIXILグループでは、持株会社には内部監査部門を置かず、主要な事業子会社(例えばLIXILなど)に内部監査部門を配置し、監査委員、会計監査人と相互に連携していることがうかがえる。 (4) 再発防止策の提言 特別委員会による「再発防止策の提言」は「不正のトライアングル仮説」に基づき、「機会」、「正当性化」及び「動機」のそれぞれを排除する方法論となっていて、とくに、スリー・ライン・ディフェンスの考えに立脚した「機会」の排除については、一般的な再発防止策としては、参考になる記述であった。 ただ、提言された再発防止策では、LIXILグループが持株会社であり、限られた人的資源で約300社の事業会社をどのようにコントロールしていくべきかという視点が欠けている点には不満が残る。 例えば、事業子会社であるLIXILの内部監査部門が、持株会社の監査委員とどのように連携するのが望ましいのか、事業子会社の内部監査計画や監査結果報告に責任を持つ役職として、持株会社にどのような組織を置き、人員を配置すべきなのかといったことは、現状のLIXILグループにおける運用と比較したうえで、是正すべきところがあれば提言として報告すべきだったといえるのではないだろうか。 2 すてきナイスグループ株式会社 2019(令和元)年7月25日、すてきナイスグループ株式会社(以下「すてきナイス」と略称する)は、同社の元代表取締役会長兼CEOの平田恒一郎氏(以下「平田元会長」と略称する)をはじめとする3名の元取締役が、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)で、横浜地方検察庁に逮捕されたというリリースを公表した。 逮捕との因果関係は不明であるが、すてきナイスは、その前日、第三者委員会による調査報告書を受領して、公表していた。 (1) 嫌疑の概要 すてきナイスは、平成26年10月31日、2015(平成27)年3月期決算の業績予想における売上高をそれまでの267,000百万円から、250,000百万円に下方修正した。しかし、実態はさらに業績悪化が進んでおり、すてきナイス及び中核の事業会社である株式会社ナイス(以下「ナイス」と略称する)経営陣は、グループ外支配会社(※)に対する土地やマンションなどの不動産販売、投資有価証券の売却、連結対象としていなかった子会社のうち業績の良い子会社等を連結に組み入れるなどの決算対策を行った。その結果、公表した実績は、売上高235,775百万円となり、予想との比較で△14,225百万円(△5.7%)にとどまった。 (※) 第三者委員会の定義によれば、「すてきナイスと直接又は間接の資本関係がないものの実質的にナイスグループが支配している会社」であり、本件では、平田元会長個人が大株主であり、ナイスグループ社員が取締役に就任していることなどが問題視された。 第三者委員会設置の経緯となったのは、このうち、グループ外支配会社2社に対する土地やマンションなどの販売について、売上として計上することが会計基準に違反していないかどうかということである。 第三者委員会は、このうち1社との取引について、「すてきナイスの平成27年3月期の『決算対策』として、経済的実体のない売上・利益の計上目的」で行われたものであったこと、ナイスが実質的に支配していることから子会社と認定されること、また、譲渡不動産の対価がナイスグループの他社からの融資によって決済されていることから、「財貨の移転」がなされているとはいいがたいことなどを理由に、本件不動産の販売とそれに伴う仲介手数料の売上計上は認められないと判断した。 (2) 監査役による会計監査人への相談 第三者委員会によって売上計上が不適切であったと判断された取引については、当時、すてきナイス及びナイスの常勤監査役であった神長博志氏が、会計上の疑義があると感じて、平成27年4月に、すてきナイスの会計監査人である監査法人原会計事務所の公認会計士に報告・相談しているが、同公認会計士は、同年5月ころ、「ザナック(筆者注:販売先の会社)が関係会社に当たると仮定しても、取引に会計上の問題はない」旨の説明を行ったということである。 これに対し、第三者委員会は、連結の範囲の検討や嫌疑の対象となった不動産販売取引に関する監査手続き及び判断について、すてきナイスの主張を批判的に検討すべきものと考えられる場面が存在し、より慎重な対応が求められたものと思料するとコメントしている(報告書p.169)。 なお、原会計事務所は、昭和37年当時の東証2部上場時からすてきナイスの会計監査を担当しているということであり、こうした長い受任期間が原因で、「馴れ合いや緊張感の欠如によって監査上の判断が甘くなる」ことが原因の1つとして指摘されるようであれば、現在、議論が進められている「会計監査人のローテーション制度」の導入に一石を投じるものとなるかもしれない。 (3) 原因分析 第三者委員会は、「直接的な原因」として、「動機」「機会」「正当化事由」という、「不正のトライアングル仮説」に基づく分析を行った後、「背景事情(間接的な原因)」として、次の7項目を挙げている。 今回逮捕が報じられた創業家出身で大株主でもある平田元会長の強い影響力を原因のトップに挙げ、その結果として、再発防止策のトップには「経営陣の刷新」が提言されている。こうした原因分析は、嫌疑の対象となった不動産取引について、平田元会長が了解していたという事実に基因している。 また、「ガバナンス、内部統制の不全」の中では、すてきナイス及びナイスに共通する内部監査部門について、「1人又は2人が担当しているに過ぎなかった」うえ、ナイスの監査室は「社長直轄の組織ではなく、経営推進本部の管轄下にあり、経理部を含む経営推進本部に対して適正に牽制機能を果たすことが難しい組織となっていた」と指摘して、不適切な不動産販売取引が行われたことの間接的な原因としている。 なお、すてきナイスグループ全体の従業員数2,654名に対し、持株会社の従業員数は20名であり、有価証券報告書によれば、「総務及び財務等の管理部門」の人員であるということである(2019年3月期有価証券報告書p.8)。 3 ホシザキ株式会社、販売子会社における不適切な売上計上 ホシザキ株式会社(以下「ホシザキ」と略称する)の連結子会社である地域販売会社のうち複数で、不適切な会計処理が行われていた事案については、弊誌連載中の「会計不正調査報告書を読む」【第88回】でも取り上げたところである。 ホシザキは純粋な持株会社ではないものの、主力製品であるフードサービス機器の研究開発と製造を親会社であるホシザキが行い、国内に15社ある販売子会社が地域ごとの販売と保守サービスを行うという役割分担のもと、成長を続けていた。 グループ全体の従業員12,982人のうち、親会社の人員は1,160人であり、少数の親会社従業員がグループ全体のコーポレート・ガバナンスを司るという点では、持株会社に類似した統治機構を有しているといえるだろう。 (1) 販売子会社による不正の手口 第三者委員会が調査対象とした不正行為の類型は次のとおりである。 国内販売を行う15社のうち、5社で同様の不正が行われていたことが、調査の結果、判明している。 (2) 取締役の兼務状況 第三者委員会が挙げた原因のうち、ホシザキに特有な原因として、取締役の過剰な兼務を見ておきたい。 調査時点において、ホシザキの国内販社15社のうち、国内営業部門担当である常務取締役丸山暁氏は10社で取締役(うち8社では代表取締役社長)を兼務し、取締役の尾﨑司氏は4社で取締役(うち1社では代表取締役社長)を兼務していた。しかも、こうした「特異な人事」は、10年以上前から続いていた。 その後、6社で社長交代があり、両氏の兼務負担は減少しているようだが、それでも、第三者委員会が「再発防止策」として提言した「大幅な人事刷新」と「次世代を担う経営人材の育成」が急務であることは間違いない。 (3) ホシザキにおける内部監査体制 ホシザキの2019年3月期有価証券報告書に記載されたコーポレート・ガバナンス体制図によれば、ホシザキの内部監査室は、監査等委員会、会計監査人と連携しながら、ホシザキの執行部門及びグループ会社の内部監査を行うことが明示されている(p.35)。そのうえで、「内部監査及び監査等委員監査の状況」には以下のように記載されている(p.37から一部抜粋)。 (4) コンプライアンス・内部統制強化策 ホシザキは、5月29日に「コンプライアンス・内部統制強化策等について」をリリースして、以下のとおり、「コンプライアンス・内部統制強化策」を公表した。 全文でA4用紙2枚のリリースの中で、強化策6項目プラスそれぞれの具体策が各2項目で構成された再発防止策は、第三者委員会による提言よりもさらに抽象的であるだけではなく、これから設計・構築を行う項目と現在の機能の強化を図る項目とが混然としており、具体性に欠けるのみならず、何を優先すべきかという点もわかりづらいものとなっている。 4 持株会社によるグループ全体の内部監査体制はどうあるべきか 本稿で取り上げたLIXILグループ、すてきナイスグループともに、内部監査については中核となる事業会社にグループ全体の内部監査を担当する部署を置き、持株会社の内部監査部門は存在しなかったり(LIXILグループ)、持株会社の内部監査部門が事業会社と兼務であった(すてきナイスグループ)という状況であった。 事業会社に内部監査部門を置き、スリー・ライン・ディフェンスの機能を事業会社で完結させ、持株会社には内部監査機能を持たせないというのも1つの考えではあろうが、本来であれば、持株会社に内部監査機能を集約して、グループ全体の内部監査を横断的に行うことによって内部統制の強化を図るべきではないかと考える。 こうした組織論についての、1つの参考として、すてきナイスグループの第三者委員会による提言を取り上げたい。第三者委員会は、調査報告書(p.166)において、持株会社化の目的を次のように述べている。 そのうえで、第三者委員会は、再発防止策の1つとして、「すてきナイス及びナイスの位置づけの再検討」を促している(調査報告書p.172)。 持株会社と事業会社が一体として機能、運営していたのでは、持株会社が事業会社の事業遂行について適切に監視監督を行うことはできない。そういう提言として、筆者は受け取った次第である。 (了)
M&Aに必要な デューデリジェンスの基本と実務 -財務・税務編- 公認会計士・公認不正検査士 松澤 公貴 第5節 事業計画の検討 【第32回】 「事業計画の検討」 ▷事業計画の検討事項 デューデリジェンスにおいて、対象会社が作成した事業計画の分析は、将来キャッシュフロー等の情報を用いる企業評価の基礎となるため重要であり、対象会社より提示された予測財務情報に関して、下記の事項を検証することになる。 ◆事業計画検討のイメージ そして、対象会社が作成した事業計画について、下記のポイントを重点的に検討する必要がある。 対象会社が作成した事業計画に影響が反映されていない要因を発見した場合には、当該要因について対象会社等と討議するとともに、必要に応じて事業計画に織込むことになる。また、対象会社によっては、事業計画の作成は、様々な分析手法や計画作成手法を駆使して複雑な作業となる場合がある。 したがって、事業計画の作成過程を理解して、その順序通りに検討を進めることが効率的である。それを踏まえて、事業計画の前提条件を把握し、事業戦略の仮説を構築し、必要な内外の事業環境の分析が行われた上で、事業計画が作成されているかを確認する必要がある。 なお、不確実性が増すため、新規事業は織り込まないほうが無難である。 ▷事業計画数値の検討 事業計画が将来の予測という性格上、どんなに詳細で緻密な調査や分析を行ったところで、完璧な事業計画を作成することはできない。そのため、数値を左右するパラメータである、市場規模、売上高成長率(販売単価、販売数量)などに関する仮定をどのように設定するかによっても、予測売上高や予測利益の水準はまったく異なってくることになる。 そこで、M&Aにおいては、想定し得る複数のシナリオを用意することにより、そのシナリオごとに事業計画をシミュレーションするのが一般的である。したがって、通常、現実的に想定したベースシナリオを中心に、事業シナジーをほとんど発揮できない場合の「悲観的シナリオ」、及び事業シナジーを最大限発揮できた場合の「楽観的シナリオ」といった具合に複数のシナリオが設定されることになる。 事業計画は、一般的に、①予測損益計算書から、②予測貸借対照表を作成し、将来キャッシュフローの金額を作成していくことになるため、どのように数値が構成されているかを精緻に検討する必要がある。 ① 予測損益計算書 予測損益計算書は、過去の損益計算書や将来の販売計画書などをもとに、損益計算書を構成する売上高、売上原価、販売費及び一般管理費等の区分ごとに数値が構成されている。 予測売上高については、正常収益力の分析の結果により、商品やサービスの単価及び販売量をそれぞれ見積もることによって計算する。単価は過去の趨勢や投下商品の戦略的値下げなどを織り込み、販売量に関しては、当該商品やサービスの市場規模、その市場における対象企業のシェアを予測することによって求める。なお、正常収益力の分析結果と将来のマクロ経済環境の見通しから、予測期間にわたって一定の成長率で推移するものと仮定して簡便的に算出することもある。 予想営業費用(売上原価・販売費及び一般管理費)については、営業費用に属する減価償却費とそれ以外の売上原価に区分し、それぞれ売上高に対する比率を見積もったり、営業費用を固変分解したり、両者を併用しながら、当該比率を各期の予測売上高に乗じて算出する。売上高に対する比率は、過去の業績分析の結果に関する検討を踏まえて数値を決定することになる。 予測営業外損益については、受取利息配当金と支払利息のほか、対象企業の状況に応じて必要な科目を設定し、見積もることになる。支払利息は、予測貸借対照表より有利子負債の平均残高に予想利子率を乗じて計算する方法で求める。その他の営業外損益は、予想金額を確実に見積もることのできるものを除き、予測期間を通じて金額が一定で推移するものと仮定しても差支えないであろう。 予測法人税等については、通常、税引前当期純利益に実効税率を乗じて金額を見積もることになる。 ② 予測貸借対照表 予測貸借対照表は、資本回転率(回転期間)の考え方を用いて、予測期間における各期の残高を求める方法が用いられて作成されている。 予測貸借対照表のうち、事業投下資産を構成する必要現預金、運転資本、固定資産(設備投資計画)などについては、過去の業績分析で算出した各勘定科目の対売上比率を予想売上高に乗じることによって算出する。 予測貸借対照表のうち、有利子負債については、追加の調達や返済に関する具体的な計画が明らかになっている場合、その実現可能性を検討した上で、当該計画をベースに残高が推移するものと仮定する。 予測貸借対照表のうち、上記以外のその他資産、及びその他固定負債については、これらの勘定科目に影響を与えるような具体的な計画が明らかになっていない限り、直近の残高がそのまま一定で推移するものと仮定する。 上記の勘定科目に関する予想残高がすべて求められた結果生じた貸借差額は、貸借一致するよう余剰現預金の科目で調整することになるが、貸借差額を調整した結果、余剰現預金がマイナスになる場合、運転資本が不足していることを意味しているため、十分に検討する必要がある。 ◆事業計画立案のよくある失敗例 (〔財務・税務編〕終了)
改めて確認したいJ-SOX 【第6回】 「「決算・財務報告プロセスに係る内部統制の評価」の 具体的なイメージを掴む」 仰星監査法人 公認会計士 竹本 泰明 前回までに「全社的な内部統制の評価」及び「業務プロセスに係る内部統制の評価」を説明してきました。今回は、「決算・財務報告プロセスに係る内部統制の評価」について説明します。 この決算・財務報告プロセスに係る内部統制には、全社的な観点で評価するものと個別の業務プロセスとして評価するものの2種類があり、J-SOXの実務ではとてもメジャーな論点です。 しかし、「財務報告に係る内部統制基準・実施基準」では、あまり目立つような記載はされておらず、「決算・財務報告」といった単語が含まれる規定は、次の規定くらいしかありません。 Ⅱ2.(2) 評価の範囲の決定 [業務プロセスに係る評価の範囲の決定] Ⅱ3.(3)④ 業務プロセスに係る内部統制の運用状況の有効性の評価 ハ.運用状況の評価の実施時期 ニ.評価の実施方法の決定に関する留意事項 b.決算・財務報告プロセス 内部統制基準・実施基準では、決算・財務報告プロセスに係る内部統制について直接的に書かれている箇所が少ないため、具体的なイメージを掴みにくいという特徴があります。 そこで今回は、決算・財務報告プロセスに係る内部統制について、全社的な観点で評価するものと個別の業務プロセスで評価するものに分けて、体系立てて説明していきます。 1 全社的な観点で評価する決算・財務報告プロセス (1) 内部統制のイメージ 「全社的な観点で評価する決算・財務報告プロセスに係る内部統制」についての明確な定義はありませんが、「全社的な観点で評価する決算・財務報告プロセスに係る内部統制」とは、営業部などの各部門が生成した勘定科目ごとの情報を集約する決算業務や財務報告業務に係る内部統制といえるでしょう。 例えば、次のようなものが該当します。 【図表1】 全社的な観点で評価する決算・財務報告プロセスに係る内部統制のイメージ (2) 評価範囲 全社的な観点で評価する決算・財務報告プロセスに係る内部統制は、全社的な内部統制に準じて評価します。そのため、すべての事業拠点について内部統制を評価する必要があります。また、実務上は、全社的な観点で評価する決算・財務報告プロセスに係る内部統制の評価範囲(事業拠点)と全社的な内部統制の評価範囲(事業拠点)は一致することが一般的です。 なお、全社的な内部統制の評価範囲をどのように決定するかについては、本連載の【第3回】をご参照ください。 (3) 整備状況・運用状況の評価 ① 評価項目 既述のとおり、全社的な観点で評価する決算・財務報告プロセスに係る内部統制についての明確な定義はありません。そのため、全社的な観点で評価する決算・財務報告プロセスに係る内部統制として、どこまで評価すればいいか実務上、迷う部分ですが、一般的には次のようなものを全社的な観点で評価する決算・財務報告プロセスに係る内部統制の評価項目とすることが多いように感じられます。 【図表2】 親会社の全社的な観点で評価する決算・財務報告プロセスに係る内部統制の評価項目例 上記はあくまで一例であり、個別の会社の状況によって評価項目が変わることも考えられます。 ② 評価時期 冒頭にも書いたとおり、決算・財務報告プロセスに係る内部統制の運用状況の評価については、当該期において適切な決算・財務報告プロセスが確保されるよう、期末日までに内部統制に関する重要な変更があった場合には適切な追加手続が実施されることを前提に、前年度の運用状況をベースに、早期に実施されることが効率的・効果的です。 そのため、実務的には前期末や四半期の内部統制を対象にして、整備状況・運用状況の評価を比較的に早い時期に実施することが多いように感じられます。 ③ 評価方法 全社的な観点で評価する決算・財務報告プロセスに係る内部統制は、全社的な内部統制に準じて評価するため、具体的な評価方法については、本連載の【第4回】をご参照ください。 2 固有の業務プロセスとして評価する決算・財務報告プロセス (1) 内部統制のイメージ 次の観点から個別に評価対象として追加されたものが、固有の業務プロセスとして評価する決算・財務報告プロセスに該当することになります。 実務上、引当金の計上に関する業務プロセスが固有の業務プロセスとして評価する決算・財務報告プロセスに含まれることが多いですが、これは上記(b)に該当するためです。 (2) 評価範囲 固有の業務プロセスとして評価する決算・財務報告プロセスは、業務プロセスに係る内部統制として評価されますが、評価範囲について異なる点があります。 それは、売上プロセスなど企業の事業目的に大きく関わる勘定科目に至る業務プロセスは、重要な事業拠点(本連載の【第3回】を参照)の中から識別されましたが、固有の業務プロセスとして評価する決算・財務報告プロセスは、重要ではない事業拠点の中から識別されることもあるという点です。 つまり、固有の業務プロセスとして評価する決算・財務報告プロセスは、財務報告への影響を勘案して個別に評価対象に追加されるため、必ずしも重要な事業拠点に限らないということです。 (3) 整備状況・運用状況の評価 ① 評価項目 固有の業務プロセスとして評価する決算・財務報告プロセスは、業務プロセスに係る内部統制として評価されるため、個別の決算の手続(手順)を文書化し、それについて統制上の要点を識別し、評価していくことになります。 基本的な評価の流れは業務プロセスに係る内部統制の評価と同じですので、詳細は本連載の【第5回】をご参照ください。 ② 評価時期 全社的な観点で評価する決算・財務報告プロセスと同様に、決算・財務報告プロセスに係る内部統制の運用状況の評価については、期末日までに内部統制に関する重要な変更があった場合には適切な追加手続が実施されることを前提に、前年度の運用状況をベースに、早期に実施されることが効率的・効果的です。 そのため、固有の業務プロセスとして評価する決算・財務報告プロセスに係る内部統制も、実務的には前期末や四半期の内部統制を対象にして、整備状況・運用状況の評価を比較的に早い時期に実施することが多いです。 * * * 決算・財務報告プロセスは、財務報告に係る内部統制に直接的に関連するプロセスです。そのため、評価にあたっては本当に内部統制が有効に機能しているかどうか慎重に見極める必要があります。 次回は、ITを利用した内部統制の評価について説明します。 (了)
企業結合会計を学ぶ 【第25回】 「子会社が親会社に分割型の会社分割により 事業を移転する場合の会計処理」 公認会計士 阿部 光成 Ⅰ はじめに 今回は、共通支配下の取引等の会計処理のうち、子会社が親会社に分割型の会社分割により事業を移転する場合の会計処理について解説する。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。 Ⅱ 個別財務諸表上の会計処理 1 概要 子会社が親会社に分割型の会社分割により事業を移転する場合、個別財務諸表上、次のように会計処理する(結合分離適用指針218項、221項、443項)。 ◎親会社(吸収分割承継会社) 【資産及び負債の会計処理】 親会社が子会社から受け入れる資産及び負債は、企業結合会計基準41項により、分割期日の前日に付された適正な帳簿価額により計上する。 【増加すべき株主資本の会計処理】 親会社は、子会社から受け入れた資産と負債との差額を結合分離適用指針206項に準じて会計処理する(結合分離適用指針448項)。 結合分離適用指針206項(2)①アの「子会社株式の適正な帳簿価額」は親会社が会社分割直前に保有していた子会社株式(分割に係る抱合せ株式)の適正な帳簿価額のうち、受け入れた資産及び負債と引き換えられたものとみなされる額と読み替える(下記2を参照)。 当該組織再編において、親会社は、子会社に対して新株を発行(又は自己株式を処分)すると同時に、子会社から当該株式を配当として受け取ることとなるため、親会社は発行した新株(又は処分した自己株式)を自己株式として保有することになる。 会計上、親会社による新株の発行(又は自己株式の処分)と当該自己株式の取得は一体の取引とみて、親会社が受け入れた自己株式の帳簿価額はゼロとする(自己株式を処分した場合には、当該自己株式に対応する適正な帳簿価額を付す)。 (※) 上記のほか、中間子会社に対価の支払を行う場合の取扱い、孫会社が子会社に分割型の会社分割により事業を移転する場合(子会社が吸収分割承継会社となる場合)の取扱いも規定されている。 ◎子会社(吸収分割会社) 事業分離等会計基準63項により、分割型の会社分割は、会社分割と、これにより受け取った吸収分割承継会社の株式の分配という2つの取引と考えられている。このため、次のように会計処理する。 【会社分割の会計処理】 吸収分割会社である子会社は、最初に結合分離適用指針226項に準じた会計処理を行う。 【現物配当の会計処理(株主に比例的に割当を行う場合)】 上記の処理の次に子会社は、受け取った親会社株式(吸収分割承継会社の株式)の取得原価により株主資本を減少させる。 減少させる株主資本の内訳は、取締役会等の企業の意思決定機関において定められた結果に従う(「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第2号)10項)。 2 分割に係る抱合せ株式の適正な帳簿価額のうち、受け入れた資産及び負債と引き換えられたものとみなされる額の算定 分割に係る抱合せ株式の適正な帳簿価額のうち、受け入れた資産及び負債と引き換えられたものとみなされる額は、次のいずれかの方法のうち合理的と認められる方法により算定する(結合分離適用指針219項、443項)。 ① 関連する時価の比率で按分する方法 分割された移転事業に係る株主資本相当額(結合分離適用指針87項(1)①)の時価と会社分割直前の子会社の株主資本の時価との比率により、子会社の株式の適正な帳簿価額を按分する。 ② 時価総額の比率で按分する方法 会社分割直前直後の子会社の時価総額の差額を分割された事業の時価とみなし、会社分割直前の子会社の時価総額との比率により、子会社の株式の適正な帳簿価額を按分する。 ③ 関連する帳簿価額(連結財務諸表上の帳簿価額を含む)の比率で按分する方法 分割された移転事業に係る株主資本相当額の適正な帳簿価額と会社分割直前の子会社の株主資本の適正な帳簿価額との比率により、子会社の株式の適正な帳簿価額を按分する。 3 親会社が子会社から受け入れる資産及び負債の修正処理 前述のように、親会社が子会社から会社分割により受け入れる資産及び負債は、原則として、適正な帳簿価額により計上することになる。 次のことに注意する(結合分離適用指針220項)。 Ⅲ 連結財務諸表上の会計処理 親会社が減少させた子会社株式(分割に係る抱合せ株式)の適正な帳簿価額及び発生した抱合せ株式消滅差額(結合分離適用指針218項(2))は、企業結合会計基準44項により、内部取引として消去する(結合分離適用指針222項)。 (了)
税務争訟に必要な 法曹マインドと裁判の常識 【第10回】 「法曹マインドを踏まえた税務調査段階における留意点」 弁護士 下尾 裕 今回からは、これまでの連載を踏まえたまとめとして、改めて読者である税理士(会計専門家、さらには会計税務に関わる企業関係者の方)が法曹マインドを理解する意味について確認した上で、税務調査以降の各場面における留意点等について整理してみたい。 1 法曹マインドを理解する意義 改めて、税務において「法曹マインド=法曹の思考」を理解する意義を整理したい。 結論から言えば、その意義の大きな部分は、税務に関する最終判断権者である裁判官の思考を理解することにある。 すなわち、読者の皆様が税務調査に関与される場面では、税務調査官との見解の相違がある事項について反論を行い、落としどころを探っていくことがほとんどであると思われるが、こうした作業を行う上では、見解の相違がある事項について税務訴訟で争った場合の最終的な見通し(※)を適切に把握する必要がある。この見通しを得るためのツールこそが「法曹マインド」である。 (※) もちろん、税務訴訟における最終結論は、実際に訴訟を終えてみなければ分からない。その意味で、ここでいうところの「見通し」とは、決して完全なものではなく、どの程度の勝算があるのか、どの程度の根拠資料等が準備できるのかという検討を一定の精度をもって行うということに尽きる。その上で、納税者側が、どこまで課税当局との間で見解の相違を争うのかという点については、単純な勝算の有無だけでなく、事業等への影響の有無、さらには経済的合理性があるのかといった事項も踏まえた総合判断となる。 読者の皆様におかれては、この機会に一度、ここまでの連載を読み返していただき、連載の中で説明された法曹(裁判官)の感覚ないし実務とご自身の感覚とで異なる点があるかどうか、改めて確認してみていただきたい。 【第1回】で述べたとおり、本連載の主題の1つは、同じ税務に携わる法曹・税理士間で生じるスレ違いを紐解いてみることにあったが、ご自身が感じられる違和感こそがご自身の感覚と法曹マインドとの差異であり、その違いの所在を理解していくことで、税務調査等の場面において、より適切な見通しを立てることが可能になるはずである。 【イメージ図】 2 法曹マインドを踏まえた税務調査等における留意点(総論) では、法曹マインドを理解した上で、税理士等が税務調査に対応するにあたって、具体的にどのような点に留意すべきであろうか。 私見として税務調査段階での留意点を挙げると以下のとおりとなるが、特に意識していただきたいのは、税務訴訟において当事者双方の主張の根拠となる資料等の収集は税務調査段階で大半が完結するということであり、それゆえ税理士としても、いかに早期に事案の適切な見通しを立てられるかが勝負になる、ということである。 (1) 早期の争点明確化 当然ながら、税務調査の場面で法曹マインドを適切に活用するにあたっては、当該事案の争点を把握することが大前提になる。もちろん、税務調査の具体的場面、特に初期段階においては税務当局の問題意識が明確でない事案も少なからず存在するが、税務調査官とのやりとりを通じて、断片的情報は取得できるはずであり、こうした断片的情報と依頼者からの情報を突合することにより早期に争点を明確化していくことで、法曹マインドを用いた争点の見通しを立てることが可能になる。 また、争点を明らかにするにあたっては、それが事実認定に関する争点であるのか、それとも法令適用(法令解釈)に関する争点であるのかを明確に意識していくことが有用である。その意味するところは、争点がいずれであるかによりその後の対応等が異なってくることにあるが、詳細については以下の項、さらには次回以降の連載において、改めて解説させていただきたい。 (2) 事実認定が問題となる場面における留意点 争点を明確化した時点において、当該争点が事実認定に関わる事柄である場合には、速やかに手元の契約書等、事実関係を立証できる手元資料等がどの程度あるか、逆に税務調査官の主張する事実関係に沿う証拠がどの程度あるかといった点を分析する必要がある。 その上で、【第6回】で述べたとおり、納税者側が不利である場合(言い換えれば、経験則に照らせば納税者の主張する事実が認められにくい状況にある場合)には、なぜ例外的な場面が生じたのかということの合理的理由等を積極的に説明していく必要がある。 また、逆に納税者側が有利である場合でも、一度、税務調査の初期段階において納税者の意に沿わない内容又は事実認定上不利となる内容を含む質問応答記録書等が作成されてしまうと、納税者が劣勢に立たされる場面も生じてくることになることから、調査の過程を通じて質問応答への対応、さらにはその是正が必要になろう。 なお、税務調査段階では、税務調査官が事前の資料収集及び反面調査でどのような証拠を収集しているのかが明らかではないことから、本当の意味での有利不利の判定が困難な場面がある。ただし、税務調査官の説明を聞いたり、納税者側に確認するなどすれば、税務当局の手持証拠や想定される反面調査先、さらには反面調査先がどのような資料を保有しており、どのような説明を行うかということについてある程度の幅をもって予想することは可能であろうから、こうした予想を踏まえつつ、調査の進行に応じて軌道修正を行っていく姿勢が重要になろう。 (3) 法令解釈等が問題となる場合の留意点 法令解釈等が問題となる場合の留意点としては、まずは、過去の裁判例・裁決例を踏まえ、同種の争点における判断の傾向を分析することである。また、問題となっているのが借用概念の解釈等、私法上の概念の考え方等に関わる場合には、時には納税者の顧問弁護士等に協力を仰ぐなどして、私法上の概念の解釈等を調査していく必要がある。 その上で、税務調査官の意見が、過去の裁判例等又は私法上の概念に関する解釈等と相反する場合にはその点を明確に指摘するべきであるし、逆に、これらが納税者に不利であれば、その点を十分に踏まえた上で対応していく必要がある。 特に、納税者側が税務争訟を見据えている場合には、税務当局側においても審理セクションと協議しつつ処分の是非及び内容等を整理していくことが多いことから、納税者側に有利な裁判例・裁決例等があれば税務調査段階から積極的に提示していくことが有用と思われる。 * * * 次回は、税務調査が終了し、税務争訟を行う場合の留意点等について述べたい。 (了)
〔“もしも”のために知っておく〕 中小企業の情報管理と法的責任 【第18回】 「営業秘密を他社に開示する際の留意点」 弁護士 影島 広泰 -Question- 他社との協業にあたり、自社の営業秘密である顧客リストを開示することになりましたが、どのような点に留意して開示を行えばよいでしょうか。 -Answer- 「開示する情報を秘密として管理する意思がある」ことを、開示を受ける会社に伝えることが重要です。 例えば、①守秘義務契約書(NDA・CA)を締結した上で開示する、②送り状に営業秘密であることを記載するなどが考えられます。 顧客名簿や製造のノウハウなどの営業秘密を他社に開示する場合、開示を受けた会社がそれらの情報を目的外で勝手に使ったり、無断で第三者に開示することなどを防止しなければならない。そのために、自社としては何をすべきであろうか。 1 営業秘密を他社に開示する際に必要なこと 他社へ開示する情報が不正競争防止法(以下「不競法」)が定める「営業秘密」に当たる情報であれば、開示を受けた会社が、不正の利益を図る目的でそれを使用したり、第三者に開示した場合(不競法2①七)などには、自社としては、それを差し止めたり、損害賠償請求することができる。したがって、他社に情報を開示する際には、それが「営業秘密」に当たる形で開示することが重要である。 【第7回】で述べたとおり、「営業秘密」とは、①「」、②「」情報であって、③「」のことをいう。この3つの要件を全て満たすものだけが営業秘密として保護される。 そして、①「」(秘密管理性)とは、単に会社が秘密にしたいという意思を持っているだけでは足りず、その情報にアクセスした者にとって、その情報が秘密であることを十分に認識できる状態になっていなければならないとされていることも【第7回】で述べたとおりである。 今回のケースでいえば、開示を受けた会社が、「この情報を開示している会社は、この情報を秘密として保護する意思があるのだ」と認識できるようにしておくことがポイントである。 2 秘密保持契約書(NDA・CA)の締結 「この情報を秘密として保護する意思がある」と開示を受けた会社に認識してもらうために、最も端的かつ一般的に行われているのが、秘密保持契約書や守秘義務契約書(Non-Disclosure Agreement(NDA)・Confidentiality Agreement(CA))と呼ばれる契約書を締結した上で、それに基づいて開示する方法である。 例えば、まずは、以下のように秘密情報を定義する。 その上で、以下のように、その秘密情報について、適切な管理を求め、目的外利用を禁止し、第三者への開示等を規制しておくのである。 (出典) 経済産業省「【参考資料】秘密情報の保護ハンドブック ~企業価値向上にむけて~」p.24 このようにしておけば、この契約の「秘密情報」に当たる情報については、開示する会社が秘密として保護する意思があることは、開示を受ける会社にとって明らかである。 これにより、開示した情報が「営業秘密」として保護されることになり、開示を受けた会社による不正使用や第三者への開示の際に、差止請求や損害賠償請求ができる可能性が出てくるのである。 3 契約以外の書類や送り状に「秘密」であることを記載しておく方法 以上のとおり、秘密保持契約書を締結した上で開示するのが最も端的かつ一般的であるが、営業秘密として保護するためには、要するに「この情報を秘密として保護する意思がある」ということを開示を受けた会社に認識してもらえればよいので、手段は契約書だけに限られない。 経済産業省が公表している「営業秘密管理指針」によれば、取引先との力関係上、秘密保持契約書の締結が困難な場合には、「自社では営業秘密として管理されているという事実の口頭による伝達や開示する文書へのマル秘表示によっても、自社の秘密管理意思を示すことは、理論上は可能である」とされている。ただし、後に裁判になったときに、“口頭で秘密だと説明した"という事実の立証は難しいことから、「口頭での秘密管理意思の伝達ではなく、何らかの書面(送り状への記載等)が望ましい。」とされている。 つまり、秘密保持契約書を締結できないようなケースでは、文書に「マル秘」の表示をしておくことや、メール本文などの送り状に「この情報は当社の営業秘密に当たりますので、お取り扱いにはご留意ください」と記載することなどにより、“営業秘密として保護される"との主張ができるようにしておくことが有用と考えられる。 * * * 今回は、他社に情報開示する際の、契約上の締結や書類への記載方法などについて解説した。次回は、引き続き、情報を開示する際の実務的な留意点を解説する。 (了)
《速報解説》 連結納税制度は「グループ通算制度」(仮称)へ、 今後の制度設計に注視 ~各府省庁からの令和2年度税制改正要望~ Profession Journal編集部 9月に入り来年度の税制改正に向けた議論が始まる時期となったが、8月末に取りまとめられた各府省庁からの要望事項では、新制度の創設等抜本的な改正要望はあまり見られず、既存制度の延長・拡充を求める内容が大半を占めている。 以下、ポイントとなる要望事項を確認しておきたい。 まず注目すべきは「連結納税制度の見直し」だが、「①企業・課税庁の事務負担の軽減」及び「②連結納税制度と組織再編税制との整合性の確保」を見直しの柱に据え、政府税調の専門家会合による昨年からの5回にわたる検討を経た結果(報告)については、8月27日の会議資料で確認することができる。 留意したいのが、そもそも上記2点の問題意識、すなわち既存の実務上の問題解決及び制度上の整合性確保がスタートであったところ、その後の議論の展開によって連結親法人へのSRLYルールの導入等が提示され、連結納税制度適用の大きなメリットが失われることにもなりかねないという点。いわゆる見直し後の呼称とされている「グループ通算制度」が制度導入の促進を図るような制度設計となるのか、今後の動向が注目される。また現行の連結納税制度適用法人としては、単体納税への移行可能な経過期間が設定されるのかも気になるところであり、グループ全体としてコスト面含む様々なシミュレーションを行う必要が生じてくる。なおこの点について詳細は、足立好幸氏による下記の解説記事を参照されたい。 経済産業省からは他に、株式・事業の譲渡やM&Aを通じた「親族以外の第三者への事業承継」を促進するための税制措置の創設が要望されており、自社株を譲渡する先代経営者や事業を承継する第三者側の税負担を軽減する施策が想定されるが、活況な中小規模のM&A市場をさらに後押しする可能性もあり、こちらも今後の動向を注視したい。また、前回の改正から11年が経過した「エンジェル税制」の見直しも盛り込まれており、クラウドファンディングの普及などIT化により投資環境が激変する中での制度再構築がどこまで進むか注目されよう。さらに実現すれば企業にとって影響の大きい事項だが、消費税の申告について、企業の事務負担軽減の観点から、法人税と同様に申告期限の延長(特例)を求める項目が盛り込まれている。 制度の延長等が要望されている主なものとしては、令和2年3月末で期限切れとなる企業版ふるさと納税制度について、内閣府等から制度の5年延長と税額控除割合の引上げ(現行3割を6割へ、すなわち寄附金の損金算入(約3割)と合わせて実質1割負担)が要望されているほか、こちらも同時期に期限切れとなる中小企業者等の少額減価償却資産(30万円)の取得価額の損金算入特例、及び中小法人の交際費課税の特例については経済産業省などから2年の延長が要望されている。 また、今年の年末(2019.12.31)に適用期限を迎える土地・住宅関連税制について、国土交通省から延長が要望されている。具体的には、居住用財産の買換え等に係る特例措置(譲渡益に係る課税繰延べ、譲渡損に係る損益通算及び繰越控除)や新築住宅に係る固定資産税の減額措置、住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る登録免許税の特例措置、工事請負契約書及び不動産譲渡契約書に係る印紙税の特例措置、特定の事業用資産の買換えに係る課税の繰延べ(本特例は2020.3.31期限切れ)など。他に国土交通省からは、具体的な内容は示されていないものの、老朽化マンションの再生促進のための特例措置の拡充・創設要望として、マンションの売却敷地及び敷地分割に係る税制上の支援措置が盛り込まれており、空き家と共に社会問題化する本件への税制を含めた対応は喫緊の課題といえよう。 また最近話題となった老後の資産形成に関連するものとして、金融庁からはNISA制度の恒久化やつみたてNISAの期限延長の他、金融所得課税の一体化(金融商品に係る損益通算の範囲をデリバティブ・預貯金等まで拡大)が昨年に引き続き盛り込まれている。 今後の令和2年度税制改正に関する各府省庁や団体からの情報については、先ほど公開した「令和2年度税制改正に関する《資料リンク集》」に随時掲載(更新)していくので、継続して確認していただきたい。 (了)
《速報解説》 企業会計審議会、「内部統制基準等の改訂」について公開草案を公表 ~監査役等の財務報告に係る内部統制に関する責任の記載を新たに義務付け~ 公認会計士 阿部 光成 Ⅰ はじめに 令和元(2019)年9月3日付(ホームページ掲載日は9月6日)で、企業会計審議会は、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の改訂について(公開草案)」を公表した。 これは、「監査基準の改訂に関する意見書」(平成30(2018)年7月5日)において財務諸表監査における監査報告書の記載区分等が改訂されたことから、内部統制監査報告書についても改訂するものである。 意見募集期間は令和元(2019)年10月7日までである。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。 Ⅱ 主な内容 主な改訂は次のとおりである。 Ⅲ 適用時期等 改訂基準及び改訂実施基準は、令和2(2020)年3月31 日以後終了する事業年度における財務報告に係る内部統制の評価及び監査から適用する予定である。 (了)
《速報解説》 「監査基準の改訂」等の確定が金融庁より公表される ~監査報告書における意見の根拠の記載・監査人の守秘義務等が見直される~ 公認会計士 阿部 光成 Ⅰ はじめに 令和元年9月3日付(ホームページ掲載日は9月6日)で、企業会計審議会は、次の基準を公表した。これにより、令和元年5月31日から意見募集していた公開草案が確定することになる。 「監査基準の改訂に関する意見書」は、監査人による監査に関する説明及び情報提供の一層の充実を図る観点から、監査報告書における意見の根拠の記載や監査人の守秘義務に関するものである。 また、「中間監査基準の改訂に関する意見書」及び「四半期レビュー基準の改訂に関する意見書」は、今般の監査基準の改訂及び昨年(平成30年7月5日)の監査基準の改訂における監査報告書の記載区分の見直し等を踏まえたものである。 公開草案に対する「コメントの概要及びコメントに対する考え方」も公表されているので、改訂監査基準等の理解に資するものと思われる。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。 Ⅱ 主な内容 1 監査基準の改訂 アンダーラインが主な改訂事項である。 2 中間監査基準の改訂 次の改訂を行う。 3 四半期レビュー基準の改訂 次の改訂を行う。 Ⅲ 適用時期等 (了)