国家安全保障から見る令和7年度及び近年の税制改正-防衛特別法人税等の企業への影響- 【第8回】
法人税の更正の請求等については、国税通則法第23条から30条に規定が置かれ、更正の請求の特例の規定が法人税法第81条に置かれている。法人税の更正の請求の特例に該当する修正申告書の提出等の場合に対応して、防衛特別法人税についても地方法人税と同様に、更正の請求の特例その他の規定を置いている(防衛財確法34~39)。
学会(学術団体)の税務Q&A 【第22回】「学会が研究事業を行う場合の税務上の留意点」
本学会では、公的機関や他団体(公益法人・民間企業)から収入を受けて、研究事業を行うケースがありますが、その際の税務上の留意点について教えてください。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第79回】
暗号資産の匿名性(※)について、一般に、暗号資産には一定の匿名性があると認識されている。ここでの認識は、暗号資産は、身元を明らかにすることなく、取引や保有を行うことができるように設計されているというものである。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第82回】「三井住友信託銀行特定民間国外債事件 -政令委任による解除条件付利子非課税規定の解釈について-(地判令2.12.1、高判令3.9.30、最判令4.5.26)(その2)」
Ⅳ評釈の見解;争点ごとの要約
1 藤岡裕治「特定民間国外債の利子に対する非課税規定適用のための利子受領者確認書の提出と源泉徴収 東京地裁令和2年12月1日判決」税経通信2021.4 P96~103
❷ 文理解釈
本判決は、規定の中にある文言に関する解釈を示しているわけではない。本判決は措法6条⑦及び同条⑬並びに施行令3条の2の2㉗の関係を示すにとどまっている。
❸ 論理解釈:当然予定説
本判決は、法律関係の確定を重視する実質的な理由を示していない。租税法律関係の安定を納税者の保護より重視する根拠は明らかではない。厳密には、法定納期限後に法律関係が変わることは想定し得る。法律関係を確定するために措法6条⑦が適用要件としての提出期限を設けることを当然に予定しているとする本判決の理由づけにはさらなる論証が必要であろう。
❹ 政令委任
仮に措法6条⑦が提出期限を設けることを当然に予定していないならば、・・・課税要件を政令で定めるものとなり、そのような委任が許されるかという委任の内容が問題となったはずである。
❻ 結果妥当性
源泉徴収義務者が求償権を行使しないことを想定した本判決の解決は、本来の納税義務者である非居住者等の地位を不安定にする点及び源泉徴収義務者の事務負担の点から課題が残る。
有価証券報告書における作成実務のポイント 【第16回】
今回は、有価証券報告書のうち、【経理の状況】の【注記事項】1株当たり情報からその他の作成実務ポイントについて解説する。
なお、本解説では2025年3月期の有価証券報告書(連結あり/特例財務諸表提出会社/日本基準)に原則、適用される法令等に基づき解説している。
国家安全保障から見る令和7年度及び近年の税制改正-防衛特別法人税等の企業への影響- 【第7回】
法人税の確定申告書を提出した場合に、法人税の額の計算上、控除しきれなかった外国税額、所得税額及び中間納付額等については、還付される(法法78①、79①)が、防衛特別法人税についても、外国税額及び中間納付額について同様の制度が設けられている。所得税については法人税の確定申告書により還付されるため、防衛特別法人税の申告書の提出による還付の対象とされていない。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例151(贈与税)】 「期限内の相続時精算課税選択届出書及び贈与税申告書の提出を失念したため、結果として暦年課税制度での申告となり、過大納付が発生してしまった事例」
令和X年に貸家及びその敷地の贈与を実父から受け、相続時精算課税制度による贈与税の申告を依頼されたが、相続時精算課税選択届出書及び期限内の贈与税申告書提出を失念してしまったため、結果として暦年課税制度での申告となってしまった。これにより贈与税が過大納付となり、過大納付税額につき賠償請求を受けた。
固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第53回】「マンションの売却時に買主が負担すべき修繕積立基金を売主が負担したことによる経済的利益は、雑所得ではなく、一時所得と判断された事例」
居住用家屋に関連する支出のうちマンション所有者特有のものとして管理費や修繕積立金の支払いがある。管理費とは、マンションの共用部分の維持管理のための費用であり、修繕積立金は、マンションの共用部分の大規模修繕に備えて、定期的に積み立てるものである。これらはいったん支払うとマンション所有者に返金されることはない。
〔実務で差がつく!〕相続時精算課税制度Q&A 【第3回】「特定贈与者より先に相続時精算課税適用者が死亡し、相続税申告で相続時精算課税適用財産の申告漏れがあった場合の対応と加算税の取扱い」
父Aから子Bへ令和2年1月に贈与があり、子Bは相続時精算課税を適用した。
令和4年2月に子Bが父Aより先に死亡した。子Bの相続人はBの子である孫Cの1名である。
令和6年6月に父Aが死亡し、相続財産は代襲相続人である孫Cが1名で全て相続した。
孫Cは父Aに係る相続税の期限内申告で、子Bの相続時精算課税適用財産を申告漏れしていた(子Bの氏名等を相続税の期限内申告書に記載していない)。
このような場合に申告期限後に相続時精算課税適用財産の申告漏れを是正するために孫Cはどのように申告すべきか。また、加算税はどうなるのか(この申告漏れを是正する申告は更正決定等を予知してされたものではない)。
