〔中小企業のM&Aの成否を決める〕対象企業の見方・見られ方 【第7回】「《特別編》コロナ禍が変える中小企業のM&A」~その4:期待される売り手の良きアドバイザー~
中小企業のM&A当事者の一方である「売り手」。中小企業の場合、通常、売り手にとってM&Aは初めての経験ですから手探りの中で手続が進行します。買い手が売り手の何を気にしているか、売り手として何をしておくのが良いのか、何から手をつければ良いのか、M&Aノウハウがないので正直なところ“わからない”というのが、多くの売り手の本音ではないでしょうか。
売り手はM&Aによって大切な事業や企業そのものを手放す立場です。大事な決断を控える中で見えない相手や不安を前に何よりも頼りになるのは、強い味方として売り手の支えとなる“第三者の存在”です。
山本守之の法人税“一刀両断” 【第75回】「連結納税制度からグループ通算制度へ」
令和2年度税制改正で現行の連結納税制度が見直され、令和4年4月1日以後に開始する事業年度から「グループ通算制度」に移行します。
従来の連結納税制度では、企業グループ全体を1つの課税単位として計算した法人税額を親会社が申告していましたが、グループ通算制度では、企業グループ内の親会社及び子会社それぞれを納税単位として各法人が個別に法人税額の計算と申告を行うことになります。
谷口教授と学ぶ「税法の基礎理論」 【第44回】「租税法律主義の基礎理論」-租税法律主義の機能的考察と法の支配によるコーティング-
前回から、「租税法律主義の基礎理論」を主題として、日税研論集77号(近刊)で公表予定の拙稿「租税法律主義(憲法84条)」をベースにして租税法律主義の「総論的」検討を始めたが、今回は、上記拙稿のⅠの4「租税法律主義の機能的考察-法の支配による租税法律主義のコーティング-」をベースにして租税法律主義の法的性格・法的構成を検討することにする。
その検討に入る前に、後述する租税法律主義の機能的考察との関係で、法学体系における「租税法の独立性のモメント」(金子宏『租税法理論の形成と解明 上巻』(有斐閣・2010年187頁[初出・1972年])。以下『形成と解明(上)』と略記する。太字筆者)について簡単に述べておきたい。
Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第14回】「〔第2表〕比準要素数1の会社の判定の留意点」
A社は開業後30年の会社であり、創業以来、配当を行ったことがなく、債務超過になった事業年度もありません。毎期経常的に利益が出ていますが、前々期に社長の退職金を支給したことによって、前々期は赤字となっています。
A社の類似業種比準価額の計算要素である1株当たりの年配当金額、年利益金額、純資産価額は、下記の通りとなります。
組織再編税制、グループ法人税制及びグループ通算制度の現行法上の問題点と今後の課題 【第4回】「無対価組織再編成、グループ法人税制及び株式交換等」
平成22年度税制改正により無対価組織再編成の明確化が図られ、対価の交付を省略したと同視することができる場合を条文に限定列挙し(法令4の3)、それ以外の場合には、非適格組織再編成に該当するという制度に改められた。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例90(法人税)】 「売却価額の高い順から1,500頭に「肉用牛の免税特例」を適用したため、1頭あたりの上限金額を超過して適用している頭数につき税務調査で否認され、追加適用ができなくなってしまった事例」
平成Y9年3月期から平成Z1年3月期の法人税につき「農地所有適格法人の肉用牛の売却に係る所得の課税の特例」(以下「肉用牛の免税特例」という)により、1頭あたり100万円(交雑種80万円、乳用種50万円)未満であれば、年間の売却頭数が1,500頭まで法人税等が免除となるところ、価額の検討をせずに金額の高い順から1,500頭に上記特例を適用したため、1頭あたりの上限価額を超過して適用している頭数につき税務調査で否認された。
上限価額を考慮して上記特例を適用していれば、別の肉用牛に特例の適用ができ、納付税額を低くできたとして過大納付税額につき賠償請求を受けたものである。
国外財産・非居住者をめぐる税務Q&A 【第45回】「外国所在財産に係る遺産分割と相続税申告の留意点」
日本に住んでいる日本人が、米国に不動産を遺して死亡しました。遺言書はありません。
この場合、相続人間で遺産分割協議書を作成してこの財産を取得する者を決め、相続税の申告をすれば、手続上、問題ないですか。
〔弁護士目線でみた〕実務に活かす国税通則法 【第5回】「『更正の請求』が利用できる場面」
「更正の請求」とは、納税者自らが一度確定した納税義務の軽減を求める手続である。
過大納付された税金については、本来、国側の不当利得であるなどとして広く返還を求める余地もあるところ(最高裁昭和49年3月8日判決・民集28巻2号186頁)、「租税債務の早期確定」という国家財政上の要請を踏まえ、所定の手続によって限定的に認めるべく設定されているものである。
〈ツボを押さえて理解する〉仕訳のいらない会計基準 【第1回】「会計基準の世界にようこそ」
新聞を読むときやニュースを聞いている時に飛び込んでくる、たとえば「四半期」、「連結」、「減損」、「繰延税金資産」、「のれん」などなどの言葉、これらは会計基準と呼ばれる、会計のルールの中で登場する言葉たちです。
その多くは、上場会社を中心に使われていて、簿記や会計を学んだことがあっても、「実は詳しく知らない」、「実務で使ったことがない」という方が多いものです。もしかすると、会計はよく知らないけれど、新聞やニュースでよく見聞きする言葉なので意味くらいは理解したいと思っている、という方が案外多いかもしれません。
