公開日: 2026/08/06 (掲載号:No.680)
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租税争訟レポート 【第86回】「消費税「確定申告書作成コーナーにおける課税仕入れの入力誤り」(第1審:神戸地方裁判所令和6年9月19日判決、控訴審:大阪高等裁判所令和7年3月18日判決)」

筆者: 米澤 勝

租税争訟レポート

【第86回】

「消費税「確定申告書作成コーナーにおける課税仕入れの入力誤り」
(第1審:神戸地方裁判所令和6年9月19日判決、
控訴審:大阪高等裁判所令和7年3月18日判決)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【判決の概要】

〈神戸地方裁判所令和6年9月19日判決の概要〉

神戸地方裁判所令和6年9月19日判決
神戸地方裁判所令和5年(行ウ)
第●●号●●●●●●処分取消請求事件
(棄却)(控訴)
国側当事者・国(龍野税務署長)
TAINSコード:Z888-2834

[原告]

■■販売店を経営する個人事業者

[被告]


処分行政庁:龍野税務署長

[争点]

処分行政庁が、令和4年7月1日付けで、原告に対して行った消費税等の過少申告加算税の賦課決定処分の違法性

[判決]

棄却(原告控訴)

〈大阪高等裁判所令和7年3月18日判決の概要〉

大阪高等裁判所令和7年3月18日判決
大阪高等裁判所令和6年(行コ)
第●●号●●●●●●処分取消請求事件
(棄却)
国側当事者・国(龍野税務署長)
TAINSコード:Z888-2764

[控訴人(第1審原告)]

■■販売店を経営する個人事業者

[被控訴人(第1審被告)]


処分行政庁:龍野税務署長

[争点]

処分行政庁が、令和4年7月1日付けで、原告に対して行った消費税等の過少申告加算税の賦課決定処分の違法性

[判決]

棄却

 

【事案の概要】

■■販売店を経営する個人事業者である原告は、平成31年1月1日から令和元年12月31日までの課税期間に係る消費税及び地方消費税の確定申告をした際、従業員の給料賃金を課税仕入れに係る支払対価の額に該当するものとして計上した。処分行政庁は、上記給料賃金が課税仕入れに係る支払対価の額に該当しないなどとして、本件課税期間の消費税等の更正処分及び過少申告加算税3万5,000円の賦課決定処分(本件付加決定処分)をした。

本件は、原告が、給料賃金を課税仕入れに係る支払対価の額に該当するものとして計上したことには、国税通則法65条4項1号所定の「正当な理由」がある、上記計上には錯誤〔民法95条〕があるから無効であると主張し、被告に対し、本件賦課決定処分の取消しを求める事案である。

 

【争点】

本件の争点は、処分行政庁が、令和4年7月1日付けで、原告に対して行った消費税等の過少申告加算税の賦課決定処分の違法性である。

 

【神戸地方裁判所の判断】

1 争点に対する原告の主張

(1) 過少申告につき「正当な理由」(通則法65条4項1号)があること

原告は、龍野税務署の確定申告会場パソコンコーナーにおいて、龍野税務署の担当職員の立会いの下、職員と同じ画面を見ながらパソコンに申告内容を入力した。原告は、税務署が用意したパソコン操作に不慣れなこと、給与賃金を課税取引と入力した場合にエラーとはならない仕組みであったことから、個票においては「課税取引にならないもの」と記載していた給与賃金を課税取引として入力してしまった。その際、職員は、原告が見ているのと同じ画面を注視していたが、原告に対して入力の誤りを指摘しなかった。原告は、職員に対し、入力後に画面をスクロールし、「これでいいですか」と尋ね、入力に誤りがないことを確認して入力を終えた。

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租税争訟レポート

【第86回】

「消費税「確定申告書作成コーナーにおける課税仕入れの入力誤り」
(第1審:神戸地方裁判所令和6年9月19日判決、
控訴審:大阪高等裁判所令和7年3月18日判決)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【判決の概要】

〈神戸地方裁判所令和6年9月19日判決の概要〉

神戸地方裁判所令和6年9月19日判決
神戸地方裁判所令和5年(行ウ)
第●●号●●●●●●処分取消請求事件
(棄却)(控訴)
国側当事者・国(龍野税務署長)
TAINSコード:Z888-2834

[原告]

■■販売店を経営する個人事業者

[被告]


処分行政庁:龍野税務署長

[争点]

処分行政庁が、令和4年7月1日付けで、原告に対して行った消費税等の過少申告加算税の賦課決定処分の違法性

[判決]

棄却(原告控訴)

〈大阪高等裁判所令和7年3月18日判決の概要〉

大阪高等裁判所令和7年3月18日判決
大阪高等裁判所令和6年(行コ)
第●●号●●●●●●処分取消請求事件
(棄却)
国側当事者・国(龍野税務署長)
TAINSコード:Z888-2764

[控訴人(第1審原告)]

■■販売店を経営する個人事業者

[被控訴人(第1審被告)]


処分行政庁:龍野税務署長

[争点]

処分行政庁が、令和4年7月1日付けで、原告に対して行った消費税等の過少申告加算税の賦課決定処分の違法性

[判決]

棄却

 

【事案の概要】

■■販売店を経営する個人事業者である原告は、平成31年1月1日から令和元年12月31日までの課税期間に係る消費税及び地方消費税の確定申告をした際、従業員の給料賃金を課税仕入れに係る支払対価の額に該当するものとして計上した。処分行政庁は、上記給料賃金が課税仕入れに係る支払対価の額に該当しないなどとして、本件課税期間の消費税等の更正処分及び過少申告加算税3万5,000円の賦課決定処分(本件付加決定処分)をした。

本件は、原告が、給料賃金を課税仕入れに係る支払対価の額に該当するものとして計上したことには、国税通則法65条4項1号所定の「正当な理由」がある、上記計上には錯誤〔民法95条〕があるから無効であると主張し、被告に対し、本件賦課決定処分の取消しを求める事案である。

 

【争点】

本件の争点は、処分行政庁が、令和4年7月1日付けで、原告に対して行った消費税等の過少申告加算税の賦課決定処分の違法性である。

 

【神戸地方裁判所の判断】

1 争点に対する原告の主張

(1) 過少申告につき「正当な理由」(通則法65条4項1号)があること

原告は、龍野税務署の確定申告会場パソコンコーナーにおいて、龍野税務署の担当職員の立会いの下、職員と同じ画面を見ながらパソコンに申告内容を入力した。原告は、税務署が用意したパソコン操作に不慣れなこと、給与賃金を課税取引と入力した場合にエラーとはならない仕組みであったことから、個票においては「課税取引にならないもの」と記載していた給与賃金を課税取引として入力してしまった。その際、職員は、原告が見ているのと同じ画面を注視していたが、原告に対して入力の誤りを指摘しなかった。原告は、職員に対し、入力後に画面をスクロールし、「これでいいですか」と尋ね、入力に誤りがないことを確認して入力を終えた。

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連載目次

租税争訟レポート

第1回~第60回

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

関連書籍

消費税実務問答集

的塲幹雄 編

新・くらしの税金百科 2026→2027

公益財団法人 納税協会連合会 編

税務・労務ハンドブック

公認会計士・税理士 井村 奨 著 税理士 山口光晴 著 税理士 濱 林太朗 著 特定社会保険労務士 佐竹康男 著 特定社会保険労務士 井村佐都美 著

【紙書籍+電子[1ID]セット版】令和8年度版 税務コンパクトブック

株式会社プロフェッションネットワーク 編著

【電子書籍版】令和8年度版 税務コンパクトブック

株式会社プロフェッションネットワーク 編著

令和8年度版 税務コンパクトブック

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プロフェッショナル 消費税の実務

税理士 金井恵美子 著

STEP式 消費税申告書の作成手順

税理士 石原健次 監修 税理士 田部純一 共著 税理士 三野友行 共著 税理士 田中信大 共著 税理士 平安孝至 共著 税理士 船橋 充 共著

実務必須の重要税務判例100

弁護士 菊田雅裕 著

小さな会社の消費税Q&A

税理士 石川幸恵 著

生産性向上のための建設業バックオフィスDX

一般財団法人 建設産業経理研究機構 編

徹底解説 課税上のグレーゾーン

辻・本郷税理士法人 監修 辻・本郷税理士法人 関西審理室 編 税理士 山本秀樹 著

消費税申告書作成事例集

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