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税務調査とは

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解説:五島 秀明(税理士)

税務調査とは、国税庁が管轄する税務署などの組織が、納税者の申告内容を帳簿などで確認し、誤りがないかどうかを確認する調査のことをいいます。
多くの人にとっては税務調査に対するイメージは「怖い」とか「お金を取られる」とか「税務署の職員が踏み込んでくる」といったものが多いと思いますが、実際の税務調査はそんなことはありません。普段から正しい申告をしてキチンと税金を納めている会社にとっては特段身構える必要はありません。とはいえやはり税務調査が入れば会社にとって精神的、時間的に大きな負担が生じますし、しかもどれだけ正しい申告をしていても(したつもりでも)、税務調査官との「見解の相違」によって意図せず申告漏れが発生してしまうケースなどもあり、追徴課税が発生してしまい、金銭的な負担も生じてしまうことになりますので、税務調査に対する最低限の知識は持っておいたほうがいいでしょう。

法人実効税率とは

1.税務調査とは

税務調査とは、国税庁が管轄する税務署などの組織が、納税者の申告内容を帳簿などで確認し、誤りがないかどうかを確認する調査のことをいいます。

テレビドラマなどで「税務調査に入られてしまった!」といったシーンがでてくることがあります。よく出てくるパターンとしては税金を正しく納めていない会社が、税務調査によって本来納めておかなければならなかった未納の税金を指摘され、追徴課税をされるというものです。こうしたドラマなどの影響からか、多くの人にとっては税務調査に対するイメージは「怖い」とか「お金を取られる」とか「税務署の職員が踏み込んでくる」といったものが多いのではないでしょうか?

ですが、実際の税務調査はそんなことはありません。普段から正しい申告をしてキチンと税金を納めている会社にとっては特段身構える必要はありません。とはいえやはり税務調査が入れば会社にとって精神的、時間的に大きな負担が生じるものです。しかもどれだけ正しい申告をしていても(したつもりでも)、税務調査官との「見解の相違」によって意図せず申告漏れが発生してしまうケースなどもあります。そうなってしまうと、追徴課税が発生してしまい、金銭的な負担も生じてしまうことになりますので、税務調査に対する最低限の知識は持っておいたほうがいいでしょう。

2.税務調査の種類

一口に税務調査といっても調査の目的によって下記の3つに区分されます。

  • ①課税処分(校正、決定等)を行うためになされる調査
  • ②滞納処分のためになされる調査
  • ③脱税事件(犯則事件)処理のためになされる調査

①は通常行われる任意調査、②は滞納になったことから納付のために行われる調査、③は伊丹監督の「マルサの女」で有名な国税庁査察部(通称:マルサ)による強制調査による調査です。通常、我々が遭遇する税務調査は①の任意調査です。「任意」と聞くと断れそうな気もしますが実際には断ることはできません。ですが強制調査のような無茶な調べ方はされません。(中には態度のよろしくない調査官もいたりしますが)税務署の職員(調査官)が会社に来て帳簿書類を調べ申告が正しかったかどうかを確認するのが一般的な税務調査です。私も税理士になりたてのころは緊張しましたが、慣れてくると結構単調なものです。

また、税務調査の種類というわけではありませんが、①の税務調査でも予告調査と無通知調査があります。一般的に調査は予告調査で、税務署から納税者と税理士に「何月何日に税務調査したい」という連絡が入ります。そこで納税者と税理士が日程調整をして調査が行われることになります。調査の日程は通常2日間で行われる場合が多いですが会社の規模によって期間は異なります。一方で、飲食店など主に現金を扱っている先や税務署の事前調査により不正経理が想定される先については、通知せずに抜き打ちで調査(無通知調査)に来ることがあります。無通知で調査を行うかどうかは事務運営指針という指針にしたがって判断しているようです。国税庁では事前通知を所得税の調査では約8割、法人税の調査では約9割実施していると発表していますが、私の経験ではもっと多い、つまり無通知調査は非常にまれであると言えます。

3.税務調査の内容

税務調査の内容といっても様々あります。営む事業の種類、規模などによって調査内容も変わってきます。ですから今回は一般的な税務調査(法人税、所得税)のポイントをお話したいと思います。

税務調査の目的は最初にもお話したとおり、「納税者の申告内容を帳簿などで確認し、誤りがないかどうかを確認する」ことなのですが、これはあくまでも建前です。本音としては「申告書の間違いを指摘して、できるだけ多くの税金を取りたい」というものでしょう。これは調査官である以上、ある意味当然のことです。では調査官はどのような視点で税務調査を行うのでしょうか?それは「利益」を小さくするような申告書の誤りを見つけることです。ご存知のとおり法人税や所得税といった税金の額は法人や個人が獲得した利益に対してかかります。その利益はご存知のとおり「売上-経費」で計算します。つまり、売上げが多いほど、経費が少ないほど利益は増え、それに伴って納めるべき税金の額も増えることになります。

ですから税務調査の際に調査官は①申告書に計上されていない売上はないか②申告書に計上されている経費の中で、本来経費にならないものがないかという視点で調査することになります。では具体的に①と②について説明していきます。

①「申告書に計上されていない売上はないか」

①の「申告書に計上されていない売上はないか」についてですが、まず「期ずれ」です。「期ずれ」とは本来今期に計上しなければいけない売上げが翌期に計上されてしまっていることをいいます。売上の計上基準のお話をすると難しくなってしまうのでここでは割愛しますが、物品販売業であれば物を相手に引き渡した時をもって売上を認識します(引渡基準)。引渡し期日に関しては、比較的容易に操作ができてしまうことから、売上を故意に少なくする手口によく使われると同時に、そのようなつもりがなくても今期の売上から漏れてしまうといったことが起こり得ます。ですから「期ずれ」は税務調査において徹底してチェックされるポイントになります。

次に「売上の漏れ」です。これは実際には売上があったのに、その売上げが帳簿に記載されないことをいいます。この「売上の漏れ」は、売上の管理が正しく行われておらず記載ミスにより発生する場合と、最初から故意に売上を少なくするために記載しない場合とがあります。後者は論外として、前者の例をお話しすると個人事業から法人組織に変更した場合の所謂「法人成り」の場合です。本来個人で認識すべき売上げが間違って法人に計上されてしまったり、入金が個人事業廃業後であったため、売上自体の認識をしていなかったりということがあります。ですから「法人成り」の場合も税務調査でチェックされるポイントになります。

②「申告書に計上されている経費の中で、本来経費にならないものがないか」

次に②の「申告書に計上されている経費の中で、本来経費にならないものがないか」についてです。事業とは関係のない支出が経費の中に含まれている場合です。これは個人事業主に対する調査でよく指摘されます。例を挙げればキリがありませんが、通常仕事では行かないような目的地の旅費や宿泊費、自宅近くでの飲食、贈答品とされているものの、親族で使いそうな物品の購入代金などです。このような支出に関しては実際の領収書などを確認しながら「事業に関わりがあるのか否か」という点を細かくチェックしていきます。

もう一つ、在庫の計上漏れがあります。物品販売業を営んでいるような場合には、期末の時点で棚卸しをして在庫を認識しますが、在庫を実際よりも少なく認識することにより原価を過大に計上し、利益を圧縮することが可能です。これも利益操作ではよく使われる手口ですから税務調査の際には在庫は細かくチェックされます。②に関しては他にも人件費や外注費の水増しなども厳しくチェックされます。

4.税務調査の終了

国税通則法改正前(平成24年以前)は税務調査の結末は非常に曖昧であることが多々ありました。ですが、改正後は「調査終了の際の手続き」が明確に定められ、税務調査が終わる際の手続きが明確になりました。税務調査の終了には次の①~③があります。

税務調査は、その最終局面において調査担当者から税務署側の結論が告げられ、修正事項(非違といいます)がある場合には修正申告書の提出を促されます。その上でその指摘について応じるか拒否をするかを、納税者が調査官に告げることによって税務調査は終わります。

  • ①税務署側の結論に従う場合には、修正申告書を提出し、追加税額の納付を行い、後日加算税の賦課決定書と延滞税のお知らせが届くので、これらの付帯税を納付すると税務調査完了です。
  • ②税務署側の結論に従わず、修正事項があると告げられたものの、修正申告書の提出に応じない場合には、税務署長から更正の通知書が送付されてきて、一応実地調査は終了し、第 2 ラウンドに突入することになります。
  • ③は一番好ましい結末ですが、修正事項がないと認められた場合(調査是認の場合)には、その旨の通知書が税務署長から送られてきます。

いかがでしたでしょうか?税務調査というと自分には関係ないと思っている方もいると思いますが、税務調査は法人だけでなく個人事業主に対しても行われますし、赤字だからといって税務調査の対象にならないなんてことはありません。普段から正しい申告を心がけ、万が一の際にもあわてないようにしたいものですね。

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