公開日: 2022/12/08 (掲載号:No.498)
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谷口教授と学ぶ「国税通則法の構造と手続」 【第9回】「国税通則法12条(~14条)及び22条」-書類の送達と提出-

筆者: 谷口 勢津夫

谷口教授と学ぶ

国税通則法構造手続

【第9回】

「国税通則法12条(~14条)及び22条」

-書類の送達と提出-

 

大阪学院大学法学部教授
谷口 勢津夫

 

国税通則法12条(書類の送達)

(書類の送達)

第12条 国税に関する法律の規定に基づいて税務署長その他の行政機関の長又はその職員が発する書類は、郵便若しくは民間事業者による信書の送達に関する法律(平成14年法律第99号)第2条第6項(定義)に規定する一般信書便事業者若しくは同条第9項に規定する特定信書便事業者による同条第2項に規定する信書便(以下「信書便」という。)による送達又は交付送達により、その送達を受けるべき者の住所又は居所(事務所及び事業所を含む。以下同じ。)に送達する。ただし、その送達を受けるべき者に納税管理人があるときは、その住所又は居所に送達する。

2 通常の取扱いによる郵便又は信書便によつて前項に規定する書類を発送した場合には、その郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律第2条第3項(定義)に規定する信書便物(以下「信書便物」という。)は、通常到達すべきであつた時に送達があつたものと推定する。

3 税務署長その他の行政機関の長は、前項に規定する場合には、その書類の名称、その送達を受けるべき者(第1項ただし書の場合にあつては、納税管理人。以下この節において同じ。)の氏名(法人については、名称。第14条第2項(公示送達)において同じ。)、あて先及び発送の年月日を確認するに足りる記録を作成して置かなければならない。

4 交付送達は、当該行政機関の職員が、第1項の規定により送達すべき場所において、その送達を受けるべき者に書類を交付して行なう。ただし、その者に異議がないときは、その他の場所において交付することができる。

5 次の各号の一に掲げる場合には、交付送達は、前項の規定による交付に代え、当該各号に掲げる行為により行なうことができる。

一 送達すべき場所において書類の送達を受けるべき者に出会わない場合  その使用人その他の従業者又は同居の者で書類の受領について相当のわきまえのあるものに書類を交付すること。

二 書類の送達を受けるべき者その他前号に規定する者が送達すべき場所にいない場合又はこれらの者が正当な理由がなく書類の受領を拒んだ場合  送達すべき場所に書類を差し置くこと。

国税通則法22条(郵送等に係る納税申告書等の提出時期)

(郵送等に係る納税申告書等の提出時期)

第22条 納税申告書(当該申告書に添付すべき書類その他当該申告書の提出に関連して提出するものとされている書類を含む。)その他国税庁長官が定める書類が郵便又は信書便により提出された場合には、その郵便物又は信書便物の通信日付印により表示された日(その表示がないとき、又はその表示が明瞭でないときは、その郵便物又は信書便物について通常要する送付日数を基準とした場合にその日に相当するものと認められる日)にその提出がされたものとみなす。

 

1 税務行政による書類の送達に係る到達主義の意義と問題

送達とは、「訴訟上の書類を一定の方式により当事者その他の訴訟関係人に了知させることを目的とする裁判権の作用」(角田禮次郎ほか編『法令用語辞典〔第10次改訂版〕』(学陽書房・2016年)501頁)をいうが、国税通則法はこれに「準じた送達の規定」(同頁)を定めている。すなわち、12条で「書類の送達」の通則について、13条で「相続人に対する書類の送達の特例」について、14条で書類の送達ができない場合の「公示送達」についてそれぞれ定めている。

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国税通則法構造手続

【第9回】

「国税通則法12条(~14条)及び22条」

-書類の送達と提出-

 

大阪学院大学法学部教授
谷口 勢津夫

 

国税通則法12条(書類の送達)

(書類の送達)

第12条 国税に関する法律の規定に基づいて税務署長その他の行政機関の長又はその職員が発する書類は、郵便若しくは民間事業者による信書の送達に関する法律(平成14年法律第99号)第2条第6項(定義)に規定する一般信書便事業者若しくは同条第9項に規定する特定信書便事業者による同条第2項に規定する信書便(以下「信書便」という。)による送達又は交付送達により、その送達を受けるべき者の住所又は居所(事務所及び事業所を含む。以下同じ。)に送達する。ただし、その送達を受けるべき者に納税管理人があるときは、その住所又は居所に送達する。

2 通常の取扱いによる郵便又は信書便によつて前項に規定する書類を発送した場合には、その郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律第2条第3項(定義)に規定する信書便物(以下「信書便物」という。)は、通常到達すべきであつた時に送達があつたものと推定する。

3 税務署長その他の行政機関の長は、前項に規定する場合には、その書類の名称、その送達を受けるべき者(第1項ただし書の場合にあつては、納税管理人。以下この節において同じ。)の氏名(法人については、名称。第14条第2項(公示送達)において同じ。)、あて先及び発送の年月日を確認するに足りる記録を作成して置かなければならない。

4 交付送達は、当該行政機関の職員が、第1項の規定により送達すべき場所において、その送達を受けるべき者に書類を交付して行なう。ただし、その者に異議がないときは、その他の場所において交付することができる。

5 次の各号の一に掲げる場合には、交付送達は、前項の規定による交付に代え、当該各号に掲げる行為により行なうことができる。

一 送達すべき場所において書類の送達を受けるべき者に出会わない場合  その使用人その他の従業者又は同居の者で書類の受領について相当のわきまえのあるものに書類を交付すること。

二 書類の送達を受けるべき者その他前号に規定する者が送達すべき場所にいない場合又はこれらの者が正当な理由がなく書類の受領を拒んだ場合  送達すべき場所に書類を差し置くこと。

国税通則法22条(郵送等に係る納税申告書等の提出時期)

(郵送等に係る納税申告書等の提出時期)

第22条 納税申告書(当該申告書に添付すべき書類その他当該申告書の提出に関連して提出するものとされている書類を含む。)その他国税庁長官が定める書類が郵便又は信書便により提出された場合には、その郵便物又は信書便物の通信日付印により表示された日(その表示がないとき、又はその表示が明瞭でないときは、その郵便物又は信書便物について通常要する送付日数を基準とした場合にその日に相当するものと認められる日)にその提出がされたものとみなす。

 

1 税務行政による書類の送達に係る到達主義の意義と問題

送達とは、「訴訟上の書類を一定の方式により当事者その他の訴訟関係人に了知させることを目的とする裁判権の作用」(角田禮次郎ほか編『法令用語辞典〔第10次改訂版〕』(学陽書房・2016年)501頁)をいうが、国税通則法はこれに「準じた送達の規定」(同頁)を定めている。すなわち、12条で「書類の送達」の通則について、13条で「相続人に対する書類の送達の特例」について、14条で書類の送達ができない場合の「公示送達」についてそれぞれ定めている。

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連載目次

谷口教授と学ぶ「国税通則法の構造と手続」

筆者紹介

谷口 勢津夫

(たにぐち・せつお)

大阪学院大学法学部教授

1956年高知県生まれ。京都大学法学部卒業、同大学大学院法学研究科博士後期課程単位修得退学。甲南大学法学部教授、大阪大学大学院高等司法研究科教授を経て2022年4月より現職。大阪大学名誉教授。ほかに大阪大学大学院高等司法研究科長・大阪大学法務室長、アレクサンダー・フォン・フンボルト財団奨励研究員(Forschungsstipendiat der Alexander von Humboldt-Stiftung)・ミュンヘン大学客員研究員、日本税法学会理事長、租税法学会理事、IFA(International Fiscal Association)日本支部理事、資産評価政策学会理事、司法試験考査委員、公認会計士試験試験委員、独立行政法人造幣局契約監視委員会委員・委員長、大阪府収用委員会委員・会長、大阪府行政不服審査会委員・会長、公益財団法人日本税務研究センター評議員・同「日税研究賞」選考委員、公益財団法人納税協会連合会「税に関する論文」選考委員、公益社団法人商事法務研究会「商事法務研究会賞」審査委員、近畿税理士会・近畿税務研究センター顧問など(一部現職。ほか歴任)。

主要著書は『租税条約論』(清文社・1999年)、『租税回避論』(清文社・2014年)、『租税回避研究の展開と課題〔清永敬次先生謝恩論文集〕』(共著・ミネルヴァ書房・2015年)、『税法の基礎理論』(清文社・2021年)、『税法基本講義〔第7版〕』(弘文堂・2021年)、『基礎から学べる租税法〔第3版〕』(共著・弘文堂・2022年)、『税法創造論』(清文社・2022年)、『税法基本判例Ⅰ』(清文社、2023年)など。
 
  

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