公開日: 2013/08/01 (掲載号:No.30)
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中小企業のM&Aでも使える税務デューデリジェンス 【第7回】「清算における税務の取扱い」

筆者: 並木 安生

中小企業のM&Aでも使える

税務デューデリジェンス

【第7回】

「清算における税務の取扱い」

 

公認会計士・税理士 並木 安生

 

1 はじめに

前回までは、中小企業が買収・統合される場合や、親族へ事業承継する際における税務上のポイント並びに税務デューデリジェンスの内容について解説したが、実際には買収・統合や事業承継に至らずに会社を消滅(清算)させるケースも非常に多い。

そこで、連載最終回となる今回は、その中でも代表的な手続である特別清算における税務上の取扱い、税務デューデリジェンスのポイント等について解説する。

 

2 特別清算における税務上の取扱い

オーナー経営者(個人)が保有する会社(A社)について、当初は外部への売却(M&A)を希望していたものの買い手が見つからず、また自力だけでは今後は事業が縮小の一途をたどらざるを得ない状況にあったことから、M&Aを断念して特別清算により清算手続を行うとする。

その際の各当事者における税務は、次の通りとなる。

1) 清算会社(A社)の税務
残余財産確定時点でA社に負債が残っている場合、その全額を債務免除益として益金算入する必要がある。その際、債務免除益と相殺できる損金が充分存在していないと、清算事業年度(会社が消滅する年度)で債務免除益課税を受けることとなる。

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税務デューデリジェンス

【第7回】

「清算における税務の取扱い」

 

公認会計士・税理士 並木 安生

 

1 はじめに

前回までは、中小企業が買収・統合される場合や、親族へ事業承継する際における税務上のポイント並びに税務デューデリジェンスの内容について解説したが、実際には買収・統合や事業承継に至らずに会社を消滅(清算)させるケースも非常に多い。

そこで、連載最終回となる今回は、その中でも代表的な手続である特別清算における税務上の取扱い、税務デューデリジェンスのポイント等について解説する。

 

2 特別清算における税務上の取扱い

オーナー経営者(個人)が保有する会社(A社)について、当初は外部への売却(M&A)を希望していたものの買い手が見つからず、また自力だけでは今後は事業が縮小の一途をたどらざるを得ない状況にあったことから、M&Aを断念して特別清算により清算手続を行うとする。

その際の各当事者における税務は、次の通りとなる。

1) 清算会社(A社)の税務
残余財産確定時点でA社に負債が残っている場合、その全額を債務免除益として益金算入する必要がある。その際、債務免除益と相殺できる損金が充分存在していないと、清算事業年度(会社が消滅する年度)で債務免除益課税を受けることとなる。

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連載目次

筆者紹介

並木 安生

(なみき・やすお)

公認会計士・税理士
共同会計事務所すいらんコンサルティング  東京オフィス代表

株式会社ディー・エル・イー 監査役
株式会社 TOKYO GIRLS COLLECTION 監査役
ちゅらっぷす株式会社 監査役
ハンナ インスツルメンツ・ジャパン株式会社 監査役

平成8年慶應義塾大学経済学部卒業、公認会計士2次試験合格、朝日(現あずさ)監査法人入所。平成16年税理士法人トーマツ入所、M&Aトランザクションサービス部門へ配属。平成20年並木安生公認会計士・税理士事務所開業。平成28年共同会計事務所すいらんコンサルティング 東京オフィス代表就任。

金融機関、オーナー会社や外資系企業に対し、決算業務、企業再編や事業承継に係る税務を中心としたサービスを提供。また、一般事業会社の経理・財務部門や公認会計士・税理士向けの各種セミナー講師を実施。

【主な著書】
・『グループ企業の決算業務と税務処理』(税務研究会出版局)
・『TAX&LAW事業再生の実務 ─経営・法務・会計・税務─』(第一法規、共著)

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