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《速報解説》 「新規・成長企業へのリスクマネーの供給のあり方等に関するワーキング・グループ」報告書について

《速報解説》 「新規・成長企業へのリスクマネーの供給のあり方等に関する ワーキング・グループ」報告書について   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成25年12月25日、金融審議会「新規・成長企業へのリスクマネーの供給のあり方等に関するワーキング・グループ」から「新規・成長企業へのリスクマネーの供給のあり方等に関するワーキング・グループ」報告書が公表された。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 報告の概要 ワーキング・グループ報告は、政策面において、アーリーステージの新規・成長企業に対するリスクマネーの供給を促進するための取組みを、これまで以上に幅広く展開していくことが重要であり、また、その際には、新規・成長企業の出口戦略を多様化する等の観点から、新規上場時や上場後の資金調達の制度整備等にも引き続き努めていく必要があるとの問題意識について述べている。 そのうえで、以下の事項について検討している。 上記のほか、近年の金融資本市場の状況を踏まえたその他の制度整備も検討されている。 議論の経過に関しては、10月21日公開の「《速報解説》「新規上場に伴う負担の軽減」に関する議論について」をご覧いただきたい。   Ⅲ 新規上場に伴う負担の軽減 1 新規上場時の負担の軽減 現在、企業が新規上場を行う場合には、当該企業の募集有価証券に係る有価証券届出書を提出した上で、投資者に対して募集行為を行うことが一般的であり、新規上場時に提出する有価証券届出書には、過去5事業年度分の財務諸表の記載が必要とされている。 しかしながら、当該記載については、次の意見を踏まえ、過去2 事業年度分の財務諸表のみの記載とするよう見直すことが適当であると考えられると述べられている。 2 新規上場後の負担の軽減 現在、上場企業は、事業年度ごとに内部統制報告書の提出と当該内部統制報告書に対する公認会計士の監査が義務付けられている。 ワーキング・グループ報告では、新規上場企業であっても、内部統制報告書の提出自体を免除することは適当ではないと述べられている。 一方、内部統制報告書の監査義務については次の意見が述べられている。 そこで、新規上場企業の内部統制報告書の提出義務に係る負担を軽減するため、新規上場後、例えば3年間について、内部統制報告書に係る監査義務を免除することが適当であると考えられると述べられている。 ただし、新規上場企業であっても、その規模等に照らし、市場への影響や社会・経済的影響が大きいと考えられる企業については、内部統制が適切に機能していることを特に厳格にチェックする必要性が高いと考えられることから、こうした企業については、新規上場企業であっても、内部統制報告書に係る監査義務を免除することは適当ではないと考えられている。 (了)

#No. 50(掲載号)
#阿部 光成
2013/12/27

《速報解説》 経団連モデルの改訂について~会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型(改訂版)

《速報解説》 経団連モデルの改訂について ~会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型(改訂版)   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成25年12月27日、一般社団法人 日本経済団体連合会 経済法規委員会企画部会は「会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型(改訂版)」を公表した。 いわゆる経団連モデルの改訂である。 今回の改訂は、「退職給付に関する会計基準」(企業会計基準第26号)及び「退職給付に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第25号)の公表などに伴うものである。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な改正内容 1 (連結)株主資本等変動計算書 8月21日付けで公表された「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」により、有価証券報告書における株主資本等変動計算書等については、純資産の各項目を縦に並べる様式から横に並べる様式に変更されている。 経団連モデルの[記載例]では、株主資本等変動計算書は横に並べる様式で記載されている。 会社法上、株主資本等変動計算書の様式は規定されていないため、従来どおり、縦並び形式で作成することも考えられると述べられている。 2 連結株主資本等変動計算書及び連結貸借対照表 連結貸借対照表において、「退職給付に係る負債」と「退職給付に係る調整累計額」が追加されている。 また、連結株主資本等変動計算書において、「退職給付に係る調整累計額」が追加されている。 3 退職給付引当金の計上基準(個別の計算書類) 個別の計算書類に関する退職給付引当金の計上基準(個別注記表)において、従来の「均等償却」の用語を「定額法により費用処理」と改正している。 これは「退職給付に関する会計基準」(企業会計基準第26号)及び「退職給付に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第25号)の用語を用いたものと考えられる。 4 退職給付に係る負債の計上基準(連結計算書類) 連結計算書類の「その他連結計算書類の作成のための基本となる重要な事項」(連結注記表)において、「退職給付に係る負債の計上基準」が新設されている。 従来、「引当金の計上基準」において、退職給付引当金の計上基準が記載されていたが、当該記載については削除されている。 また、「記載上の注意」に次の記載があるので、連結計算書類の作成に当たっては注意が必要と考えられる。   Ⅲ 適用時期等 「退職給付に関する会計基準」(企業会計基準第26号)に対応する会社計算規則の改正(平成25年5月20日法務省令第16号)については、2013(平成25)年4月1日以後に開始する事業年度に係る計算書類及び連結計算書類について適用される。 なお、「退職給付に関する会計基準」及び「退職給付に関する会計基準の適用指針」の適用は段階的に行われるので、計算書類及び連結計算書類の作成に際しては注意が必要と考えられる。 (了)

#No. 50(掲載号)
#阿部 光成
2013/12/27

《速報解説》 「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い」の解説

《速報解説》 「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する 実務上の取扱い」の解説   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成25年12月25日、企業会計基準委員会は「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第30号)を公表した。 これは、従業員の福利厚生に資するために、信託を利用して自己株式を取得する取引が行われており、実務上、日本版ESOP(Employee Stock Ownership Plan)などと呼ばれることがある取引を取り扱うものである。これにより、平成25年7月2日の公開草案が確定することになる。 実務対応報告第30号は、公開草案から大きく変更されていないので、以下では、基本的に、公開草案からの変更点について解説を行う。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 範囲 従業員への福利厚生を目的として、①従業員持株会に信託を通じて自社の株式を交付する取引及び②自社の株式を受け取ることができる権利(受給権)を付与された従業員に信託を通じて自社の株式を交付する取引を対象としている。 実務対応報告は、公開草案と同様に、当該取引に関する法律的な解釈を示すことを目的とするものではなく、当該取引が、法的に有効であることを前提としていると述べている(注1)。 信託を通じて自社の株式を交付する取引には、役員に信託を通じて自社の株式を交付する取引や従業員等に信託を通じて親会社の株式を交付する取引などがあるが、実務対応報告は、公開草案において提案した本実務対応報告の対象範囲を第3項及び第4項の取引以外の取引にまで広げることは行っていない(実務対応報告26項)。   Ⅲ 従業員持株会に信託を通じて自社の株式を交付する取引 実務対応報告は、公開草案と同様に、個別財務諸表上、総額法で会計処理することとし、自己株式処分差額の認識時点についても、信託からの対価の払込期日に自己株式の処分を認識するとしている(実務対応報告5項、7項、8項)。 連結財務諸表上の取扱いも公開草案と同様である(実務対応報告9項、38項)。 公開草案では、自己株式取得に関する付随費用の取扱いを明示していなかったが、実務対応報告は、総額法の適用に際して、企業は信託に残存する自社の株式を、信託における帳簿価額(付随費用の金額を除く)により株主資本において自己株式として計上するとし、信託における帳簿価額に含められていた付随費用は信託に関する諸費用に含めると規定している(実務対応報告8項(1)、35項)。 また、企業が信託に支払った配当金等の企業と信託との間の取引は相殺消去を行わないと明示されている(実務対応報告8項(5)、37項)。   Ⅳ 受給権を付与された従業員に信託を通じて自社の株式を交付する取引 実務対応報告は、公開草案と同様に、個別財務諸表上、総額法で会計処理することとし、自己株式処分差額の認識時点についても、信託からの対価の払込期日に自己株式の処分を認識するとしている(実務対応報告10項、11項、14項)。 連結財務諸表上の取扱いも公開草案と同様である(実務対応報告15項、60項)。 自己株式取得に関する付随費用の取扱い及び企業が信託に支払った配当金等の企業と信託との間の取引に関する相殺消去の取扱いについては、Ⅱと同様である(実務対応報告14項(1)、(2))。   Ⅴ 開示等 公開草案と同様に、取引の概要関係、1株当たり情報関係、株主資本等変動計算書関係の注記が求められている。 これらの注記に関しては、各期の連結財務諸表及び個別財務諸表において注記するものがあるが、連結財務諸表における注記と個別財務諸表における注記の内容が同一となる場合には、個別財務諸表の注記は、連結財務諸表に当該注記がある旨の記載をもって代えることができるとの規定が設けられているものがある。 また、従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引については、関連当事者取引の対象外であることが示されている(実務対応報告68項、69項)。   Ⅵ 適用時期等 平成 26年4月1日以後開始する事業年度の期首から適用する。 ただし、実務対応報告公表後最初に終了する事業年度の期首又は四半期会計期間の期首から適用できる。 実務対応報告の適用初年度の期首(実務対応報告公表後最初に終了する四半期会計期間の期首から適用した場合は当該四半期会計期間の期首)より前に締結された信託契約に係る会計処理については、実務対応報告の方法によらず、従来採用していた方法を継続することができる(一定の注記が必要)。 (了)

#No. 50(掲載号)
#阿部 光成
2013/12/27

年末年始のお知らせ

平素は税務・会計Web情報誌「Profession Journal(プロフェッションジャーナル)」をご愛読いただき、厚くお礼申し上げます。 Profession Journalは毎週木曜日AM10:30に解説記事を公開しておりますが、1月2日号を休刊とさせていただきます。 1月9日(木)より通常の公開となりますので、ご了承くださいますようお願い申し上げます。

#Profession Journal 編集部
2013/12/26

《速報解説》 ストックオプション課税の適正化~平成26年度税制改正大綱~

 《速報解説》 ストックオプション課税の適正化 ~平成26年度税制改正大綱~   税理士 内山 隆一   平成26年12月12日、自由民主党・公明党による「平成26年度税制改正大綱」が公表され、24日に閣議決定された。 デフレ経済の脱却と経済再生に向け、税制面からも「企業の投資活動の推進」、「課税の適正化」といったところに主眼をおいた措置が講ぜられることとなっており、ストックオプション課税について、次のような課税の適正化措置が織り込まれた。 新株予約権等については、譲渡制限が付されているものも少なくないが、利便性の観点から譲渡制限を付さず、権利者からの請求によって発行法人が公正な価額で買い取る場合もあるようである。 新株予約権等は「株式又は出資」ではないので、発行法人に譲渡してもみなし配当課税(所法25)の対象とならず、株式等に係る譲渡所得等の金額として所得税15%、住民税5%の税率により課税される(措法37の10①、②一)。 一方、新株予約権等の行使による経済的利益については、その付与者と権利者との関係に応じ、原則として事業所得、給与所得、退職所得、一時所得又は雑所得として課税される(所令84、所基通23~35共-6)が、このうち租税特別措置法第29条の2に規定する税制適格要件を充足するものについては、権利行使時における経済的利益を非課税とし、その権利行使によって取得した株式を譲渡した時にその経済的利益を含めた譲渡益に対して所得税15%、住民税5%の税率により課税されることになっている(【例示1】参照)。 【例示1】 下記の条件で株式10,000株を取得し、その後譲渡した場合 《株価》 通常、株式会社の取締役、執行役又は使用人に付与された新株予約権等が前述の税制適格要件を充足しないで行使された場合には、その経済的利益は賞与となり給与所得課税されるため、その者の給与所得の金額が増加し、超過累進税率を大きく引き上げ、その年の税負担が著しく増加する懸念がある。 このような場合に、公正な価額で発行法人に新株予約権等を買い取ってもらえば同様の利益を株式等の譲渡益として得ることができ、所得税15%、住民税5%の負担に抑えることができる(【例示2】参照)。 【例示2】 【例示1】の新株予約権を1株当たり2,500円で発行法人に譲渡した場合 今回の改正は、新株予約権等について「権利行使をした場合」と「発行法人に譲渡した場合」を同様の取扱いとすることにより、課税の適正化を図ろうとするものである。 (了)

#No. 50(掲載号)
#内山 隆一
2013/12/26

《速報解説》 「扶養義務者(父母や祖父母)から「生活費」又は「教育費」の贈与を受けた場合の贈与税に関するQ&A」について

 《速報解説》 「扶養義務者(父母や祖父母)から「生活費」又は「教育費」の贈与を受けた場合の贈与税に関するQ&A」について   ミレニア綜合会計事務所 代表税理士 甲田 義典   国税庁は、平成25年12月13日に、「扶養義務者(父母や祖父母)から「生活費」又は「教育費」の贈与を受けた場合の贈与税に関するQ&A」について(情報)(以下「情報」という)を公表した。 現行の税法では、扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち、通常必要と認められるものは贈与税の非課税財産とされている(相法21の3①二)。 一方、相続税法基本通達では、同通達21の3-3及び3-4で「生活費」と「教育費」(以下「生活費等」)の意義を示したうえで、その非課税対象となる財産は、生活費等として必要な都度直接これらの用に充てるために贈与によって取得した財産をいい、生活費等の名義で取得した財産を預貯金した場合や、株式の買入代金若しくは家屋の買入代金に充当したような場合のものは対象外として取り扱うことが示されている(相基通21の3-5)。 また、生活費等で通常必要と認められるものの範囲は、被扶養者の需要と扶養者の資力その他一切の事情を勘案して社会通念上適当と認められる範囲の財産であることが示されている(相基通21の3-6)。 以上が生活費等の非課税財産に関する現行の税法と通達の主な概要であるが、その具体的な内容については不明確であった。 そのような中で、今年1月以降の平成25年度税制改正をめぐる、自民党、公明党及び民主党の3党間で協議が重ねられた過程において、贈与税については、高齢者が保有する資産の若年世代への早期移転を促し、消費の拡大を通じた経済の活性化を図る観点、格差の固定化の防止等の観点から、結婚、出産又は教育に要する費用等の非課税財産の範囲の明確化を含め検討することが、平成25年度税制改正法附則108条に規定されたところであった。 このような背景の下、本件情報が公表されている。 情報では、以下の5つの費用負担ごとに解説がされている。 なお、情報の内容に関しては、あくまで非課税財産となる範囲について解説されているが、具体的にいくらまでが非課税となるかは明確とされていない。 これは、生活費等の贈与を行う各家庭の生活水準が異なるため、一律に非課税枠を決めることが難しいという事情があると思われるが、実務上は、特に高額な贈与に関しては、その贈与に至った経緯など個別の事情を十分検討し、税務当局とのトラブルに発展しないように留意する必要がある。 (了)

#No. 50(掲載号)
#甲田 義典
2013/12/26

《速報解説》「種類株式の評価事例」の公表について

《速報解説》 「種類株式の評価事例」の公表について   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成25年11月6日付けで、日本公認会計士協会(経営研究調査会)は「種類株式の評価事例」(経営研究調査会研究報告第53号)を公表した。 研究報告は、比較的よく使われている権利を付した種類株式の評価について、実務の参考となるように、その評価の基本概念や発行事例、評価例を取りまとめたものである。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な内容 1 研究報告の利用上の留意点 種類株式についてはいまだ評価実務が成熟段階には到っていないため、研究報告は種類株式評価のガイドラインではなく、評価例としている。 種類株式については、次のものにも関連する記述がある。 研究報告は、種類株式の価値評価の「基準」、「マニュアル」又は「指針」といった位置づけではなく、実務を拘束するものではないと述べられている。 2 我が国の種類株式及び類似の効果をもたらす契約等 我が国の種類株式及び類似の効果をもたらす契約等として、次の記載がある。 出所:研究報告5ページ、【図表Ⅱ-1 我が国の種類株式及び類似の効果をもたらす契約等】  3 種類株式の評価例 種類株式の評価例として次のものを取り上げ、具体的な評価例を、数値を用いて説明している。 4 主な目次 研究報告の主な目次は次のとおりである。 (了)

#No. 50(掲載号)
#阿部 光成
2013/12/26

《速報解説》経営研究調査会研究報告第41号「事例に見る企業価値評価上の論点」について

《速報解説》 経営研究調査会研究報告第41号 「事例に見る企業価値評価上の論点」について   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成25年11月6日付けで、日本公認会計士協会(経営研究調査会)は「経営研究調査会研究報告第41号『事例に見る企業価値評価上の論点-紛争の予防及び解決の見地から-』の改正について」を公表した。 これは平成24年7月に改正された、「企業価値評価ガイドライン」(経営研究調査会研究報告第32号)の内容を一部参照していることから、該当箇所を中心に見直しを行ったものである(参考記事はこちら)。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な内容 1 研究報告の利用上の留意点 「本研究報告の利用に当たって」において、本事例分析は、会社側の主張及び株主側の主張について批判することを目的とするものではないこと、裁判所の判断を批評するものでもないこと、両当事者において中立な立場での検討であることなどの留意点が述べられている。 研究報告の利用に際しては注意が必要である。 2 研究報告の対象 企業価値評価を巡る紛争は、次の4つの局面で行われる。 研究報告の事例分析が対象としているものは、上記の④裁判局面に関する分析である。裁判局面は、裁判所において「公正な価格」について会社側と株主側が主張を行い、最終的に裁判所が判断を行う局面である。 3 研究報告の目的 後述する3件の事例については、既に最高裁判所の抗告等の棄却等により高裁の決定が確定している。 一連の裁判事例を通じて、企業価値評価を巡る紛争がなぜ生じたのか、予防や解決の方策を検討することが研究報告の事例分析の目的である。つまり、前述の裁判局面の分析をすることで、M&Aにおける交渉局面でどのような配慮が必要であったのかを分析・検討することにある。 4 分析対象の事例 (了)

#No. 49(掲載号)
#阿部 光成
2013/12/26

Profession Journal No.50 公開のお知らせ

12月26日(木)AM10:30、Profession Journal の No.50 が公開されました。 Profession Journalの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》については随時公開してまいります。 Web情報誌 Profession Journalは、プロフェッションネットワークのプレミアム会員専用の閲覧サービスです。 Profession Journalについての詳細はこちら。 バックナンバー一覧はこちら。

#Profession Journal 編集部
2013/12/26

〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載49〕 平成26年度税制改正の概要と留意点

〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載49〕 平成26年度税制改正の概要と留意点   税理士 竹内 陽一   1 法人実効税率の引下げの見送りと復興特別法人税の1年前倒し廃止 今回の改正においてもっとも重要な課題は、我が国競争力強化の観点からの法人実効税率の引下げであったが、財務省の抵抗によって見送りとなり、代わりとして復興特別法人税の1年前倒し廃止が実現した。 法人税率は、基本の国税分は平成23年度改正において4.5%減額されたが、平成24年度改正において、10%の付加税として2.55%増加し、差引2%の減少にとどまった。この2.55%の増加が廃止となる。 法人実効税率は、平成23年度改正前の40.69%から、平成24年度改正において38.01%となっていたが、今回の前倒し廃止により、平成23年度改正で予定された35.64%となる。 〈法人実効税率の今後の推移(3月決算法人を想定)〉   2 秋の大綱(民間投資活性化等のための税制改正大網)決定事項 (1) 「生産性向上設備投資促進税制」及び「中小企業投資促進税制」 産業競争力強化法の施行日(平成26年1月下旬の見込み)以後、平成28年3月31日までの取得について、即時償却又は5%(建物・構築物は3%)の税額控除の適用となる。 ただし税額控除は、中小企業投資促進税制により、資本金3,000万円以下の中小企業は10%の税額控除、資本金1億円以下の中小企業は7%の税額控除とされた。 対象設備には、「生産設備」と「生産ライン等の刷新・改善」がある。 「生産設備」の要件は、機械・装置については用途についての限定はなく、 「生産ライン等の刷新・改善」については、申請者作成の設備投資計画において、その設備の投資利益率が15%以上(中小企業5%)であることを、経産局が確認し、確認後取得した生産ラインの改善が対象設備となる。 以上について、即時償却又は5%(中小企業では最大10%)の税額控除が可能となる。 〈生産性向上設備投資促進税制の創設〉※経済産業省ホームページより一部抜粋 〈中小企業投資促進税制の延長・拡充〉※経済産業省ホームページより一部抜粋 〈両制度の対象資産比較〉 (2) 所得拡大促進税制の延長・拡充 平成25年度改正において導入された要件の1つである「基準年度(平成24年度)給与等支給額の5%以上増加要件」が厳しいということで、平成25年度、及び平成26年度は2%に緩和されるとともに、制度が2年延長された。平成26年度改正以後の要件は、平成25年度の遡及適用を含めて以下の通り。 上記は平成26年4月1日以後終了適用年度から適用され、平成25年4月1日開始事業年度については、平成26年度改正後の要件を満たす場合、平成26年度適用年度の法人税申告において、上乗せ控除(平成26年度も適用の場合、重複して控除)となる。 この増加額要件の「2%(H25)、2%(H26)、3%(H27)、5%(H28)、5%(H29)」は、すべて基準年度である平成24年度からの増加額なので、例えば、次の対前年度増加額の場合、初年度(25年度)=2%、26年度=0.5%、27年度=0.5%、28年度=2%、29年度=0.1%である場合、25年度から29年度までの5年間について、24年度からの増加額、2%、2%、3%、5%、5%が、法人税額の10%の税額控除の対象となる。 〈所得拡大促進税制の見直し・拡充〉※経済産業省ホームページより一部抜粋   3 法人税決定事項 平成26年度税制改正大綱における決定事項のうち法人税関連については、秋の大綱における決定事項に比べ、迫力に欠けるものが多い。 (1) 交際費等損金不算入制度 すでに中小企業については、全額損金算入の800万円の定額控除限度額が導入されているが、これを2年延長し、大法人については、交際費のうち飲食等支出額の1/2損金算入制度が導入された。中小法人については800万円定額控除制度との選択適用となる。 ※経済産業省ホームページより一部抜粋 (2) 国際戦略特区改正 国際戦略特区改正に係る改正が行われた。 特定中核事業の一定の機械装置については即時償却とされるが、特定中核事業及び当該自治体は未決定である。 (3) 沖縄振興関連 平成14年に名護市に金融・情報特区が制定されたが、その実績がなく、今回、「産業集積経済金融活性化特区」とされ、金融・情報から指定産業に拡大された。   4 相続税決定事項 (1) 持分あり医療法人の持分放棄を前提とする相続税・贈与税の納税猶予制度 医療法人は、平成19年度改正により、平成19年4月1日以後設立医療法人は、持分の定めのない医療法人しか新規設立ができなくなった。 既存の医療法人である持分の定めのある医療法人は経過措置型医療法人とされ、そのまま存続しているところであるが、配当ができない医療法人においては、多額の内部留保が蓄積され、社員の死亡に伴う出資額の相続税評価はかなり高額となり、納税に困難を伴うところであった。 平成19年医療法改正以後、この相続税負担を回避する手法は 以上①、②は安全な手法であった。 この場合、相続税法66条4項で課税されないセーフガードが明確でなかった。 以下④、⑤には相続税法66条の規定の適用はない の選択となった。 この④、⑤は医療法人にとって、かなりハ-ドルが高いものである。 以上の③と④の間に、良質な医療を提供する法人(仮称)として、厚生労働省の良質医療提供法の要件を満たし、厚生労働省の同法認定医療法人となったときは、相続の場合は、持分の放棄を前提として、当該持分に係る相続税を猶予して免除し、かつ、そのときの残存出資者についても、残存出資者も、この際、その持分の放棄することを前提として贈与税の納税を猶予し免除する制度が創設され、この制度に係る法律による認定制度施行日以後の相続・贈与から適用されることとなった。 このように、医業においては、認定制度の施行日から3年以内に厚生労働省の認定を受けることなどを要件に、全社員の持分放棄により、相続税・贈与税を免除する制度が創設された。 〈医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の特例措置の創設〉※厚生労働省ホームページより一部抜粋   5 所得税決定事項 (1) 公益法人等に財産を譲渡した場合の非課税申請 公益法人等に財産を譲渡した場合の非課税申請について、次の事項が整備された。 株式の寄附については、株式の寄附を受けた法人が、当該寄附により、株式発行法人の発行済株式数の1/2を超えてはならないこととされた。 公益認定基準においては、公益認定等委員会FAQ問Ⅴ-7-①(公益認定法5条15号関係)等において、株式保有の制限があり、他の団体の意思決定に関与することができる株式を保有しないことが求められている。 このこととの均衡を受けて、認定法上の議決権ベース(支配権)ではなく、所得税法上は、発行済株式数ベースにおいて1/2が上限とされた。 この規定は、平成26年4月1日以後の寄附について適用される。 (2) ゴルフ会員権等の譲渡損失に係る損益通算の廃止 ゴルフ会員権は生活に通常必要でない資産に該当せず、その譲渡損は他の所得との損益通算が認められていたところであるが、平成26年4月1日以降の譲渡からは所得税法施行令178条に規定する「生活に通常必要でない資産」と規定され、総合課税の譲渡所得内の通算に限られ、他の給与等の所得との通算ができないことになる。 したがって給与所得、配当所得(総合課税選択)等との損益通算ができるのは、平成26年3月31日までの譲渡となる。 また、分離課税である土地等の譲渡所得との損益通算については、すでに平成16年度改正において、平成16年1月1日以後の土地等、建物の譲渡損益については譲渡所得内損益通算及び他の所得との損益通算ができない取扱いとなっている(措法31,32)。 (3) 給与所得控除の改正 給与所得控除の上限を給与等収入金額の1,500万円超より245万円とすることは、すでに平成24年度改正において決定され、平成25年分より施行されているところであり、また所得税の最高税率は平成25年度改正で決定され、平成27年分からの適用である。 平成26年度改正において、次の決定がされた。 (4) 同族会社発行社債の特定公社債からの除外 金融証券税制は、平成25年度改正で10%の軽減税率が廃止され、平成26年以降は20%税率となる。あわせて、NISA口座が平成26年から導入され、また公社債、公社債投資信託は20%(正確には20.315%、以下略)の源泉分離課税かつ譲渡益非課税であったが、平成28年以後は特定公社債として、上場株式等と同一のグル-プとして損益通算されることとなった。 そして、この改正のあおりで、上場株式等の譲渡損と非上場株式の譲渡益の損益通算は通算不可となり、非上場株式と一般公社債グル-プとなる。 この改正の中で、同族会社が発行する社債は、一般公社債の20%の源泉分離課税ではなく、同族会社が発行した社債で同族会社の役員等が支払いを受けるものは、一般公社債であれば利子は源泉分離課税で、譲渡益等は申告分離課税であるが、いずれも、総合課税とされていた。 ここで、平成27年以前中に発行された私募債は、特定公社債に該当するとされていたが、平成26年改正においてこの規定が改正され、特定公社債となることから除外されたので、同族会社発行私募債の利子課税は、株主等が受ける利子は、平成28年以後支払いのものより総合課税となる。 (5) 相続財産である土地等を譲渡した場合の取得費加算の縮小 相続財産である土地等を申告期限から3年以内に譲渡した場合は、その相続人が取得したすべての土地等に対応したその相続人の相続税を取得費に加算できたが、平成26年度改正において、他の株式等の財産と同様に、その譲渡した土地等に対応する相続税額に縮小される。 この改正は平成27年1月以後の相続による取得財産の譲渡について適用される。 (6) 老朽化マンションの建替え等の促進に係る特例措置 避難路に面した耐震非適格建物の改修が義務付けられたことに伴い、一定の区分所有者の譲渡所得の1,500万円特別控除制度が創設された 耐震改修法に規定された通行障害既存耐震不適格マンションについて、改修若しくは建替えが義務付けられるが、認定建物敷地売却制度が新設され、決議反対区分所有者への売り渡し請求が行われ、この一定の区分所有者について1,500万円控除が適用できることになった。 〈老朽化マンションの建替え等の促進に係る特例措置〉※国土交通省ホームページより一部抜粋 (了)

#No. 50(掲載号)
#竹内 陽一
2013/12/26
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