公開日: 2026/06/11 (掲載号:No.672)
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PJ Bookmark-June 2026- 「税務調査への『備え』、どこから手をつけますか?」

筆者: Profession Journal 編集部

カテゴリ:



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PJ Bookmark
── June 2026 ──

税務調査

税務調査への『備え』、
どこから手をつけますか?

7月は税務署の事務年度の始まりであり、税務調査が本格化する時期です。調査の連絡はある日突然やってきますが、そのときになって慌てるのではなく、日頃からの備えが結果を左右するのかもしれません。

今回は「税務調査への備え」をテーマに、調査の全体像から日常業務で気をつけたいポイントまで、5本の記事をご紹介します。

 

〇 税務調査に備えて、何を確認しておくか

 

税務調査への備えといっても、まず調査がどのような流れで行われるのかを把握していなければ、準備の方向は定まりません。相続税の調査を例に、事前通知から実地調査、終了手続までの流れと近年の動向を確認しておくことは、法人税の調査への備えにも通じるところがあります →1本目

経営
事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント
【第46回】「相続税の税務調査の流れと最近の動向」
執筆:太陽グラントソントン税理士法人 事業承継対策研究会
相続税の税務調査について、事前調査の段階で税務当局が何を確認しているか、実地調査ではどのようなことが聞かれるかを、相談事例を通じて解説した記事です。実地調査の非違割合が8割を超える高水準にあること、富裕層プロジェクトチームや海外資産への調査強化の動向なども紹介されており、相続税に限らず「税務当局がどのような視点で調査先を選定するか」を知る手がかりになります。相続案件を扱う機会がある方だけでなく、調査の全体像を把握しておきたい方にも参考になる内容です。

調査の流れを知ったうえで、次に押さえておきたいのは、調査官が行使する質問検査権の法的な位置づけです。国税通則法における「調査」の単位はどう画されるのか、一度終わった調査が再開されるのはどのような場合か、こうした論点を整理しておくと、調査の場面で冷静に判断する手がかりになります →2本目

税務
〔弁護士目線でみた〕実務に活かす国税通則法
【第2回】「改めて『税務調査とは何か』を理解する」
執筆:下尾裕 弁護士
「税務調査とは何か」という問いを、国税通則法の条文と通達に即して整理した記事です。国税通則法上の「調査」は質問検査権の行使と位置づけられ、一般にイメージされる「実地の調査」はその一態様にすぎないこと、「調査」の単位は「納税義務者・税目・期間」の3つで画されること、再調査制限規定はどこまで及ぶのかといった論点が、2つの具体事例をもとに解説されています。再調査が認められる「新たに得られた情報」の解釈など、実務で争点になりうる場面については筆者の私見も示されており、税務調査の法的な枠組みを改めて整理しておきたいときの手がかりになりそうです。

制度の理解と並行して考えたいのが、そもそも臨場調査を受けないための予防策です。書面添付制度を徹底して活用することで、意見聴取の段階で調査が終了するケースもあり、税理士と税務当局の協力関係を前提とした制度として改めて検討してみる余地がありそうです →3本目

税務
〔書面添付を活かした〕税務調査を受けないためのポイント
【第1回】「税務調査が来ない企業とは」
執筆:田島龍一 公認会計士・税理士
書面添付制度を徹底活用することでクライアントがほとんど税務調査を受けていないという、中堅税理士事務所の事例を紹介しながら、「税務調査が来ない企業」はどのように育てられているのかを考察した記事です。金額の重要性が乏しいものも手を抜かず処理しておくこと、書面添付によって税務職員の疑問を事前に解消することで、意見聴取の段階で調査が終了するケースがあることが示されています。書面添付は虚偽記載があれば罰則の対象となるため慎重な運用が求められますが、税務調査の予防策として書面添付を改めて位置づける際の入り口になりそうです。

調査を受けた後の事後対応も見逃せません。過年度の申告漏れを指摘されて修正申告を行った場合、指摘事項が過去の誤謬に起因するものか、税務署との見解の相違によるものかで会計処理の方向が分かれます。遡及処理(修正再表示)や訂正報告書の提出が必要かどうか、判断の流れを確認しておきたいところです →4本目

会計
〔経営上の発生事象で考える〕会計実務のポイント
【第6回】「税務調査により過年度の申告漏れについて修正申告を行った場合」
執筆:仰星監査法人 渡邉徹 公認会計士・永井智恵 日本公認会計士協会準会員
税務調査で過年度の申告漏れを指摘され修正申告を行った際に、会計上どのような処理が必要になるかを、上場企業を想定した事例を通じて整理した記事です。出発点は「指摘事項が過去の誤謬に起因するものか、税務署との見解の相違か」の判断で、前者であれば遡及処理(修正再表示)や訂正報告書の提出、後者であれば過年度法人税等の計上へと分岐する流れが、キャビネットの耐用年数を題材とした具体例とフローチャートで示されています。巻末のチェックリストは、修正申告を受け入れる判断を顧問先と共有する場面でも役立ちそうです。

そして、調査当日だけでなく、日常の記帳業務にも落とし穴があります。会計ソフトで仕訳を修正する際の操作ひとつで、悪意がなくても隠蔽又は仮装を疑われる可能性があるという点は、オンラインツールの利用が進むなかで改めて意識しておきたいポイントです →5本目

税務
《税務必敗法》
【第7回】「振替伝票を削除した」
執筆:森智幸 公認会計士・税理士
仕訳を修正する際に振替伝票を削除してしまうと、たとえ悪意がなくても隠蔽又は仮装を疑われる可能性がある。この問題を、会計ソフトの操作レベルから実務的に解説した記事です。削除や上書き修正によって生じる5つの問題点(隠蔽・仮装の疑義、修正過程の不明化、過去の試算表との不整合、顧問先からの信用失墜、不正の温床化)が整理されており、対策としてのロック機能の活用や優良な電子帳簿への移行も紹介されています。国税庁がオンラインツールの利用を進めていることにも触れられており、帳簿データの取扱いをスタッフや顧問先に指導する際の材料としても活用できる内容です。

Afterword
今回は「税務調査への備え」を切り口に5本の記事をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。プロフェッションジャーナルには税務調査に関する記事がこのほかにもたくさん掲載されています。今回紹介できませんでしたが、米澤勝税理士・公認不正検査士(CFE)の連載「企業不正と税務調査」なども面白い記事がたくさん掲載されていますので、ぜひご一読ください。

Profession Journal

(了)

「PJ Bookmark」は、不定期の掲載となります。



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── June 2026 ──

税務調査

税務調査への『備え』、
どこから手をつけますか?

7月は税務署の事務年度の始まりであり、税務調査が本格化する時期です。調査の連絡はある日突然やってきますが、そのときになって慌てるのではなく、日頃からの備えが結果を左右するのかもしれません。

今回は「税務調査への備え」をテーマに、調査の全体像から日常業務で気をつけたいポイントまで、5本の記事をご紹介します。

 

〇 税務調査に備えて、何を確認しておくか

 

税務調査への備えといっても、まず調査がどのような流れで行われるのかを把握していなければ、準備の方向は定まりません。相続税の調査を例に、事前通知から実地調査、終了手続までの流れと近年の動向を確認しておくことは、法人税の調査への備えにも通じるところがあります →1本目

経営
事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント
【第46回】「相続税の税務調査の流れと最近の動向」
執筆:太陽グラントソントン税理士法人 事業承継対策研究会
相続税の税務調査について、事前調査の段階で税務当局が何を確認しているか、実地調査ではどのようなことが聞かれるかを、相談事例を通じて解説した記事です。実地調査の非違割合が8割を超える高水準にあること、富裕層プロジェクトチームや海外資産への調査強化の動向なども紹介されており、相続税に限らず「税務当局がどのような視点で調査先を選定するか」を知る手がかりになります。相続案件を扱う機会がある方だけでなく、調査の全体像を把握しておきたい方にも参考になる内容です。

調査の流れを知ったうえで、次に押さえておきたいのは、調査官が行使する質問検査権の法的な位置づけです。国税通則法における「調査」の単位はどう画されるのか、一度終わった調査が再開されるのはどのような場合か、こうした論点を整理しておくと、調査の場面で冷静に判断する手がかりになります →2本目

税務
〔弁護士目線でみた〕実務に活かす国税通則法
【第2回】「改めて『税務調査とは何か』を理解する」
執筆:下尾裕 弁護士
「税務調査とは何か」という問いを、国税通則法の条文と通達に即して整理した記事です。国税通則法上の「調査」は質問検査権の行使と位置づけられ、一般にイメージされる「実地の調査」はその一態様にすぎないこと、「調査」の単位は「納税義務者・税目・期間」の3つで画されること、再調査制限規定はどこまで及ぶのかといった論点が、2つの具体事例をもとに解説されています。再調査が認められる「新たに得られた情報」の解釈など、実務で争点になりうる場面については筆者の私見も示されており、税務調査の法的な枠組みを改めて整理しておきたいときの手がかりになりそうです。

制度の理解と並行して考えたいのが、そもそも臨場調査を受けないための予防策です。書面添付制度を徹底して活用することで、意見聴取の段階で調査が終了するケースもあり、税理士と税務当局の協力関係を前提とした制度として改めて検討してみる余地がありそうです →3本目

税務
〔書面添付を活かした〕税務調査を受けないためのポイント
【第1回】「税務調査が来ない企業とは」
執筆:田島龍一 公認会計士・税理士
書面添付制度を徹底活用することでクライアントがほとんど税務調査を受けていないという、中堅税理士事務所の事例を紹介しながら、「税務調査が来ない企業」はどのように育てられているのかを考察した記事です。金額の重要性が乏しいものも手を抜かず処理しておくこと、書面添付によって税務職員の疑問を事前に解消することで、意見聴取の段階で調査が終了するケースがあることが示されています。書面添付は虚偽記載があれば罰則の対象となるため慎重な運用が求められますが、税務調査の予防策として書面添付を改めて位置づける際の入り口になりそうです。

調査を受けた後の事後対応も見逃せません。過年度の申告漏れを指摘されて修正申告を行った場合、指摘事項が過去の誤謬に起因するものか、税務署との見解の相違によるものかで会計処理の方向が分かれます。遡及処理(修正再表示)や訂正報告書の提出が必要かどうか、判断の流れを確認しておきたいところです →4本目

会計
〔経営上の発生事象で考える〕会計実務のポイント
【第6回】「税務調査により過年度の申告漏れについて修正申告を行った場合」
執筆:仰星監査法人 渡邉徹 公認会計士・永井智恵 日本公認会計士協会準会員
税務調査で過年度の申告漏れを指摘され修正申告を行った際に、会計上どのような処理が必要になるかを、上場企業を想定した事例を通じて整理した記事です。出発点は「指摘事項が過去の誤謬に起因するものか、税務署との見解の相違か」の判断で、前者であれば遡及処理(修正再表示)や訂正報告書の提出、後者であれば過年度法人税等の計上へと分岐する流れが、キャビネットの耐用年数を題材とした具体例とフローチャートで示されています。巻末のチェックリストは、修正申告を受け入れる判断を顧問先と共有する場面でも役立ちそうです。

そして、調査当日だけでなく、日常の記帳業務にも落とし穴があります。会計ソフトで仕訳を修正する際の操作ひとつで、悪意がなくても隠蔽又は仮装を疑われる可能性があるという点は、オンラインツールの利用が進むなかで改めて意識しておきたいポイントです →5本目

税務
《税務必敗法》
【第7回】「振替伝票を削除した」
執筆:森智幸 公認会計士・税理士
仕訳を修正する際に振替伝票を削除してしまうと、たとえ悪意がなくても隠蔽又は仮装を疑われる可能性がある。この問題を、会計ソフトの操作レベルから実務的に解説した記事です。削除や上書き修正によって生じる5つの問題点(隠蔽・仮装の疑義、修正過程の不明化、過去の試算表との不整合、顧問先からの信用失墜、不正の温床化)が整理されており、対策としてのロック機能の活用や優良な電子帳簿への移行も紹介されています。国税庁がオンラインツールの利用を進めていることにも触れられており、帳簿データの取扱いをスタッフや顧問先に指導する際の材料としても活用できる内容です。

Afterword
今回は「税務調査への備え」を切り口に5本の記事をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。プロフェッションジャーナルには税務調査に関する記事がこのほかにもたくさん掲載されています。今回紹介できませんでしたが、米澤勝税理士・公認不正検査士(CFE)の連載「企業不正と税務調査」なども面白い記事がたくさん掲載されていますので、ぜひご一読ください。

Profession Journal

(了)

「PJ Bookmark」は、不定期の掲載となります。

連載目次

筆者紹介

Profession Journal 編集部

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