公開日: 2026/05/14 (掲載号:No.668)
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PJ Bookmark-May 2026- 「計算書類の「最終チェック」、今年はどこを見ますか?」

筆者: Profession Journal 編集部

カテゴリ:



B
PJ Bookmark
── May 2026 ──

役員報酬

計算書類の「最終チェック」、
今年はどこを見ますか?

3月決算法人では、計算書類が確定し、6月の定時株主総会に向けた準備が本格化する時期です。計算書類の作成自体は毎年の業務ですが、だからこそ「前期のデータが残っていた」「表示方法の変更に合わせた組替えを忘れていた」といった、慣れた作業の中で生じるミスが後を絶ちません。

今回は「計算書類と株主総会」」を切り口に、関連する記事を5本ご紹介します。

 

〇計算書類の確定から株主総会まで、何を確認しておくか

 

計算書類の確定から株主総会までの実務では、次のような検討事項があるかと思います。

まず、計算書類のチェック方法です。同じ方法で二度確認する「ダブルチェック」だけでなく、異なる書類の数値を突合する「クロスチェック」を組み合わせることで、ミスの発見率を高められます → 1本目。あわせて、表示方法を変更した場合に比較情報の組替えを忘れるという、実際に訂正に至った事例も確認しておきたいところです → 2本目

会計
計算書類作成に関する"うっかりミス"の事例と防止策
【第36回】「『ダブルチェック』ではなく、『クロスチェック』を実践せよ」
執筆:石王丸周夫 公認会計士
貸借対照表の自己株式残高が株主資本等変動計算書の残高と一致していない・・・本記事では、実際に定時株主総会の招集通知で起きたこの訂正事例をもとに、「クロスチェック」の有効性を解説しています。ダブルチェック(同じ方法で二度確認する)ではなく、異なる書類の一致すべき数値を突合するクロスチェックであれば、作成者一人でも十分に効果があるという指摘は、限られた人員で計算書類を仕上げる場面で実践しやすい考え方です。

会計
決算短信の訂正事例から学ぶ実務の知識
【第17回】「表示方法変更時における過年度数値の組替え忘れ」
執筆:石王丸周夫 公認会計士
当連結会計年度の数値には問題がなく、訂正されたのは比較情報である前連結会計年度の数値だけだった・・・本記事で取り上げられている訂正事例はそのようなケースです。営業外費用の内訳で「支払手数料」を当期から「その他」に含める表示方法の変更を行ったにもかかわらず、前期の比較情報を組み替えずにそのまま掲載してしまったことが訂正の原因でした。本記事では、なぜこの組替えが必要なのかを、利用者に伝わる情報の違いという観点から丁寧に説明したうえで、連結財務諸表規則の関連条文も確認しています。チェックのポイントとして「数値欄に『-』がある科目に注意する」という具体的な方法が示されており、開示前の自己点検に活用できます。

次に、中小企業の計算書類です。上場企業の開示実務とは異なり、中小企業の個別注記表にはどのような項目をどう記載すべきか、具体的なサンプルがあると作成・確認の助けになります → 3本目

会計
〔事例で使える〕中小企業会計指針・会計要領《個別注記表》編
【第2回】「個別注記表の記載例」
執筆:前原啓二 公認会計士・税理士
上の2本の記事が上場企業の開示実務を扱っているのに対し、この記事は中小企業の計算書類に焦点を当てています。中小企業に多い株式譲渡制限規定を定款に設けている会社を想定し、個別注記表の記載サンプルを一通り示した内容です。重要な会計方針から、貸借対照表に関する注記、株主資本等変動計算書に関する注記まで、具体的な文例が掲載されています。毎年作成するものではあるものの、記載項目の漏れがないかを確認する際のチェックリストとしても活用できる記事です。

株主総会の準備については、有価証券報告書の総会前開示の動向や議決権行使助言基準の変更など、毎年のアップデートを押さえておく必要があります → 4本目

経営
2026年株主総会における実務対応のポイント
執筆:斎藤誠(三井住友信託銀行 ガバナンスコンサルティング部 プリンシパル)
今年特に注目されるのは、有価証券報告書の総会前開示に関する動向です。昨年は3月決算会社の57.7%が総会前開示を実施し、本年はさらに増加が見込まれるとのことで、2026年2月施行の開示府令改正による記載負担の変化にも触れられています。また、個人株主数が約1,600万名に達したことを踏まえた議決権行使促進策、ISS・グラスルイスの助言基準の変更(社外役員の在任期間12年基準の導入等)、法制審議会での会社法改正の議論状況など、総会準備にあたって押さえておきたい情報がコンパクトにまとまっています。

さらに、計算書類と株主総会は税務申告とも密接に関わっています。株主総会の承認を得ていない決算書類に基づく確定申告は有効なのか・・・頻繁に生じる問題ではありませんが、「確定した決算」の意味を改めて考えさせられる論点です → 5本目

税務
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説
【事例61】「株主総会の承認を得ていない決算書類に基づく確定申告の有効性」
執筆:安部和彦 拓殖大学商学部教授・税理士
株主総会(社員総会)の承認を得ていない決算書類に基づく法人税の確定申告は有効なのか・・・本記事では、この論点が争われた裁判例を詳しく検討しています。裁判所は、中小企業の実態として総会の承認を経ずに申告がなされているケースが多いことを踏まえ、総勘定元帳に基づく決算書類があれば承認を経ていなくても申告は有効と判断しました。一方で、当初申告で評価損を計上していなかった以上、後から決算書類を修正して損金経理要件を満たすことはできないとしています。「確定した決算」とは何かという、確定決算主義の根幹に関わる論点を扱った記事であり、計算書類の確定と税務申告の関係を改めて考えさせられる内容です。

Afterword
今回は「計算書類と株主総会」を切り口に5本の記事をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。プロフェッションジャーナルには計算書類に関する記事がこのほかにもたくさん掲載されています。税効果会計の適用、会計上の見積りの注記、キャッシュ・フロー計算書の作成など、掘り下げた記事がありますので、気になるテーマがあればぜひ探してみてください。

Profession Journal

(了)

「PJ Bookmark」は、不定期の掲載となります。



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計算書類の「最終チェック」、
今年はどこを見ますか?

3月決算法人では、計算書類が確定し、6月の定時株主総会に向けた準備が本格化する時期です。計算書類の作成自体は毎年の業務ですが、だからこそ「前期のデータが残っていた」「表示方法の変更に合わせた組替えを忘れていた」といった、慣れた作業の中で生じるミスが後を絶ちません。

今回は「計算書類と株主総会」」を切り口に、関連する記事を5本ご紹介します。

 

〇計算書類の確定から株主総会まで、何を確認しておくか

 

計算書類の確定から株主総会までの実務では、次のような検討事項があるかと思います。

まず、計算書類のチェック方法です。同じ方法で二度確認する「ダブルチェック」だけでなく、異なる書類の数値を突合する「クロスチェック」を組み合わせることで、ミスの発見率を高められます → 1本目。あわせて、表示方法を変更した場合に比較情報の組替えを忘れるという、実際に訂正に至った事例も確認しておきたいところです → 2本目

会計
計算書類作成に関する"うっかりミス"の事例と防止策
【第36回】「『ダブルチェック』ではなく、『クロスチェック』を実践せよ」
執筆:石王丸周夫 公認会計士
貸借対照表の自己株式残高が株主資本等変動計算書の残高と一致していない・・・本記事では、実際に定時株主総会の招集通知で起きたこの訂正事例をもとに、「クロスチェック」の有効性を解説しています。ダブルチェック(同じ方法で二度確認する)ではなく、異なる書類の一致すべき数値を突合するクロスチェックであれば、作成者一人でも十分に効果があるという指摘は、限られた人員で計算書類を仕上げる場面で実践しやすい考え方です。

会計
決算短信の訂正事例から学ぶ実務の知識
【第17回】「表示方法変更時における過年度数値の組替え忘れ」
執筆:石王丸周夫 公認会計士
当連結会計年度の数値には問題がなく、訂正されたのは比較情報である前連結会計年度の数値だけだった・・・本記事で取り上げられている訂正事例はそのようなケースです。営業外費用の内訳で「支払手数料」を当期から「その他」に含める表示方法の変更を行ったにもかかわらず、前期の比較情報を組み替えずにそのまま掲載してしまったことが訂正の原因でした。本記事では、なぜこの組替えが必要なのかを、利用者に伝わる情報の違いという観点から丁寧に説明したうえで、連結財務諸表規則の関連条文も確認しています。チェックのポイントとして「数値欄に『-』がある科目に注意する」という具体的な方法が示されており、開示前の自己点検に活用できます。

次に、中小企業の計算書類です。上場企業の開示実務とは異なり、中小企業の個別注記表にはどのような項目をどう記載すべきか、具体的なサンプルがあると作成・確認の助けになります → 3本目

会計
〔事例で使える〕中小企業会計指針・会計要領《個別注記表》編
【第2回】「個別注記表の記載例」
執筆:前原啓二 公認会計士・税理士
上の2本の記事が上場企業の開示実務を扱っているのに対し、この記事は中小企業の計算書類に焦点を当てています。中小企業に多い株式譲渡制限規定を定款に設けている会社を想定し、個別注記表の記載サンプルを一通り示した内容です。重要な会計方針から、貸借対照表に関する注記、株主資本等変動計算書に関する注記まで、具体的な文例が掲載されています。毎年作成するものではあるものの、記載項目の漏れがないかを確認する際のチェックリストとしても活用できる記事です。

株主総会の準備については、有価証券報告書の総会前開示の動向や議決権行使助言基準の変更など、毎年のアップデートを押さえておく必要があります → 4本目

経営
2026年株主総会における実務対応のポイント
執筆:斎藤誠(三井住友信託銀行 ガバナンスコンサルティング部 プリンシパル)
今年特に注目されるのは、有価証券報告書の総会前開示に関する動向です。昨年は3月決算会社の57.7%が総会前開示を実施し、本年はさらに増加が見込まれるとのことで、2026年2月施行の開示府令改正による記載負担の変化にも触れられています。また、個人株主数が約1,600万名に達したことを踏まえた議決権行使促進策、ISS・グラスルイスの助言基準の変更(社外役員の在任期間12年基準の導入等)、法制審議会での会社法改正の議論状況など、総会準備にあたって押さえておきたい情報がコンパクトにまとまっています。

さらに、計算書類と株主総会は税務申告とも密接に関わっています。株主総会の承認を得ていない決算書類に基づく確定申告は有効なのか・・・頻繁に生じる問題ではありませんが、「確定した決算」の意味を改めて考えさせられる論点です → 5本目

税務
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説
【事例61】「株主総会の承認を得ていない決算書類に基づく確定申告の有効性」
執筆:安部和彦 拓殖大学商学部教授・税理士
株主総会(社員総会)の承認を得ていない決算書類に基づく法人税の確定申告は有効なのか・・・本記事では、この論点が争われた裁判例を詳しく検討しています。裁判所は、中小企業の実態として総会の承認を経ずに申告がなされているケースが多いことを踏まえ、総勘定元帳に基づく決算書類があれば承認を経ていなくても申告は有効と判断しました。一方で、当初申告で評価損を計上していなかった以上、後から決算書類を修正して損金経理要件を満たすことはできないとしています。「確定した決算」とは何かという、確定決算主義の根幹に関わる論点を扱った記事であり、計算書類の確定と税務申告の関係を改めて考えさせられる内容です。

Afterword
今回は「計算書類と株主総会」を切り口に5本の記事をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。プロフェッションジャーナルには計算書類に関する記事がこのほかにもたくさん掲載されています。税効果会計の適用、会計上の見積りの注記、キャッシュ・フロー計算書の作成など、掘り下げた記事がありますので、気になるテーマがあればぜひ探してみてください。

Profession Journal

(了)

「PJ Bookmark」は、不定期の掲載となります。

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筆者紹介

Profession Journal 編集部

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